葉血引(はちびき)の色持ち
今日のお昼の会席料理の刺身は、
葉血引(伊豆・土肥)、小肌(佐賀)、帆立(北海道)、湯葉の四種盛りでした。
御覧のように、葉血引は身が赤いのが特徴で、鮪(まぐろ)や鰹(かつお)のような赤身の魚の赤い色は、ヘモグロビンの赤なのですが、葉血引のそれは、鮪などとは異なり、身質としては、白身の魚で、色が赤いだけです。
この葉血引は、先週の金曜日に沼津魚市場で仕入れたもので、
その時に、
氷詰めしておいたもので、昨日、
卸し、
柵取りしたところ、
血合い骨も全く変色しておらず、ここまで色持ちがするのは、あくまでも個体差によるものと、水揚げ直後の下処理の結果だけというより、それだけに過ぎません。
変色と言えば、その典型とも言える魚が鮪で、これまでにも、そのようなことをお話ししたことがあり、そのひとつが、『二週間以上、変色しない石垣島産の目鉢鮪(めばちまぐろ)』というお話しで、さらに、そのお話しの中でも、『生」の天然の本鮪(まぐろ)の色持ち』ということで、生の本鮪についての色持ちについても言及しているので、寄り道をお願いして下さると、幸いです。
ところで、このような形で保存することを、熟成と呼ばれたりもしていますが、自分は、この熟成という考えがどうも解せません。
というのも、素材には美味しく食べることの頃合いがあり、それほど長い時間は要しないように思われるからです。
熟成は、一歩間違うと、腐敗してしまい、その扱いには、かなりの注意が必要で、美味しく食べるタイミングを見計らうようにしても、これまでにそのようなことはやったことがありません。
熟成という言葉がもてはやされている昨今では、スーパーの鮮魚コーナーに並んでいる刺身用の冷凍鮪の柵にも、そのようなシールが貼られているのは、悪用にしか思えず、誤解を生むようなことは、止めるべきだと思います。
魚の種類によって、美味しく食べることが出来る頃合いは様々ですし、先程お話ししたように、同じ種類の魚でも、個体差ゆえ然りです。
良かれと思って仕入れても、思わしくないこともあれば、その逆もあり、まだまだ勉強し、精進する余地は大いにあり、努力を怠るわけにはいきません。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
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