そして、鰆(さわら)
11月に入ると、新聞やネットの記事でも、忘年会やクリスマスなどの暮れのイベントだけでなく、お節料理をはじめ、お正月に関する話題が取り上げられ始めました。
この度、“佳肴 季凛”でも、そんな時期ならではのお料理を、御用意致しました。
“ふぐ刺し”と“ふぐちり”(各二人前)のセットで、税込み15,000円です。使用しているふぐは、沼津の魚市場で、自分の目利きで仕入れた活締めの天然の“とらふぐ”です。
前もってご注文頂ければ、いつでも御用意致します。特に、お歳暮のような大切な方への贈り物や、ご家族が集まる12月31日の夜の食卓を彩るお料理に最適です。
なお、詳しい内容については、HP、ブログを通じて、お知らせします。皆様の御予約、お問い合わせお待ち申し上げます。
さて、今日のお話しです。今朝の沼津魚市場の活魚の生簀です。
一番手前の生簀に入っているのは、
養殖の“鯛”です。ほぼ毎日、こんな感じで入荷してきます。その向こう側の生簀には、
何もいません。その向こう側は、
空っぽです。その先の生簀には、
“平目”が少しと、“穴子”が入っていました。通路を挟んだ生簀も、
空っぽです。その向こうの生簀には、
注文済みの養殖の“しまあじ”と“平目”が、少しいました。という感じで、今朝の沼津の魚市場には、殆ど入荷がありませんでした。
ただ、この事態は予想は出来ていました。昨日の風で、船が漁に出られなかったからです。でも、それだけではありません。
実を言うと、この事態は先月から、というより、かなり前から予想というより、分かっていました。
理由は、これです。
満月です。満月の夜は、魚が海に潜ってしまったり、“月休み”と言って、漁師も魚を獲りに行かないので、入荷が減るのです。ちなみに、沼津の魚市場では、このことを、“お月さん”と呼んだりもしています。
なので、今朝の様子は予想していたので、活魚は前もって仕入れておいたので、今日の仕入れは“小肌(こはだ)”と“北寄貝(ほっきがい)”だけでした。
が、市場へ行った以上、それなりの魚を仕入れないと、腑に落ちないので、
“鰆(さわら)”を仕入れて来ました。一昨日仕入れたのですが、魚そのものも良かったので、つい仕入れてしまったのです。“鰆”を見ると、立ち止まって見なくては、気が済まないのです。
“鰆”を見た自分は、まさに“パブロフの犬”状態です。“鰆”を、持って行こうとすると、市場のセリ人に、
「好きだねぇ~。“富士市で一番ふぐが好きな料理人”改め、“同じく鰆が好きな料理人”でも、いいんじゃないの?」と、言われる始末。
「・・・・・。確かに。」
そんな言葉を返して、市場を後にしたのでした。
★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
をご堪能出来る、特別ランチコース(全9品)を御用意致しました。
ランチで忘年会を、お考えのお客様向けのコースです。
もちろん、ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
この時季ならではの本物の味を、是非ご賞味下さい。
皆様のお越しお待ち申し上げております。
(全9品 4,200円)
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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店主 志村
鰆の出汁
昨日仕込んだ“鰆(さわら)”の発泡スチロールです。
今だに、余韻に浸っています。余韻ついでに、今日も“鰆”のお話しです。
昨日卸した“鰆”の頭や中骨です。自分は、西京漬にならないからといって、ごみ箱行きにはしません。
味が非常に良い魚ですから、“アラ”の部分も、同じく美味しいのですが、そのまま食べるには、不都合なので、
こんがりと焼いてから、出汁をとっています。『佳肴 季凛』で使っている魚は、“鰆”に限らず、全て天然ものなので、同じようにしています。
このようにして使うのは、マクロビオティックでいうところの、“一物全体(いちぶつぜんたい)”の考え方に基づいた部分でもあります。
野菜の切れ端や、鰹出汁を取った後の鰹節や昆布と一緒に、鍋に入れてから、水を注ぎ、出汁を取ります。
出汁が濁らないよう、弱火で煮出します。時間にして3時間程度です。その後、漉します。
この出汁で、野菜を煮たり、ランチや会席のコースにお出ししている“小鍋”の出汁も作っています。
