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もっとおいしいお話し

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観賞用

 寒い朝でも、沼津の魚市場へ行くのが、自分の日課なのですが、行く時はいつも、どんな魚が入荷しているのか、楽しみ半分と不安半分です。
 楽しみは今更お話しするまでもありませんが、不安というのは、特にこの時季はシケで、魚の入荷が少なく、高値になったり、献立の変更を余儀なくされることです。
 今朝はそんなことはなかったのですが、入荷状況はやや少なめでした。
 市場に着いて、先ず足を向けるのが、活魚のセリ場です。この時季ですと、平目、ふぐを主に仕入れてきます。勿論、他の変わった魚を仕入れることもあります。
 生簀を見ながら歩いていると、変り種がいました。
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 ちょっと見づらいので、生簀から上げてみました。
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 ”エイ”のように見えますが、違います。自分も最初はそう思ったのですが、札がつけられていました。
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 ”サメ”です。1本で、3,4キロのサメです。
 食べれるかどうかは、全くわからないのですが、と言うよりも、美味しそうには思えません。セリ落とす仲買人の目的は、専ら観賞用で、店内に水槽のある日本料理店や居酒屋に納品するのです。自分もたまに見かけたこともあります。
 また、値段もあってないようなものです。ただ、時々複数の仲買人が、セリあうこともあるので、普通に食べられる魚よりも、高い時があり、そんな時はセリ場が妙に和んだりもします。
 今朝、声を掛けたのは一人でした。”佳肴 季凛”にも水槽ならぬ”私設富士市ふぐ水族館”があるので、仕入れてもいいのですが、店の裏にあるので、観賞用にもなりませんし、かえって他の魚の居場所がなくなるので、仕入れないのです。
 仕入れたいのが、本音なのですが・・・。
     志村

金目鯛

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 今日の沼津の魚市場には、金目鯛が比較的沢山入荷していました。金目鯛というと、煮付けを思いつきますが、鮮度が良いのものは、刺身でも美味しく食べることが出来ます。
 ”佳肴 季凛”では、刺身のメニューもいわゆるお決まりのものはありません。ですから、”大間のまぐろ”も無い日もあれば、白身のオンパレードの日もあります。
 その日、市場に行って、自分の目にかなった魚、気に入った魚、自分が好きな魚を中心に仕入れてきます。
 今日の場合、そんな魚が金目鯛でした。今日な金目鯛の産地は、伊東市川奈です。川奈の金目は沼津の魚市場で、高値がつきます。
 勿論、他の産地の金目鯛も入荷があります。稲取や下田産なども比較的良い金目鯛です。
 どんな魚でも、良いものと良くないものがあります。特に、金目鯛の場合、”島の金目”はいまいちです。
 ”島”とは三宅島や八丈島のことです。前に一度仕入れたことがあるのですが、見た目は肥えていて、良さそうなのですが、卸してみると、その大きさの割りに脂のノリが大したこともなく、味もそこそこでした。
 当然、値段もそこそこでした。
 
 美味しくないお話しは、当ブログ”もっと美味しいお話し”にはふさわしくないので、”川奈の金目”に話を戻します。
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 この様に、”釣りもの”です。口に釣り針がついています。”釣りもの”は身の傷みがありません。
 先程お話ししたように、刺身でお出ししたのですが、金目鯛は脂が強いので、藁で燻して、最後に皮目を強火で炙ることで、脂を落とすことができます。
 そうすることで、食べやすくなりますし、燻した香りが食欲をそそります。
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 皮を強めに炙るといわゆる”たたき”になってしまい、価値半分です。ご覧のように、そんなに皮に焼き目がついていません。
 今日のように、普段と違った趣向で、刺身を出すと、お客様も喜んでくれます。こういう工夫が思い浮かぶのも、毎日早起きして、富士市から沼津の魚市場へ行ってるからこそで、”刺身が日本料理の華”である以上、魚だけは良いものを仕入れる努力を続けたいものです。
  志村

