尾赤あじの揚げ出し
先日、沼津の魚市場のセリ場を歩いていると、
売れ残った魚の箱が、積まれていました。そこに入っていたのが、
“尾赤あじ”です。一ケースに、10本ほど入っていました。正式には、“オアカムロ”という名前です。
“オアカ”とつくように、その尻尾は、
赤くなっています。ちなみに、この“尾赤あじ”は、
高知県・室戸市産です。
最初の写真にあるように、残っていたのが、5ケースです。こんな時は、安く買えるものなので、市場のセリ人に声を掛けることにしまいした。
「これ、いくら?キロ、それとも箱かい?」
“キロ”というのは、1キロあたり値段のことで、“箱”というのは、1ケースあたりの値段のことです。
「キロ、○○円。」
「はいよ。全部やる(買う)から、△△円で、いいかい?」
「全部?本当に、全部?」
と言って、セリ人が指差したのは、
山積みにされた発泡スチロールでした。それこそ、一山です。いくつあるかは、分かりませんが、恐らく100ケース近いはずですし、約1000本ほどの“尾赤あじ”ということになります。
如何せん一人では仕込みきれないので、あきらめることにしましたが、この日の“尾赤あじ”は鮮度も良かったので、さっきの5ケースを仕入れることにしました。
“尾赤あじ”は、刺身でも食べられるのですが、“あじ”と名のつくように、色んな料理方法があります。
今回は、“揚げ出し”にして、
ランチの“季(一人前 1,500円)”の主菜でお出ししました。
ただ、先日のように、50本も仕入れると、鮮度の良いうちには、使いきれないので、
このように、真空してから、冷凍しておきました。こうすると、生の時と殆ど変わらない状態で、お出しすることが出来ます。
また、卸した時にでる中骨や頭の部分は、
弱火で、こんがり焼いて、野菜の手くずや、出汁を取った鰹節や昆布と一緒に、出汁を取ります。この出汁も、鮮度の良いもので、取ったものですから、生臭くありません。
安いとか、高いというのは、市場(しじょう)の原理であって、素材そのものと価値とは、関係ありません。
どんな素材であれ、ぞんざいに扱うのは、プロの料理人として、恥ずべきことですし、こういう一手間、二手間を惜しまないのが、料理人のあるべき姿ですし、こういう姿勢を、いつまでも持ち続けたいものです。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)“春支度”を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
春には、まだ早いですが、吟味した食材で奏でる“身体にやさしい、美味しい日本料理”を、召し上がって、楽しい一時をお過ごし下さいませ。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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店主 志村
初めて訪問させていただきました。
私は、埼玉県の熊谷と云うところで、手打ち蕎麦の店を営んでいるものです。
たまたま、定休日の今日、インターネットで鮮魚の検索をしていたときの全くの
偶然的なご縁です。ブログを読ませていただいているうちに、「グイグイ」と、
自分の心が、「志村ワールド」に引き込まれてしまい、ついには、こうしてお便りをさせて頂いている次第です。
今度、是非、機会をつっくてお店に伺いたいと考えています。宜しくお願いいたします。
加那や様
遠いところからのご訪問有難うございます。加那やさんのお店も拝見させて頂きました。
そばと言えば、自分の普段の食事は、麺類が多く、そばもよく食べています。そんな記事も以前書いたことがあります。
http://kakoh-kirin.jp/blog/log/eid214.html
機会があったら、是非加那やさんのお店にも行ってみたものです。これからもどうぞ宜しくお願いします。