富士川産の天然のすっぽん鍋
明くる日に、
すっぽん鍋にするため、鍋にすっぽんと水を入れたら、
静岡県由比の『英君酒造』の純米吟醸酒を注ぎ、
強火で一気に加熱し、
程なくすると、
あくが浮いて来るので、
お玉を使い、丁寧に取り除きます。
あくを丁寧に取るかどうかで、すっぽん鍋の仕上がりに大きな差が出るので、神経を注がなくてはなりません。
あくが出なくなりかけたら、出汁が濁らないようにするため、中火に落とし、
頃合いを見計らいながら、塩、醤油(薄口、濃口)、みりん、赤酒、日本酒を加え、煮立たないように、煮詰めていきます。
そして、
ここまで煮詰めたら、
一番大きい2,6キロのものだけ選り、それぞれの部位は、
えんぺら、
前脚、
後脚、
首、
甲羅、
腹の骨で、これらを土鍋に入れたら、
出汁を注ぎ、豆腐を加え、
厨房で温めたら、
葛切り、焼葱を入れ、仕上げに生姜の絞り汁を加え、お出ししました。
また、この時は、通常のすっぽん料理のコースのように仕立て、先付は、
うすい豆腐(グリンピースの豆腐)と、
茄子のオランダ煮でした。
通常なら、活血(いきち)とすっぽんの刺身をお出しするのですが、今回は、天然ものゆえ、どちらもご用意せず、
刺身の四種盛りとお出しし、内容は、はちびき、蛸、湯葉、帆立でした。
揚物は、
すっぽんの唐揚で、
そうこする間に、鍋も召し上がったので、
雑炊の支度をし、雑炊が仕上がるまでに、
酢の物の白魚の辛子酢掛けをお出ししました。
その頃、
厨房では、
すっぽん雑炊を仕立てており、
最後に、目葱をちらし、お出ししました。
色んな仕立て方がありますが、自分の仕立て方は、あえて出汁を多めにしており、その理由は、召し上がる間に、ふやけるからですが、すっぽん雑炊に限らず、ふぐ雑炊も、このように仕立てています。
ただ、お客様の中には、柔らかめというか、お粥(かゆ)に近い雑炊がお好みの方もいらっしゃり、そのような方は、殆どの場合、出汁の無い状態のものを、御申し付け下さいます。
そして、デザートに、
苺のアイスをお出ししました。
今夜お出ししたすっぽんは、4はいのうち2はいで、お客様がお持ちになった時のことをお話ししたように、残りの2はいは、食材持ち込みの特例で、自分が頂いたので、
色々と楽しませて頂くため、
キープしておき、この後の仕立て方を楽しむ予定で、どんな食材でも色んな仕立て方が可能ですが、すっぽんと言うと、いわゆる高級食ゆえ、変化球を使うのは、ためらいがちです。
こういう機会が得られるのも、地方ならではのことで、この後の料理は、機会を見て、お話しさせて頂きます。
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この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
「野郎」の行方が気になるんですけど…
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