やがら

 魚の種類が、一体全体、いくつあるかは、全く想像もつきませんが、いわゆる”魚”の姿、格好から程遠い魚も、沢山います。勿論、食べられるものと、そうでないものに分けられますが・・・。
 長い魚と言えば、鱧(はも)、鰻(うなぎ)、穴子が有名です。これらは、どれも”ヌルヌル”している蛇のような魚です。また、殆どが活きたまま入荷してきます。
 これらほど、有名ではないのですが、長い魚で、”知る人ぞ知る”と言えるような魚がこちらです。
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 この魚の名前は、”やがら”と言います。体は赤く、長い顔をしています。と言うより、口が長いのです。もっというと、くちばし付きの魚です。
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 こんな感じの顔というか、くちばしです。一見すると、”カモノハシ”のようです。
 この”やがら”は、”あかやがら”といいますが、”あおやがら”なる”やがら”もいますが、殆ど出回らないようです。気になっていろいろ調べてみたら、食用にするのは、”あか”だけのようでした。
 また、入荷量の少ない魚で、沼津の魚市場でも、毎日あるとは限りません。鮮度がよいものは、もちろん刺身で食べられます。味も淡白なので、椀種にしたりもします。
 今回は、刺身で出してみました。
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 普段使っている白身のように、”活け締め”ではないので、歯ごたえは味わえませんが、一日寝かした白身と同様、美味しい魚です。
 先程、お話ししたように、入荷量の少ない魚なので、仕入れてくる機会も少ないのですが、機会があればまた仕入れきます。
 ちなみに、この”やがら”は、九州・鹿児島産です。
   志村

本日開市

 昨日のブログでお話ししたように、今日から沼津の魚市場が開きました。いわゆる”初荷”というやつです。
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 こんな風に、札というか、旗つきです。
 かつては、開市初日は、”御祝儀相場”で魚も高値がついたのですが、そんな話は”今は昔”です。普段の相場と変わりありません。
 また、初日だからといって、にぎやかしさもありません。と言うよりも
静かなくらいです。
 年も明けると、春が旬の魚も入荷してきます。特に、今日は、”その魚”が沢山入荷していました。
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 もう少し、近くに寄ってみます。
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 ”さより”です。個人的には、好きな魚の一つです。ここまでお話しすれば、予想がつくと思いますが、値段が多少高くても、つい仕入れてしまいます。当然今日も、そうでした。
 ”さより”は、大きいものは、”かんぬき”と呼ばれ、今日仕入れたものも、”かんぬき”でした。
 今更ですが、良い魚を見たら、我慢できません。というより、悪い”病気”です。
 ちなみに、1月の”旬の素材”に、近々アップしますので、料理の写真はこちらを、ご覧下さい。
 志村
 
 

