静岡県沼津産の天然とらふぐ2本のうちの1本は、交雑ふぐ
今朝、沼津の魚市場の活魚売場に行くと、
2本のとらふぐ(天然)が、
入荷していました。1本は、
0,4キロで、もう1本が、
0,5キロの小さいもので、自分はこれぐらいの大きさのものを、“チビとら”と呼んでいます。この2本の産地は、
魚市場から、車で、20分ほどの小海(こうみ)というところで、鯵(あじ)、鯖(さば)などの巻網にかかったものです。
久し振りに、活きた天然のとらふぐを見た以上、自称“富士市で一番ふぐが好きな料理人”の自分としては、もちろん気分は、萌え燃え・・・
真夏であるだけでなく、“チビとら”ということもあり、
2本とも、すんなりセリ落としてもらうことが出来、
そのまま活かしたまま、持って帰ることにしました。『佳肴 季凛』に戻り、
水槽に入れようとした時、1本の姿が、
斑点が通常よりも、小さくて、数が多いだけでなく、
顔の部分に、薄い黄色い線があることに、気付きました。
これまでにも、このようなふぐを、何度か見たことのある自分は、すぐに、このふぐが、親のふぐが判別出来ない交雑ふぐと、判断しました。こんな違いがありながらも、市場で気付かなかったのは、迂闊というか、不覚としか、言い様がありません。
交雑ふぐとは、あいの子のふぐで、その毒性についても、判別が出来ないので、食用にすることは、不可能です。
とりあえず、水槽に入れておくことにし、ランチの営業が終わり、
水槽から取り出した2本を、見比べてみると、その斑点の大きさは、
一目瞭然です。また、手前のふぐ、つまりとらふぐの背中にある棘を見てみると、
はっきりとしており、背びれ付近まで、達しています。一方の交雑ふぐの棘は、
あるものの、数も少なく、小さいものでした。
並べて、顔を眺めてみると、
とらふぐの方は、顔には、何もなく、白いままで、交雑ふぐの顔には、
先程の写真同様、黄色い線が入っていました。これらの特徴から、この交雑ふぐは、とらふぐとまふぐの雑種の可能性が高いと判断しました。
また、交雑ふぐを研究している専門家によれば、このような特徴は、とらふぐとまふぐで、人工的に作り出した雑種で確認されているとのことです。
卸し終えたとらふぐは、水洗いし、
きれいに拭き上げ、交雑ふぐは、
間違いがあるといけないので、そのまま、とらふぐの内臓と共に、処分することにしました。
結果的に、自分は、とらふぐでないと気付き、お客様にお出しせずにすみました。また、ふぐを取り扱うには、免許がいるとはいえ、一見したところでは、なかなか気づかないこともあり得ますし、かなり注意が必要です。
現在、ふぐの取り扱いに関しては、各都道府県の条例に基づいていますが、今後は、匡レベルでの法整備も、必要になるかもしれません。
一年を通じて、とらふぐに限らず、様々な種類のふぐを、数え切れない量を卸しているので、交雑ふぐに出くわす可能性が高いのは、当然かもしれませんが、この際、新種のふぐを、見つけてみたいと、密かに思っているような、いないような・・・・・。
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フグの衛生確保について(局長通知)(S58.12.2)2|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/kanshi/s58_1202-2.html
注6
フグは、トラフグとカラスの中間種のような個体が出現することがあるので、
これらのフグについては、両種とも○の部位のみを可食部位とする。
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これの事ですね。
この文章なんですが交配雑種のふぐを発見した場合、
親に当たる両方のふぐの種類がはっきり断定できる物に限ることも
はっきり明記したほうがいいと思います。
フグ処理資格者、市場関係者、漁師などの段階では
断定できずに推定の段階までしか行かない場合がほとんどです。
交配雑種のフグは「水産大学、医学部、薬学部」などの
研究機関でDNA鑑定、同位体鑑定、スプリング8鑑定
してもらわなければはっきり断定できないと思います。
ふぐ様
ふぐ類の鑑別は、専門家の判断に委ねるしかありませんね。
返信が遅くなり、申し訳ありませんでした。