はこふぐ
先日の沼津魚市場の、生簀には見慣れない魚が、入荷していました。
これだと分らないので、手を入れてみました。
一風変わった姿です。こんな札が貼ってありました。
“ハコフグ”と書かれています。
ふぐというふぐには、関心を示さずにはいられない自分ですが、“はこふぐ”だけは、絶対NGです。
何よりも、美味しくないことです。だからと言って、食べられないわけではありません。“はこふぐ”の食べ方として、有名なのが“味噌焼き”です。ちなみに、この“味噌焼き”を作ったのですが、いまいちでした。
また、“はこふぐ”はその可愛らしい姿から鑑賞用には、もってこいなのですが、水槽に入れることだけは、御法度です。
というのも、“はこふぐ”は他のふぐ(さばふぐは除きます。)とは異なり、無毒なのですが、“バフトキシン”という水溶性の毒を持っています。
不用意な刺激を受けたり、“はこふぐ”そのものが死んでしまうと、この毒が放出され、水槽の中に入る他の魚が死んでしまうのです。
また、以前自分は“はこふぐ”を卸す時に、とんでもない経験をしました。恐らく、この毒が原因だと思うのですが、卸し終えたら、手がかゆいのです。病院へ行くほどのものではなかったのですが、その時はかなりあせりました。
このように活きた“はこふぐ”が入荷するのは、ごくまれなことですが、こんなお話しが出来るのも、“食べたことはないものは、一度は食べないと気がすまない”性分ゆえのことでしょう。
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この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
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店主 志村
しょうさいふぐの白子
今朝、仕入れてきた“しょうさいふぐ”です。
ここ最近、入荷があるので、仕入れることもしばしばです。沼津の魚市場に、直接水揚げされるので、獲れたてです。
特に、この時季の“しょうさいふぐ”は、オス、メスともに生殖腺が発達しています。メスのそれ、つまり真子は猛毒ゆえ、食べることは出来ませんが、オスのそれ、つまり白子は無毒ゆえ、食べることが出来ます。
今朝の“しょうさいふぐ”にも、白子が入っていました。
ただ、活きているものではないので、多少、血がにじんでいますが、鮮度は抜群なので、臭みは全くありません。
白子の料理と言えば、やはりポン酢と紅葉卸しが定番です。
あとは、白子焼です。
どちらも、ふぐの白子特有のコクと旨味があります。とは言っても、やはり“とらふぐ”の白子には敵いません。“しょうさいふぐ”の白子は、“とらふぐ”のものに比べ、味が淡白です。
身は、唐揚げにしてお出ししています。詳しくは、こちらを。ちなみに、以前、お話しした時は、まだ白子も小さかったので使えませんでした。
最初の写真にあるように、“しょうさいふぐ”そのもの入荷が、少ないので、当然白子も貴重品でもあります。こういう、ちょっと変わったものをお出し出来ると、早起きして市場に行った甲斐があるものです。
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店主 志村
ふぐが色々
今朝、沼津の魚市場へ行くと、こんな魚が並んでいました。名前は、全く分りません。もっと言うと、食べられるかどうかも分りません。その場に集まってきた人が言うには、サメとのことでした。
こういう魚が入荷するのも、漁港に隣接している魚市場ならではのことです。
こんな変わった魚でも、不思議と仕入れる人はいるものです。その使い道は、スーパーの鮮魚売り場や、居酒屋などのネタケースに置かれ、“見せもの”になるくらいです。意外と高い値がついたりもします。
他人のことを言える性質ではないのですが、世の中変わり者はいるものです。こんな前置きがあると、仕入れたかと思うでしょうが、仕入れて来ませんでした。
その代わりに、仕入れたのが、こちらです。
ふぐです。“とらふぐ”、“さばふぐ”、”しょうさいふぐ”の三種類です。どれも、沼津産です。さっきのサメと同様で、このように一本でも入荷するのも、漁港の市場ならではのことです。
これが、“とらふぐ”です。
三本あるのが、”さばふぐ”です。
そして、これが“しょうさいふぐ”です。
味の順番をつけると、“とらふぐ”がダントツの一番です。その次が、“しょうさいふぐ”で、“さばふぐ”となります。
今日仕入れたふぐは、鮮度はいいのですが、活きたものではないので、刺身にはなりません。というより、刺身にも出来るのですが、自分はしません。