国産のあんきも

12月の旬の素材は、”あんきも”です。
 実を言うと、この”あんきも”の産地は、中国です。その中でも、自分は可能な限り、良いものを仕入れてきます。
 中国産と言っても、値段もそれこそ”ピンキリ”です。中国産より、劣るのがアメリカ・ボストン産です。では、国産の”あんきも”は?
 残念ながら、国産の”あんきも”は、全て東京・築地行きです。
 先日、沼津の魚市場で、国産の”うに”の話をしていたらか”あんきも”の話題になり、築地から高値を承知で仕入れました。ちなみに、国産の”あんきも”に触れるのは、約10年ぶりです。
 いわゆる”別ルート”というやつです。
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 ご覧のように、”北海道産”と書かれています。
 中を開けると、こんな感じで入っています。
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 氷詰めにされています。
 仕上がった”あんきも”は、先程の写真と、それほど変わらないので、”生”の状態での違いをお話しします。
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 薄くピンクというか、オレンジ色をしているのが、”脂”の部分で、この”脂”が”あんきも”の味を左右します。
 薄皮や血をきれいに取り除くのが、”あんきも”の下ごしらえです。
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 写真の右側にある、赤いのが血の部分です。これを取り除かないと、食べたときに、生臭い感じがします。
 下ごしらえしていて、自分が一番感じたのが、触っている時から、すでに”脂”がまとわりついてくるのです。肉の脂身を手で触っている感じです.とろけるような、やわらかさです。
 試食してみても、その食感は、触ったときの感覚と全く同様です。
 まさに、”食感”=”触感”。
 召し上がったお客さんの感想は、「何このあんきも?」、「全然違う!」といったものばかりです。
 中には、「親方、どう違うの?」と聞かれたりもします。
 答えは、一言です。「国産だから。」
 先程、高値とお話ししましたが、”佳肴 季凛”で使っている”大間のまぐろ”よりも、ずっと高いです。
 自分自身も、その値段には驚きました。正確なことは言えませんが、築地での値段もトップクラスです。ということは、日本でもトップクラスの”あんきも”と、胸を張って言えます。
 おそらく、日本全国で、50番以内に入るはずです。
 ”大間のまぐろ”のお話しと同様ですが、こういう本物こそを、地元の富士市や富士宮市の人たちに少しでも食べて欲しいのです。
 はっきり言いますが、採算度外視です。ただ、コース料理の一品としてお出ししているので、こんなことも出来るのです。
 ご存知のように、”佳肴”とは、辞書にも載っているれっきとした熟語です。それこそ看板にふさわしい仕事を、とにかくしたいのが本音でもあります。
 また、”佳肴 季凛”開店の最初の暮れということもあるので、自分としては、わずかばかりの感謝の気持ちの一片です。
 多目に仕込んで、しかも伝家の宝刀の真空調理をしてありますので、年明けにも、お出しできそうです。
 なくなったら、また仕入れるつもりです。
 ちなみに、”佳肴 季凛”の年内の営業は明日30日までです。年明けは、1月6日(火)からです。宜しくお願いします。
   志村
 
 

寒鰤

 寒さが日々増してきます。それに合わせるかのように、ふぐなどの冬が旬の魚の美味しさも、増してきます。
 そんな魚の一つが鰤(ぶり)です。寒鰤という言葉があるくらい冬の代表的な魚です。
 鰤といえば、富山県氷見産のものが有名です。鰤漁の様子はこちらを、ご覧下さい。
 もちろん、氷見以外の各地で、鰤は水揚げされます。
 自分が通う沼津の魚市場にも、各地から入荷してきますが、残念ながら、氷見の鰤は入荷してきません。やはり、良い物は全てではありませんが、殆どが築地行きです。
 ただ、今朝市場に行った時、なかなかの鰤があったので、仕入れてきました。
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 京都・舞鶴産です。舞鶴産の魚は、比較的ものが良く、夏が旬の”岩がき”などがその例ですし、個人的には、”東の鹿島灘、西の舞鶴”と思っています。
 この鰤だけでなく、今日は九州産の鰤も、入荷していました。
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 確かに同じ鰤なのですが、自分が仕入れたものに比べ、イマイチでした。値段も約半値でした。
 自分が仕入れた鰤は鮮度も良いので、刺身でも使えるのですが、鰤は色がすぐ変わるので、刺身には不向きです。自分はこの鰤を焼物用に、仕入れてきました。
 鰤の焼物といえば、照焼が定番です。また、かまなどのあらは、大根と一緒
に煮て、”鰤大根”として食べるのも美味しいです。
 この二つの料理は、ただいま仕込み中です。週末の会席コースの焼物、煮物として、お出しします。
 自分で言うのもなんですが、今週末は作り手から、食べ手に代わりたいぐらいです。
  志村