夏には、鱧で取った出汁や、大間の鮪で取った出汁であったりもします。魚も違いますから、その味も自ずと違ってきます。
どの魚が美味しいとは言えませんが、どれも天然ものゆえ、深い味わいですし、この出汁はある意味、『佳肴 季凛』オリジナルの料理でもあります。
良い魚は、余すところなく使えるので、値段が高くても、こういう使い道があるので、必ずしも、高いとは言えません。
料理人である以上、食材はどんなものでも使い切る考えと、技術を持ち合わせなくてはならないと、自分は思いますし、それが出来てこそ、プロのプロたる所以だと思います。
★★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
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もちろん、ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
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店主 志村
塩釜の後は、大間
つい、二、三週間前までは、沼津の魚市場に着いても、夜が明ける直前でしたが、
最近では、同じ時刻に着いても、まだ夜は明けていないので、
入港してきた船は、ライトをつけたまま水揚げをしています。その横では、戸田のトロール漁で水揚げされた魚を、箱詰めしています。ちなみに、戸田のトロール漁は、9月から5月までが漁期です。
昨日(23日)は、仕入れにあわただしかったので、市場で写真を撮ることが出来ませんでした。市場に行くのが、魚の仕入れだけでなく、ブログのネタの仕入れ(!?)に行っている自分としては、心なしかすっきりしませんでした。
しかしながら、そんな思いを一気に吹き飛ばしてくれたのが、
本鮪です。もちろん、
“大間の鮪”です。180キロの鮪で、
「もう最高、極上!季凛さんの電話を待っていましたよ。」と、築地の鮪屋の社長が言うほどのものです。
確かに、その通りです。腹の真ん中より、やや下の部分で、中トロの味は泣く子も黙るというより、モヤモヤした自分の気分を一掃してくれました。
“大間の鮪”の霊験はあたらかとしか、言い様がありません。というより、自分が単純なのかもしれませんが・・・。
いずれにせよ、今週末も気分良く過ごせそうです。
★★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
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ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
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店主 志村
塩釜産の“めばちまぐろ”
月曜日の朝のことです。
「季凛さん、お早うございます。生のバチの良いのがあるんだけど、少しやって(買って)よ。」と、電話がかかってきました。
電話の主は、東京・築地の鮪屋の社長です。“バチ”とは、“めばちまぐろ”のことです。
「そんなにいいの?どこの?」
「塩釜。ここ最近では、一番のものですよ。勉強するから、どうですか?」
「今週は、ランチで刺身がつくコースの予約が入っているから、頼みますよ。週末に、ホンマ(本まぐろ)を頼むから、小さめに切ってよ。」
「はい、分かりました。早速、送りますから。」
そして、火曜日の朝着いたのが、
こちらです。これだけちゃんとしたものですと、一週間くらい、色も変わることはありません生の“めばちまぐろ”を使うのは、一年ぶりです、その時のお話しは、こちらを。“大間のまぐろ”のように、
こんなラベルこそついていません。
中トロは、
こんな感じで、トロの部分の淡いピンクがきれいです。さっぱりとしていながらも、こくのある味わいです。
一方、赤身は、
鮮やかな色をしています。さっぱりとしていますが、生のまぐろの風味が見事です。
ただ、“本まぐろ”と比べると、味が劣るのは否定出来ませんが、美味しいことは、間違いありませんし、お客様にも自信を持って、お出し出来ます。
これからの時季、入荷することもあるので、是非味わってみて下さい。
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冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
