『西京漬』のページのリニューアル用の写真(西京焼編)
先日、 《『西京漬』のページのリニューアル用の写真(仕入れ&仕込み編) 》といいうお話しをし、今日は、その続きの西京焼編で、『西京漬』は漬け込んだ状態のもので、西京焼は『西京漬』を焼いたものゆえ、両者は似て非なるものです。
撮影の日を定休日の今日にしたのは、料理写真の撮影は、予想以上に時間がかかるからで、料理写真同様、時間がかかるのは、テレビの取材にして、終わるとかなり疲れます。
撮影にあたり、予め言われていたのが、個室を光が入らないようにしておくことでしたので、料理の準備をする前に、
その養生をすることにし、
障子を外したら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんと新聞で養生をし、
障子をはめたら、
Wガード。
最後に、
手芸用品店で買い求めた黒い布で覆うと、
真っ暗闇で、フラッシュを使って撮ると、
このような状態で、準備完了。
その後、自分は、西京焼に添える前盛(まえもり)を用意することにし、前盛はあしらいとも呼ばれ、分かりやすく言うと、付け合わせということになります。
銀鱈、サーモン、鯖と3種類の西京焼の仕上がり、それぞれを盛り付ける器を考慮し、
左から、パプリカ、さつま芋、茗荷を用意したのですが、パプリカと茗荷は、甘酢に漬け込んでおり、さつま芋はくちなしを使い、黄色く仕上げてあります。
これらと別に用意したのが、
既製品のはじかみ、らっきょう、牛房で、何でも手作りしないと気が済まない性分ですので、心苦しい部分もあったのですが、諸々のことを考え、使うことにしたのは、色目を考えた上のことです。
そして、塩茹でしたヤングコーンとおくらも用意し、
通常なら味を含めるのですが、色目を重視するため、氷水に落とした後、キッチンペーパーに乗せ、水気を取り、先程の前盛に使うものも、
同様にし、西京焼の準備を始めました。
その後、
撮影担当の広告代理店の社長とカメラマンがやって来たのですが、先日同様、社長はアシスタントで、今回も立場が逆転しています。
普段なら、すぐに焼けるよう、予め串を打っておくのですが、盛り付ける器の都合もあるので、
打ち合わせをしておいたものの、考え直すことにし、それを基に、
切身を用意することにし、印がついているのは、
土曜日に仕込んだ銀鱈の中でも、もっとも綺麗な切身です。
また、銀鱈は、身割れがしやすいだけでなく、1本の魚から、きれいな切身が取れるのは限られているので、今回の撮影のため、それに準ずるものを、8枚用意しておき、印のそばにあるのが、それらで、サーモンは銀鱈のようなことはないものの、
金曜日に仕込んだサーモンの中で、4枚選り抜いておきました。
フィレーと呼ばれる卸し身を使う鯖は、
銀鱈やサーモンほど、気を使う必要はありません。
銀鱈、サーモン、鯖を袋から出し、水洗いをした後、水分を拭き取ったら、
この状態から、
写真を撮り始めました。
水洗いすると、味が抜けてしまうと思われがちですが、当店の『西京漬』に限らず、粕漬も含めた所謂(いわゆる)漬魚(つけうお)は、西京味噌や酒粕をあらら流してからでないと、綺麗に仕上がりません。
そのため、《佳肴 季凛』 謹製 『西京漬』に限らず、市販の西京漬けや粕漬けの美味しい焼き方》として、以前お話ししたので、是非お読み下さい。
いつも以上に神経を尖らせながら、焼き始めると、
写真を撮り始め、
しばらくして、皮目が焦げ始めると、
ホイルをかぶせ、さらに神経を尖らせながら、
銀鱈、
サーモン、
鯖の全てが焼き上がりました。
そして、
銀鱈から、
あしらいと共に、盛り付けたのですが、「これって、何か加工してあるんですか?」と訊くので、「???」と返答。
「そのまんまだよ。普段よりも、強めに焼き目をつけてから、照りをつけるため、3回、味醂(みりん)を塗っただけど・・・。」と続けると、「参考のために、色んな西京焼や西京漬の写真を見たんですけど、加工、修正なしとは・・・。」と、驚いていました。
そんなやり取りをしながら、
銀鱈を終えたら、
サーモンを撮影し、
最後に、
鯖を撮影したのですが、
使うのは、
それぞれ各1枚です。
その都度、自分は写真の様子を確認していたのですが、
遠くで眺めていた真由美さんに見せると、「いつも以上に、美味しそう!」との声。
「そりゃそうだよ。一番綺麗な切身を、一番良い状態で焼き上げたわけだし、もっと言うと、料理人人生の中で、綺麗で美味しそうに仕上がった西京焼だよ。」と応えると、3人共、納得。
折角、3種類を2枚ずつ焼いたので、
盛り込みの西京焼の写真を撮ることにし、「大皿の料理って、盛り付け方が難しいような気がするんですけど、どうなんでしょう?」と訊くので、「単品ものよりも、ずっと難しいし、盛り込み料理の盛り付け方で、その人のキャリアが分かるもんですよ。」と応えると、再び納得。
「和食の盛り付け方は、山があって、川があり、野原があるようにするのが基本で、山水画にも通じるところがあるんですよ。また、赤、青(緑)、黄、白、黒の5色を使うと、綺麗に見え、そもそも5という数字は、東洋の陰陽五行説に基づいています。」と続けると、「そんなにも奥深いんですか!」と驚き、三度(みたび)納得。
個室での撮影が終わったら、
御飯、汁もの、おしんこうを添え、一般のご家庭で召し上がるようなセットを用意し、自然の光が入るとのことで、テーブル席で撮影することにしました。
そのまま、ギフトや詰め合わせの『西京漬』の写真を撮影する予定でしたが、11時半を過ぎていたこともあり、急遽、昼食を兼ねてた休憩を取ることにし、カメラマンとアシスタント兼社長の二人には、撮影用の『西京漬』の6枚のうち、好きなものを選んでもらい、カメラマンは、
銀鱈とサーモン、アシスタント兼社長は、
銀鱈と鯖を選び、サーモンと鯖は、真由美さんと上の娘にあげ、自分は、撮影が終わるまでは気が抜けないので、昼食は無しで、
カメラマン達と、ソーシャルディスタンスを保ちながら、カウンター越しに雑談。
雑談というよりも、話題は、二人が食べている西京焼で、二人とも、「陳腐ですが、それこそ最強ですが、この間の仕入れと仕込みの様子を見ている以上、こちらで以前食べたよりも、その美味しさは格別ですし、熱血料理人の志村さんが熱き想いと共に、漬け込んでいるのがよく分かります。」との感想。
さらに、「志村さんが、あそこまで『西京漬』に熱心になるのも、西京焼を食べると、納得がいきますよ。」と、続きました。
昼食兼休憩を済ましたら、商品としての『西京漬』の撮影をすることにし、その様子は、次回に・・・。
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