ひれの違い

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 今朝の沼津魚市場のとある生簀です。
 ”モス”と書かれています。外国人のニックネーム?魚市場にいるだけあって、当然魚の名前です。ご覧のように、姿は黒です。
 この生簀の隣に、”モス”の仲間の魚が、一緒に入っていました。
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 ”スズキ”と書かれています。そうです。スズキの仲間で、正式名は”ヒラスズキ”と言います。
 ちなみに、紀伊半島でも、そう呼ぶようです。
 当然、姿も違います。その大きな違いは、腹びれにあります。
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 こちらが、”ヒラスズキ”です。黒です。
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 一方、こちらが、”スズキ”です。白です。
 一目瞭然です。また”ヒラ”とつくだけあって、体高も高く、文字通り”平べったい”感じです。
 本来なら、両方を生簀から出したほうがよいのですが、セリが始まる前にそんなことをしたら、出入り禁止になってしまうので、ネットで調べたもので、お許しを。
 スズキがこちらです。
 対して、こちらがヒラスズキです。
 その味は、ヒラスズキの方が、クセが無く、美味しいです。当然、値段も”ヒラスズキ”の方が高いです。
 ところで、今朝は、”ヒラスズキ”を仕入れてきました。ただこれから卸すので、刺身の写真はありません。
 ひれの色が違うだけで、味が変わるなんて、魚は不思議なものです。
 ちなみに、トラフグと全く同じ姿、形をしていて、尻びれの色だけが違うフグもいます。その名前は、”カラス”とか、”ガトラ”という名前のふぐです。
 トラフグは、白で、カラスは黒です。自分はまだ、カラスを見たことがありません。トラフグのほうが、高価で、味も良いとのこと。いつか、入荷したら、何が何でも、仕入れてきます。
 というより、そうしないと、納得できません。
  志村
 
 

やっぱ塩焼

 魚には、それぞれにあった調理法があります。
 例えば、まぐろは、”生”が一番です。また、たいのように、刺身も良し、煮ても、焼いても良しの万能選手もいます。
 自分が愛してやまないふぐは、”チリ”に限ります。
 また、いくら鮮度が良くても、刺身には、イマイチという魚も、沢山います。あまだい等はその典型です。ただ、食べ物は個人の好みがありますから、断言はできません。
 ここ最近、”佳肴 季凛”でよく使う魚が、こちらです。
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 太刀魚(たちうお)です。自分が通う沼津の魚市場は、ほぼ毎日、太刀魚の入荷があります。しかも、それは、夜中にとれたばかりの、鮮度抜群のものです。
 もちろん、陸送便で九州などからも、入荷しますが、”地”のものにはかないません。
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 セリ場に並んでいる太刀魚です。これはほんの一部です。逆に、殆ど入荷が無い時もあります。
 自分が、仕入れてくる太刀魚は、一本500~600グラム位のものです。一番上の写真の1キロをこえるもの(今回は1,2キロ)は、値段も高く、今年のゴールデン・ウィークのセリで、なんと15,000円(1キロ)もしました。
 その時の太刀魚は、一本で、10,000円以上(!?)ということになります。こんなことは、ごくまれです。ちなみにセリ落としたのは、自分が仲買をお願いしている秋山さんでした。その時、彼曰く「頭の中、真っ白。伝説作っちゃった・・・。」
 自分が仕入れてくる太刀魚は、やや大きめのサイズということになります。また、値段もちょうど使いやすいのが本音です。やっぱ、魚は自分で見て仕入れるに限ります。
 富士市や富士宮市の和食に限らず、飲食店の殆どは、街の魚屋さんから、魚を仕入れています。自分もたまに、そうすることもあります。
 ただ、その時は、相場で魚が安い時に限ります。というのも、”納め”中心の魚屋さんは、静岡の魚市場にも行っているので、沼津の魚市場より、安くて良い魚を仕入れてくることができるのです。
 ふぐなどがその典型ですし、自分もここ最近、何度か買いました。事実、同じ産地のふぐでも、静岡のものと沼津のものでは、静岡のもののほうが、良いものが多かったです。
 ただ、自分は沼津に入荷するふぐでも、良いものしか選ってきません。
 話を太刀魚に戻します。
 自分が仕入れてくるような太刀魚は、言うまでもありませんが、刺身でも食べられます。タイトルにあるように、太刀魚は何と言っても、塩焼に限ります。
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 ”佳肴 季凛”では、単品ものとしてだけでなく、会席の焼物として、お出ししています。素材がよければ、あえて手を加える必要などありません。料理の格言に”素材に勝る味付けなし”とあるくらいです。
 手を加えた料理が良くないのではなく、素材を重視した料理が、料理人・志村のスタイルなのです。
 ですから、自分は足繁く、”佳肴 季凛”のある富士市から沼津の魚市場に通うのです。それは、自分の納得したものを、料理して、お客さんに納得して、喜んでもらいたいだけです。
 もちろん、魚だけに限ったことではありません。でも、これをやってこそ、初めて料理人といえるのではないのでしょうか。
 実を言うと、そんな自分は、いつの間にか”熱血料理人”と、呼ばれるようになっちゃいました。
   志村