理由は単純明快です。美味しくないからです。
今朝のふぐは、どれも唐揚げ用に使います。”さばふぐの唐揚げ”はこちらで、“しょうさいふぐの唐揚げ”は、こちらです。
さらに”とらふぐ”は、こちらです。というより、これこそが、“ふぐの唐揚げ”です。“佳肴 季凛”では、“とらふぐ”以外のふぐを使う時は、それぞれの名前を伝えます。
そうしなければ、偽装とまではいかなくても、何となくペテンにかけているような気がしないでもありません。
こんな日に“佳肴 季凛”にいらしたら、ふぐの唐揚げの味比べをするのも、一興かもしれません。また、前もって仰って頂ければ、ご用意致します。
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店主 志村
いろんなふぐの白子
今朝、沼津の魚市場に行ってみると、こんなものが入荷していました。
ちょっと見にくいので、ビニールを取ってみると、
こんな感じのものが入っていました。白子です。この白子は、ふぐの白子ですが、“とらふぐ”のものではありません。
“さばふぐ”の白子です。ご覧頂けば、お分かりのように、あまり良い物ではありません。血がにじんでいますし、所々胆のうの痕がついています。何故、こんな感じなのかと言うと、活きているふぐのものではないからです。ちなみに、“さばふぐ”は、こんなふぐです。
さばふぐについては、先日のお話しをご覧下さい。話しは前後しますが、ここ最近自分が仕入れる“さばふぐ”の身は、唐揚げにするには全く平気ですし、白子も入っています。ただこの白子と同じ様なものなので、使いません。
ちなみに、この白子の産地は、山形県です。
さらに、市場の中を歩いていると、
また、白子がありました。秋田県産です。
この白子は、“ごまふぐ”のものです。“ごまふぐ”も先日お話ししました。先程の“さばふぐ”の白子と全く同じ様な感じでした。当然、素通りです。
どちらの白子も、ふぐの白子だけあって、それなりというか、なかなかの値段です。この類の白子を仕入れて、“とらふぐ”とは言わず、ふぐの白子と言って、それなりの値段をもらう店もあります。
たしかに、ふぐの白子ではあるのですが、そういう時は、“○○ふぐ”の白子と言うべきだと、自分は思います。実際、“佳肴 季凛”では、ふぐの種類を伝えて、お出ししています。
でないと、今朝のような白子を初めて食べた方は、「ふぐの白子なんて、大して美味しくない。」と思ってしまいます。白子に限らず、食べ物は最初に食べた時のイメージが大きいので、そういう提供の仕方は、いかがなものかと思います。
“佳肴 季凛”ではそのようなことは、致しません。また、全てを話さなくては気が済まないくらいの性分ですから、自分が食べたい、美味しいと思ったものしかお出ししません。もっとも、人それぞれ、好みがありますから、好みに合わない時は、ご容赦下さい。
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店主 志村
ごまふぐ
今朝、沼津の魚市場へ行くと、こんな魚が入荷していました。
もう少し近くで見てみます。
“ムキフグ”と書かれいます。そんな名前のふぐはいません。よく見ると、下のほうに、“ゴマフグ”と書かれています。山形県・庄内浜産です。
まさか、こんな姿で泳いでいるわけではありません。“ムキフグ”とあるように、頭や皮を剥いたものです。このように、有毒部位を取り除いたものを、“身欠き(みがき)”とも言ったりします。
ちなみに、ごまふぐはこんなふぐです。
ごまふぐは、身や白子は食べられるのですが、皮などの他の部分は食べられません。ですから、こんな風に、ひれも取り除いてあります。
時間があったので、眺めていたら、知人の板前さんが声を掛けてきました。
「志村さん、何やっているの?」
「珍しいもんで、見てるんですよ。」
「う~ん、良くないね。」
「でしょ。」
ご覧頂ければ、お分かり頂けるように、身も白く濁っていますし、血もにじんでいます。先日、入荷していたごまふぐも同じようなもの(産地、大きさ共)でした。
二人して、気になったので、鼻を近づけてみました。幸い、不思議な臭いはしませんでした。
「でも、志村さん、向こうにさばふぐがあったよ。」と言うので、今朝はさばふぐを仕入れてきました。
先日お話ししたさばふぐと、産地、大きさ共に、同様のものでした。ちなみに、今日は1ケースしか仕入れませんでした。
二番目の写真にあるように、下処理をされたのは、6月3日ですが、何故鮮度が悪いのでしょうか?