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ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
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店主 志村
身質調査
今朝の沼津の魚市場の鮪のセリ場には、
生の鮪が、いつも以上に入荷していました。鮪は、セリ場に並べられる時、身の状態、特に脂の有無が、確かめられるように、尻尾の部分に切れ込みが入っています。
ちなみに、冷凍の鮪は、
こんな感じです。
ただ、切れ込みを入れてあるだけでは、分からないので、こんな風に、身の状態を見ることが出来ます。
この部分は、鮪の真ん中の辺りになるのですが、この身を取り出す時、
腹側から、棒のような物を差し込みます。差し込んだら、そのまま抜き、
注射器のように、押し出すと、
鮪の身が、出て来ます。こうすることで、その鮪の身が、尻尾の先端を見るだけよりも、良く分かります。
ただ、自分は鮪だけは、沼津の魚市場で仕入れることはしません。というのも、1本丸ごと、仕入れなくてはならないからです。
また、鮪に限らず、良い魚を求めてやまない自分ですから、鮪だけは、東京・築地から仕入れています。築地には、日本だけでなく、世界中の鮪が、入荷して来ます。特に、良いものは、築地に集まります。
かの有名な“大間の鮪”など、沼津の魚市場に入荷してくることは、まずありませんし、100キロを超える鮪の入荷も、たいしてありません。
そんな今日、“佳肴 季凛”に入荷したのが、
本鮪、もちろん“大間の鮪”(160キロ)です。
160キロの鮪となると、中トロの脂の乗りは、最高ですし、赤身の風味は格別です。
ちなみに、先週入荷したのも、
“大間の鮪”(210キロ)です。どちらも、背の真ん中より、下の部分でした。
これから寒くなると、脂も乗ってきて、ますます美味しくなる“大間の鮪”を、是非味わってみて下さい。入荷状況については、予めお問い合わせ下さい。
また、コース料理(ランチの“凛”・“佳肴”、会席料理の“季”・“凛”)の刺身にも、“大間の鮪”はつきます。もちろん、単品でもお召し上がり頂けます。
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冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
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ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
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店主 志村
ハンマーヘッドシャーク
台風が近づくと、雨風のことより、心配になるのが、魚の入荷です。そんな今朝の沼津の魚市場は、
こんな感じでした。特に、今日は築地などの中央卸売市場が休みなので、いつも以上に、少なかったです。
目ぼしい魚を見つけるのに、苦心していると、珍しい魚がいました。
“シュモクザメ”です。またの名が、“ハンマーへッドシャーク”です。市場の職員の人に、
「なんでこんなのが、入荷しているの?」と、尋ねると、
「定置網にかかったんだってよぉ~。」
「買う人なんているのかね~?」
「さぁ。でも、季凛さんもたまには、やってみれば。」
「いらないよ。」
「そうだよな。“富士市で一番ふぐが好きな料理人”に言うだけ、野暮だったよ。」
と、こんな感じでやり取りを終えたのですが、この“ハンマーヘッドシャーク”については、前から気になっていたことがありました。
目の位置です。目の位置は、Tの字の先端にあたる所についていました。
こんな体験が出来るのも、漁港が隣接している市場だからこそですし、こんなことも市場へ行く楽しみの一つです。
そうは言っても、明日の魚の入荷が気になります。
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店主 志村
ふぐ刺しではなく・・・
10月の“旬の素材”を更新したので、先ずはご覧下さい。