すだれ貝

”佳肴 季凛”のある富士市から、沼津の魚市場へ足繁く通う毎日です。市場に何度行っても、飽きが来ない面白さは、入荷する魚が、その日によって、変わることです。
今朝も歩きながら、献立を考えていたら、初めて見る貝を、見つけました。
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離れたところから、見たら青柳(あおやぎ)かと思いましたが、殻が薄いので、当然違います。
じゃぁ、蛤(はまぐり)、浅蜊(あさり)、・・・。?????。その名は、”すだれ貝”と言います。ちなみに、茨城産です。
分からない以上、一度は味見をしないと納得いかない性分ゆえ、とりあえず買ってきました。値段も、かなり安かったです。
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とりあえず、酒蒸しにしました。
さてその味は?
まず言えるのが、固い。蛤や浅蜊よりも、ずっと固いです。旨味は、この二つに比べると、お話しになりません。
味そのものは、以前お話しした ”ホンビノス貝”に良く似ています。
自分はよくいうのですが、”味が値段で、値段が味”です。美味しいものは、高いですいし、美味しくないものは、安いです。味に好みの差こそあれ、一般的には、あてはまります。
ふぐや、大間のまぐろのように、美味しいものは、高いですし、高いもので、美味しくないものもあまり聞いたこともありません。
そんな能書きはともかく、また新しい食体験が出来て、何よりでした。
志村

神経抜きの活け締め

 ”佳肴 季凛”で使う魚は、全て天然ものです。刺身をはじめ、焼物、揚物に至るまで、天然ものです。
 ただし、例外が幾つかあります。”自家製スモークサーモン”に使うサーモンと、貝類(帆立、かき)がその例外です。
 刺身、とりわけ白身に関しては、活け締めのものです。朝、沼津の魚市場で、締めて、”佳肴 季凛”のある富士市まで、持って帰ってくることもありますが、市場が休みの時は、活かしたまま持って来ることもします。
 また、ここ最近お話ししている”ふぐ”も同様です。
 水槽で活かしておくのも、ふぐに限らず、まる二日が限度です。身も傷がついたり、また痩せてもきます。
 昨日の朝、締めたのは、かんぱち(もちろん天然もの)です。
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 このように、包丁を一気にいれます。こうすることで、血抜きをするのです。
 ここまでは、魚に詳しい方はご存知かと思いますが、ここからの作業が、もっと魚の味を美味しくさせるコツです。
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 脊髄の中に、このように、針金をいれます。こうすることで、神経を破壊するのです。
 何故、こんなことをするのかというと、脳死状態になった魚自身が、死んだという情報を、体に伝えるのを、遅らすことが出来るのです。
 こうすることで、死後硬直するまでの時間を延ばすことが出来るのです。その結果、良い状態で魚、とりわけ刺身を召し上がっていただくことが出来るのです。
 刺身の味は、何はともあれ鮮度です。このように、一手間かけることで、魚の味を美味しくさせることが出来るのです。
 ”佳肴 季凛”にいらして、活け締め天然ものの刺身の味を、ぜひご堪能下さい。
 ちなみに、今日の白身は、”こち”と”黒鯛”でした。
    志村
 

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