水揚げされたのは、その前だと考えられます。丸のまま(腹わたも取らずに、姿、そのまんまの状態)で、2,3日置いてあったから、鮮度が悪くなってしまったのです。
今朝のごまふぐのように、有毒部位が取り除いてあるとはいっても、有毒部位が残っていることもあります。ですから、ふぐ免許のない料理人が触れるのは、きわめて危険です。
ただ、静岡県では“身欠き”のふぐは、免許のない人でも扱うこと(仕入れ、販売、提供)が出来ます。ちなみに、東京都では、禁止されています。ふぐ免許は、各都道府県の条例によって交付されるものなので、こういう違いが生じるのです。
このように、身欠きの状態になっていれば、卸す手間はありません。が、丸のままでないと、その魚の状態そのものが分かりません。
手間を惜しむようでは、料理人失格です。その手間が面倒だと感じるのなら、料理人とは言えません。だから、自分は全て手造りにするのです。そうやってこそはじめて、料理人が料理人でいられるのです。
また、そうやって手間をかけるということは、真心を込めることです。これは、ものを作ることを生業にした者だけが出来る、唯一無二の特権です。これほど、尊いものはないと思っています。
それをしたいから、料理人をやっているのです。というより、料理人でいたいから、そうするのです。自分自身、料理人としては、まだまだだと思っています。だから、自らを板前とは呼ばず、下手前と呼んでいるのです。
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店主 志村
さばふぐの唐揚げ
昨日、“佳肴 季凛”はお休みだったのですが、沼津の魚市場が、今日休みなので、市場に行ってきました。
休みの日に市場に行くと、つい悪いクセが出てしまい、安くて良い魚があると、つい沢山仕入れてしまいます。ただ、自分の気持ちとしては、そういう魚がなければ、休めるという考えもあるので、ある意味複雑な心境です。
そんなことを思いながら、市場の中を歩いていると、そんな魚がありました。
“さばふぐ”(和歌山県産)です。“さばふぐ”は、秋から冬にかけて入荷するのですが、ここ最近、入荷があります。先週も、仕入れました。
時季外れでは、ありますが、味が落ちることはありません。かえって値段も安いので、こちらとしては好都合でもあります。
昨日の入荷は、8ケースありました。ちなみに、大きさはまちまちでしたが、1ケースに4キロ入っていました。ただ、そのうちの一つは、2,7キロでした。
全部まとめてしまえば、安くセリ落すことが出来ます。そのことを伝えると、自分の仲買人が、案の定、安くセリ落としてくれました。合計で8ケース、30,7キロです。
ただ、いざ買って、こんなに沢山卸すことを考えると、何となく憂鬱な気持ちがないわけでありません。が、買ってしまった以上、もう後には戻れません。
しかも、今日は助っ人である真由美さんは、家のことをやるので、頼めません。前もって言っておけば、手伝ってくれるのですが・・・。
そんなことを思っていても、仕事は終わらないので、店に戻るとすぐに卸し始めました。
まず、背びれと尻びれを落とします。
その後に、頭の付け根に包丁をいれ、切れ込みを入れます。この作業をやってから、頭と皮を取ります。
頭ごと皮を引っ張ります。
そうすると、こんな簡単に、皮を剥ぎ取ることが出来ます。このように、ふぐの頭と皮をつけたまま卸すことを、“ぐるむき”と言います。
写真では素手ですが、これほどまで沢山あるとすべってしまうので、あとは手袋をしてやりました。剥きおえたら、今度は水洗いです。
これだけでも、1時間半かかってしまいました。
さらに、これをきれいに布巾でふきます。
ふき終えたものがこちらです。全部で94本ありました。
この“さばふぐ”は唐揚げに使います。単品としてもお出ししますし、会席コースの揚物としてもお出しします。
唐揚げにする時は、骨ごとぶつ切りにしてから、薄口醤油と日本酒の中に、10分程つけておきます。
その後、片栗粉をつけて、揚げます。
こちらが、会席料理の揚物の“さばふぐの唐揚げ”です。ちなみに、単品ものですと、一人前5個になります。
94本の“さばふぐ”から、294個の身が取れました。これほど沢山のものが、いくら“さばふぐ”だからといって、すぐに“さば”けるわけがありません。
使う分だけは、別にしておいて、残りは真空しておきます。
さらに、真空し終えたものは、冷凍しておきます。