遠州灘をはじめとする静岡県の“ふぐ漁”も解禁となり、沼津の魚市場には、ふぐだけでなく、冬が旬の魚の入荷が、段々と増えてきました。そんな魚の一つが、
“平目(ひらめ)”です。入荷してくるのは、殆どは地元産のもので、大きさも大小さまざまです。また、このように活きたものだけでなく、野締め(死んだ)のものも、入荷してきます。
これからの時季、“佳肴 季凛”でも、仕入れるのですが、使うのは、活きた天然ものだけです。
理由は簡単です。美味しいからです。
活締めの“平目”ですから、締めた日の身は、
弾力があり、透き通っています。ですから、“ふぐ刺し”のように、“薄造り”にして、お出ししています。
見た目は、
"ふぐ刺し”と変わらないような感じもしますが、味は全くの別物です。“平目”などの白身は、明くる日には弾力がなくなってしまいますが、“ふぐ”は、全く変わりませんし、2、3日寝かしてからでないと、薄く刺身を引くことは出来ません。
どちらが美味しいかは、好みですが、自称“富士市で一番ふぐが好きな料理人”の独断と偏見、そして“思い込み”で言うのなら、やはり“ふぐ刺し”です。
そうは言っても、“平目の薄造り”も捨て難いし・・・。結局は、どちらも美味しいのです。
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店主 志村
伊勢海老
沼津の魚市場に仕入れに行く時は、4時半には、出掛け、着くのは、
5時を過ぎた頃です。また、この時季になると、
まだ外は薄暗いです。ちなみに、この網の中の魚は、“鯵(あじ)”です。
市場に着いて、一番最初に行くのが、活魚のセリ場です。ここ最近入荷が多いのが、
“伊勢海老”です。この“伊勢海老”の産地は、
伊東で、多い時には、これ以外にも、入荷があり、
これからの時季ですと、御前崎産の入荷もあります。
ただ、これほど入荷があっても、海老の王様の“伊勢海老”だけあって、値段も王様級です。
また、高い魚が大好きな自分ですが、“伊勢海老”だけは殆ど仕入れません。使い勝手が悪いのが一番の理由です。
刺身にするにしても、ただ身を剥いたものを、盛り付けても、見映えがしません。やはり、殻付きでないと、格好もつきません。
また、身以外の頭や殻となると、味噌汁を始め、出汁用に使うようになってしまい、コスト的にも、大赤字となってしまいます。
また、これからの時季、伊豆方面の旅館では、忘年会や新年会に向けて、“伊勢海老”を仕入れることも多く、そうなると、値段もこの時季の倍以上することもあります。
セリでつけられる値段を聞いていても、その値段は、頭の中を素通りですし、それ以上に、この時季一番気になる値段は、ふぐ、しかも“とらふぐ”の値段です。
しかも、今日10月1日は、御前崎のふぐ漁が解禁となり、明日以降、沼津の魚市場にも入荷してくる予定です。ですから、明日は、沼津の魚市場へ行くのが、今から楽しみです。
また、ふぐのシーズンにあわせて、“佳肴 季凛”では、ご好評を頂いた『鱧御膳~はもゆるり~』に次ぐ、ランチ限定メニューとして、ふぐ料理が食べられるコースを、御用意致します。
さながら、「ランチで忘年会!」とでも言いましょうか。詳細については、後日お伝えします。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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店主 志村
活魚のセリ場
前回、市場の休日のお話しをしました。昨日、一昨日と連休だった沼津の魚市場は、二日ぶりに、開市でした。
今日に限らず、自分は沼津の魚市場に着いて、一番最初に行くのが、活魚のセリ場です。
活魚とは、文字通り活きた魚のことで、写真の青い生簀に入っています。まだ、朝5時を過ぎたばかりなので、魚の様子を見に来る人は、あまりいません。
今朝のように、築地や静岡などの中央卸売市場や、富士市などの地方公設市場が休日の時は、地元の魚の入荷しかありません。
これから、旬を迎える“平目(ひらめ)”です。大小、いろんな大きさの“平目”が、生簀にいます。
その隣には、これまた同様の“とらふぐ”です。
今朝は、この他に1本しかいませんでした。
その日の予約状況や、魚の状態によって、仕入れる魚を決めたら、いったんそこから離れ、その他の仕入れをしてから、また戻るのが、普段の行動パターンです。
活魚のセリが始まるのは、6時10分からなので、それまでに、海水を発泡スチロールに入れ、活きたまま持って帰る準備をします。
