カジキとマグロの違い
今日、川崎北部市場から、
千葉県銚子産の真梶木(まかじき)が届きました。
ところで、昨日、新聞の折り込みに入っていた広告を見ると、
かじきまぐろと書かれ、
値段が載っていました。
ただ、タイトルにもあるように、カジキはマグロではなく、別の種類の魚であるのにもかかわらず、 生息域や魚体の大きさが似ていることだけでなく、扱うのが鮪屋であるので、そのように呼ばれるようになったと言われており、魚市場ではカジキの名称で取引されていることから、カジキマグロは一般消費者に出回るときの名称です。
また、多くの方が誤解されていることもあり、Instagramで検索すると、#カジキの方が、#カジキマグロよりも、数が1、2割多いことを見ると、混同されていることがよく分かります。
当然、分類上も別物で、
『日本産魚類大図鑑』という専門書を使って、お話しさせて頂きますが、この本に載っている全ての魚は、日本近海、国内に生息しているもので、この本に載っていない場合、新種となります。
一介の料理人である自分が、このような専門書を持っているのは、10年くらい前に、水産学部卒の友人にもらったからで、ちなみに、その同級生は、現在は全くの畑違いの仕事をしています。
《解説》の方を開くと、
カジキは、メカジキ亜目で、その中に、マカジキ科とメカジキ科があり、《図版》を見ると、
カジキの仲間が載っており、カジキという名前がつく魚は、マカジキ、フウライカジキ、クロカワカジキ、シロカワカジキ、バショウカジキ、メカジキがおり、メカジキはメカジキ科で、それ以外はマカジキ科です。
一方のマグロですが、
マグロ目やマグロ亜目という名前はなく、マグロはサバ亜目に属するサバ科の魚で、このことは意外と知られていません。
魚へんに有と書き、刺身というか魚の代表格のような存在にしては、不思議というか、納得出来ないような感があり、似たようなものが、ブリ(鰤)で、ブリはアジ科です。
サバ科のページを開くと、
マグロ類が載っており、サバ科の仲間には、
カツオだけでなく、
サワラ(鰆)の仲間もいます。
カジキとマグロが別物であるのは、ご理解頂けたと思いますが、昨今では、食品の表示法の関係もあるので、カジキマグロと表記するのは、流通上の理由とはいえ、今後取り沙汰されるかもしれません。
いずれにせよ、正しい名前を知って頂き、その美味しさの違いを知り、魚食文化の良さを多くの人に知って欲しい限りですし、そのために、自ら魚市場に出向くだけでなく、全国各地の市場の人達とコンタクトを取るようしているのです。
魚の美味しさこそ、日本料理の良さであるゆえ、日本料理に携わる身としては、その魅力を後世に伝える努力を怠るわけにはいきません。
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