嗚呼、鰆(サワラ)
月曜日の今日は、『佳肴 季凛』は定休日だったのですが、明日(火曜日)が沼津の魚市場が休みなので、仕入れに行って来ました。
今日のような日は、休日なしで仕込みをする覚悟が、出来ているので、必要以上に仕入れて来てしまいます。
今朝は、いつものように、急いで帰る必要もなく、7時過ぎまで、市場にいました。ちょうどその頃には、殆どのセリは終わっているので、市場の構内には、
空のコンテナや、発泡スチロールが積まれ、人の数もまばらです。そんな自分も、帰り支度をしていると、離れた場所から、
「おーい、季凛さん。ちょっと、来てよ。」と、市場のセリ人が、自分を呼んでいました。
呼ばれた瞬間、悪いと言えば悪い予感、良いと言えば良い予感がしました。その場へ行くと、
“鰆(サワラ)”が、三本ありました。このうちの左端の1本は、番号の札がついているように、既にせり落とされたものです。つまり、2本売れ残っているということです。
「・・・・・。」と、無言のセリ人。そして、不敵な笑みを浮かべたかと思えば、何やら困った表情を浮かべています。セリ人の思うのは、ただ一つです。
「季凛さん、この“鰆”付き合って(買って)よ。あれほど、“鰆”が好きなんだから、いいじゃん。」
そうです。自分が“鰆”が好きで好きでたまらないのは、沼津の魚市場では、知る人ぞ知る人に近いものがあり、当ブログ『もっと美味しいお話し』の読者の中には、自分の“鰆”への想い入れを、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。
また、ご存知のない方は、昨年の11月の初めに、しつこいくらいお話しした「鰆と心中」、をはじめとする一連のお話しをお読み下さい。
そんな自分の応えは、
「いらないよ。在庫もあるしさ。」でした。
とは言うものの、好きで好きでたまらない“鰆”ですから、その場で立ち去るのは、後ろ髪引かれるのは当然ですし、
「いくら?」と、言ってはならない言葉を出してしまいました。その言葉を聞いたセリ人、
「○○(円)で、やって。」
そんな値段だったので、立ち去ろうとしましたし、
「余分な仕事もしないで済むし、仕込みも早く終わる。」と、内心思っていると、セリ人は、さらに
「ここまで、勉強するから頼むよ。△△(円)で・・・。」と、続けます。
いくら世の中デフレとはいっても、「そこまでするか!」ほどの値段です。
そこまできたら、付き合う(買う)しかありません。ということで、
結局、二本仕入れました。と言うよりも、仕入れさせられました。
『佳肴 季凛』に戻って、卸してみると、
身割れ一つしていませんし、血合いの部分も、鮮やかな赤い色をしています。もう一本も同様です。
値段こそ安いのですが、身の質は、5段階評価で、4以上をクリアしている上物です。
そんな仕込みの様子を見ていた、『佳肴 季凛』の女将にして、愛妻(!?)の真由美さんには、
「また、“さわら”。好きだねぇ~。顔がニコニコしているのは、気のせい?」と、言われる始末。
ニコニコするのは、“鰆”といられるからだけでは、ありません。仕込みが早く終われば、大の苦手な家事手伝いをさせられるので、それを免れたわけでから、嬉しいのは当然です。
ここまでくると、“鰆”を神棚に奉らざるを得ません。
さわら サワラ 鰆 嗚呼、鰆
もうこの一言に、尽きます。
ところで、↓の期間限定(一月末まで)のランチも、あとわずかとなりました。まだ、召し上がっていない方は、是非。
★★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
をご堪能出来る、特別ランチコース(全9品)を御用意致しました。
もちろん、ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
この時季ならではの本物の味を、是非ご賞味下さい。
皆様のお越しお待ち申し上げております。
(全9品 4,200円)
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店主 志村
オーストラリア、パースからいつも楽しく読ませていただいております。
こちらウエスタンオーストラリアでもサワラはよく釣れます。
私も初めてサワラを食べた時は「本当においしい魚」と思いました。
残念ならが日本では食べたことがありませんが・・・・・・
またブログを拝見させていただきます。
ヨハン様
はじめまして。遠い海の向こうからのコメント、ご愛読ならぬ“ご清聴”有難うございます。
オーストラリア産の“鰆”ですか。
・・・。“鰆”好きの自分にとっては、心惹かれます。
オーストラリアと言えば、以前お隣のニュージーランド産の“ミナミマグロ”を、仕入れたことがあります。
そのお話しは、http://kakoh-kirin.jp/blog/log/eid235.htmlです。
これからも、よろしくお願いします。
追伸 機会がありましたら、是非、“御前崎産の“鰆”を召し上がってみて下さい。