その頃には、時計の針は、
6時10分を指し、場内にアナウンスが流れると、いよいよセリが始まります。
市場のセリ人の掛け声がかかると、仲買人たちが、値段をつけ始めます。ちなみに、赤い服を着ているのが、セリ人です。いつも自分はその様子を見ているのですが、何度経験しても、不安と期待が入り混じっています。
不安とは、もちろん値段です。それ以上なのが、自分が選んだ魚が仕入れられるかどうかということです。
気に入った魚が仕入れられないとなると、良くない魚を仕入れざるを得なくなり、仕事をする上でのモチベーションが、俄然下がるので、多少高くても、値段については、目をつむることにしています。
逆に期待とは、思いのほか安いことですが、だからと言って、自分は値段で魚を仕入れるようなことは、基本的にはしません。とりわけ、活魚を含め、刺身に使うような魚には、絶対にしません。
自分に言わせれば、「刺身に妥協はありません。あるのは、素材のみ。」これしかありません。
セリが終わったら、仕入れた魚を、発泡スチロールに入れて、あとは帰るだけです。活きているとはいっても、途中で死んでしまうこともあるので、“佳肴 季凛”のある富士市まで帰る間は、安全運転以上に心配なのは、今更お話しするまでもありません。
今日仕入れたのは、“とらふぐ”、“平目”、今月の“旬の素材”でもある“汐子(しょっこ)”です。どれも沼津産のものです。
途中で死んでしまうこともなく、持って帰ることが出来ました。卸して、冷蔵庫で半日ほど寝かしたら、あとは、夕方になるのを、待つだけです。その頃が、歯応えと旨味の両方を味わうことが出来ます。
ただ、“ふぐ”の食べ頃は、2、3日経ってからです。そうしないと、ゴムのように固いだけで、旨味を味わうことは出来ません。
今日仕入れた魚は、これから美味しいなるものばかりです。入荷はその日次第ですが、この時季、“佳肴 季凛”にいらしたら、是非味わってみて下さい。
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店主 志村
市場も休み
五連休真っ只中ですが、いかがお過ごしでしょうか?“佳肴 季凛”は、この連休も営業しています。
ただ、今回の連休に限らず、長い休みが続くと、市場も休みになるので、そういう時の仕入れには、頭を悩まされます。
休みだからといって、むやみに仕入れるわけにもいきませんし、逆に足りないようでは、お客様に迷惑をかけるようになってしまいます。
普段通う沼津の魚市場の休みは、一年の最初に決められています。
この9月の連休の休みは、
ご覧のように、19日(土)、21日(日)、22日(月)となっています。ちなみに、沼津の魚市場は、今年に限ったことではなく、一年を通じて、土曜日は休みです。
魚に関しては、基本的に沼津の魚市場で仕入れるのですが、鮪だけは東京・築地から仕入れるので、こちらの方も頭に入れておかなくてはなりません。今年の築地の休みは、
こんな感じで、築地は日曜、祭日が休みが基本です。静岡市や富士市の公設市場も同様で、これらの市場の休みは、築地の休みと同じです。
ちなみに、この連休は、
こんな感じですが、21日(月)は青い四角で囲まれているように、市場が開きます。以前、東京にいた頃、聞いたのが、築地は五日以上、続けて休むことは出来ないのが、決まりなので、このように連休でも、市場が開くのです。
なので、普段仕入れているような魚が、足りなくなった時は、静岡の市場に行く富士市の魚屋さんから、仕入れることもあります。
多少、値段も高いこともあるのですが、背に腹はかえられないのでそうします。また、これから時季を迎える“ふぐ”などは、相場の関係で沼津の魚市場よりも、安い時もあり、、富士市の魚屋さんと付き合うことで、仕入れコストを下げることも出来ます。
何でも自分の目利きで仕入れなければ、気が済まない自分ですが、商売をやっていく以上、仕入れにも工夫が必要ですし、「利は元にあり」とあるように、その辺りは、大切なことです。
料理人であるだけでなく、商売人でもあるので、そういうことを常に念頭に置かなくてはならないのですが、どうしても料理人の気持ちが先走ってしまうのは、自分でも半ばあきらめています。
今日、明日と沼津の魚市場は休みですが、早く23日(水)が来ないかと、今から待ち遠しくてたまりません。
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店主 志村