ふぐの水洗い
十月も後半になると、朝晩、寒さを感じるようになりました。これからの時季、我々料理人泣かせとも言えるのが、水の冷たさです。
普通に使う程度では、我慢できるのですが、ふぐを卸してから、水洗いする時、逃げ出したくなることもしばしばです。
ふぐは、普通の魚と異なり、粘膜が沢山ついているので、それを取り除かなくてはなりません。水を流しながら、布巾を使って、仕事をします。
”カマ”の部分を、水洗いしているところです。無理に取ろうとすると、関節のところで切り離してしまうので、注意しながら洗います。
一方、こちらが、身の部分です。粘膜だけでなく、中骨についている、血もきれいに取り除かなくてはなりません。
この作業が、ふぐを卸す時、一番手間がかかります。ふぐの数が多いと、途中でやめようかと思うこともしばしばあります。
また、ふぐを水洗いする時、使う水はかなりの量です。”ふぐ一本に水一斗”という言葉も、あるほどです。
ですから、これからの時季、ふぐを仕入れた時の請求書よりも、富士市の水道局の請求書の方が、自分の悩みの種の一つです。
そんな冗談めいた話はともかく、節水を心がけて、ふぐを卸すとします。
志村
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