予約が入ったら、その都度、解凍して、味をつけて、揚げます。真空してあるので、味は全く変わりません。
“さばふぐの唐揚げ”のようなものですと、変化があり、なかなか食べる機会も少ないようなので、お客様も喜んでくれます。また、そんな反応を見ると、作る側の自分としても嬉しい限りです。
こんなこともなせるのも、休みの日に市場に行くからこそのこと。だからと言って、行き過ぎると、多く仕入れてしまい、休みがなくなってしまいます。でも、これが好きだから、仕方がありません。
志村
あかめふぐのたたき
ちょっと前に、“あかめふぐ”のお話しをしました。
この“あかめふぐ”も、南伊豆・妻良(めら)の定置網にかかったものです。先週の金曜日も、一本だけ入荷がありました。
このように活きているので、いわゆる“ふぐ刺”のように、薄造りにしますが、ちょっと趣向を変え、会席のコースの酢の物に使ったりもしています。
卸した“あかめふぐ”です。尾びれを取ってあるのは、食べられないからです。つまり、毒があります。もっというと、皮が食べられないふぐは、ひれも食べられません。ですから、そういうふぐのひれは、ひれ酒にはなりません。
これを、三枚におろしてから、氷の上にのせ、バーナーで焼き目をつけ、“たたき”にします。
焼き目がついたら、氷水に落とし、余分に火が入らないようにします。それを、小さく包丁します。
こちらが、本日の酢の物の“あかめふぐのたたき”です。
“あかめふぐ”の下に敷いてあるのが、こちらです。
黒いのが、若布で、透明なのと、紫色をしているのが、“海藻クリスタル”というものです。紫色をしているのは、紫キャベツの色素で色をつけているからです。
“海藻クリスタル”とは、海藻のエキスである“アルギン酸”から作られたなんちゃって海藻です。プチプチした食感が特徴で、サラダに入れても、美味しく召し上がれます。
今が旬の新玉ねぎを使ったドレッシングを、かけてお出ししています。酢の物というと、蛸や胡瓜を使い、土佐酢や三杯酢をかけたものを思い浮かべがちですが、“佳肴 季凛”の酢の物は、こんな風に、サラダっぽく仕立てています。
今の時代、会席料理に限らず、コース料理はそれほど決まりごとに制約されなくなりましたが、自分の個人的な意見として、食事の前の一品は、酢の物だと考えています。
これは、昔からのスタイルでもあります。ですから、会席料理を食べていて、酢の物が出てくると、料理も終盤ということを、意味しています。
また、「酢の物を見れば、その料理人の腕が分かる。」という人もいます。何故そんなことが言われるのかは、分かりませんが、思うに、創意工夫が出来るからだと思います。
料理の格言に、「素材に勝る味付けなし。」とあります。刺身は、普通に醤油、魚によっては、ポン酢などが、一番美味しく食べられます。
焼物は、素材が良ければ良いほど、オーソドックスなもの(塩焼、照焼、西京焼)に限ります。ですから、この二つの献立は、余分に手を加える必要はないと、思っています。
だからこそ、酢の物に工夫が出来ると、自分は思っています。まだまだ、勉強中ですが、酢の物は自分なりに、工夫しているつもりです。面白そうな酢の物があったら、是非教えて下さい。
志村
”ひがんふぐ”と”あかめふぐ”
今日は、仕事そっちのけで、外へ行きたくなる天気ですね。そういうわけにもいかず、”佳肴 季凛”に幽閉されています。
一昨日の金曜日、沼津の魚市場の活魚のセリ場にこんな、札が貼ってありました。
”フグ 2(本)”と書かれています。もう少し、近づいてみます。
この2本が、その”フグ”です。色が黒っぽいのと、茶色っぽいのがいます。
右側の茶色っぽいのが、”あかめふぐ”で、左側の黒っぽいのが、”ひがんふぐ”です。
どちらも、食べることが出来るふぐで、天然の”とらふぐ”には劣りますが、十分美味しいふぐです。
ご覧のように、活きているので、刺身でも食べられます。また、唐揚げでも、美味しく食べられます。
どちらも、昨日の朝卸したのですが、普通の魚と違って、この類のふぐは、水槽ならぬ”私設富士市ふぐ水族館”には、入れません。
というのも、この時季、猛毒である卵巣が成長していて、卵を出してしまう可能性があるので、こんな風に発砲スチロールに、”ブクブク”を入れて、隔離しておきます。
ろ過装置もないので、水もすぐに汚れてしまいますが、明くる日には、卸すので、全く問題ありません。
ところで、この”あかめふぐ”と”ひがんふぐ”は、3月ぐらいからこの時季にかけて、時々入荷してきます。南伊豆・妻良(めら)の定置網にかかることが、大半です。ちなみに、今回のは、どちらも妻良産でした。
明後日、沼津の魚市場は休みなので、明日は休日出勤ならぬ、”休日市場”です。こんな変り種を見つけに行って来ます。
志村
”天然のふぐ”と”養殖のふぐ”の違い
4月も半ばを過ぎました。この時季になると、沼津の魚市場へ着く頃には、夜も明けています。
市場につくのは、5時前後です。今朝は、沼津魚市場のランドマークでもある”びゅうお”も、朝日に照らされています。行き慣れた場所の見慣れた風景とはいえ、何だか妙にすがすがしいものです。
市場に着いて、先ず足を向けるのが、活魚のセリ場です。この時季になると、”鱧(はも)”の入荷も始まっています。
この”鱧”は、写真に写っているように、中国産です。今朝は入荷していませんでしたが、国産の”鱧”も、ここ最近入荷しています。市場の暦は、すでに初夏です。
そんな生簀の隣に、”鱧”とは正反対の時季の魚の”ふぐ”が、一本いました。自称”富士市でふぐ一番好きな料理人”の自分が、近寄らないわけがありません。
”養ふぐ”と書かれています。養殖のとらふぐのことです。気になったので、市場のセリ人に、聞いてみました。
「何で、(ふぐが)一本しかないの。」
「それが、おしまい(のふぐ)でさぁ、今シーズン最後の一本。」
「ふーん。」と、その場を立ち去ろうとしました。”佳肴 季凛”で使うふぐは、天然ものだけですから、あえて仕入れるまでもありません。
「親方、やってよ。つきあってよ。」
ここからは、駆け引きです。
「いくら?」
「○○(円)で。」
「うーん・・・。」
「じゃ、△△(円)で。」
「それで、いいよ。」
交渉成立です。それこそ、安い買い物です。
その後、一通りの仕入れが終わって、帰ろうとすると、今度は”天然ふぐ”が、一本だけいました。値段も、そこそこで仕入れることが出来ました。こちらも、安い買い物です。
今朝は、偶然にも”天然のとらふぐ”と、”養殖のとらふぐ”を仕入れたので、両方の違いを、ご覧下さい。
一番の違いは、尾びれで、上が養殖もので、下が天然ものです。養殖ものは、生簀のなかで他のふぐに、尾びれをかまれるので、こんな風にすり切れてしまいます。
また、泳ぐこともそれほどないので、尾びれも発達しません。これは、ふぐに限ったことではありません。一方、天然ものは、泳ぎ回るので、自然と尾びれも発達します。
ところで、”養殖のふぐ”を仕入れたのは、いいのですが、”佳肴 季凛”で使うのは天然ものだけです。実を言うと、その使い道に、今悩んでいるところです。
だからと言って、天然ものと偽装して、お出しすることはありませんので、どうぞご安心を。もし、養殖ものを使う時は、ちゃんと養殖ものと、申し上げます。自分に限りなく甘く、正直な性分ですから。
志村
しょうさいふぐの唐揚げ
今朝、沼津の魚市場のセリ場には、こんなふぐが並んでいました。
”しょうさいふぐ”という名前のふぐです。以前のブログで、”しょうさいふぐ”に似ている”こもんふぐ”のお話しをしましたが、今日のは、正真正銘の”しょうさいふぐ”です。
”佳肴 季凛”に戻ってきてから撮った写真をご覧下さい。
”しょうさいふぐ”は、小型のふぐで、食べられる部分は、”身”と”白子”だけです。
皮などは食べられないので、卸し方も”とらふぐ”の時とは、若干違います。
小型で、皮も食べれないので、こんな風に、頭と皮と内臓を全部一緒にしたまま、身の部分と分けるのです。この卸し方を、”ぐるむき”と呼んでいます。
参考になるかどうか分かりませんが、”とらふぐ”の卸し方と見比べて見てください。
今朝仕入れた”しょうさいふぐ”は、野締めのものなので、刺身でなく、唐揚げでお出ししています。
”とらふぐ”の唐揚げよりは、幾分味が劣りますが、ふぐ独特の味わいがあります。単品ものだけでなく、会席のコースの一品としても召し上がれます。
早起きして、富士市から沼津の魚市場まで仕入れに行くのですから、”しょうさいふぐ”のように、珍しくて美味しい魚を、見つけて、お客様に食べて貰えるのが、自分にとっては、最高の喜びです。
志村
追伸 ”しょうさいふぐ”に関しては、ひと足先に、携帯会員の方にはお知らせしました。時々、”しょうさいふぐ”のような変り種の入荷情報をはじめ、お得な情報を送らせて頂きますので、是非登録してみて下さい。
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