三重は三重でも、伊勢志摩・安乗産のとらふぐ(天然)
今朝は、沼津の魚市場に、
仕入れに行って来ましたが、最初に向かった先は、売場ではなく、
荷造り場で、荷造り場とは、各売場や問屋などで、仕入れたものを一カ所に集めておく場所です。
ここに、自分の買い番である【47-9】と書かれた札が置かれた発泡スチロールがあり、
見にくいかもしれませんが、1(本)入、2,5(キロ)と書かれていました。
中を確認すると、
天然のとらふぐがスイスイ。となれば、萌え燃え・・・
先程お話ししたように、2,5キロの大きさということで、自分が、萌え燃え・・・の想いを込めて、BIGちゃんと呼んでいるサイズのものでした。
産地は、三重県ですが、三重県でも、最も仕入れる機会が多い熊野ではなく、伊勢志摩の安乗という漁港で、安乗から仕入れるのは、約5ヶ月ぶりのことです。
また、先週仕入れた三重県熊野産のとらふぐが、延縄漁の最終便となるはずでしたが、この安乗産が、結果的に、最終便となりました。
その後、ひととおりの仕入れを終え、『佳肴 季凛』に戻り、
取り出し、締めてから、
血抜きのため、放血。
とりあえず、とらふぐはこのままにしておき、この他に仕入れてきた魚の下拵えに取り掛かることにしたのですが、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、まな板周りを養生してもらいました。
その後、
真由美さんは、
新物の蛍烏賊(富山)の目玉、軟骨、くちばしを、
丁寧に、
取り除いてくれました。
一方、自分は、
小肌(佐賀)を開き終えたら、塩をあてておき、その後、
鯵(鹿児島)の下拵えを始めました。
身の部分は、
はらわたを抜き、頭の部分は、
半分に割っておきましたが、半分に割るのは、えらなどを外し、きれいに水洗いしたら、こんがり焼いて、出汁を取るためです。
この後、
真打ちが登場となったのですが、2月末で、終了となった延縄漁で水揚げされてから、一週間、海の生簀で、泳がせていたこともあり、
ひれは擦れていましたが、身には、全くキズがなく、一週間も生簀にいたものとは思えないほど、状態が良く、自分でも、驚きました。
このような状態が保たれるのは、漁師さんの方の扱いが丁寧であるだけでなく、その中でも、より良い船を選んで買い付け、船のまま、生簀まで入れてもらい、魚体に触れる回数を出来るだけ少なくして、滑りを取らないようにされているからだと、聞きました。
これは、とらふぐだけに限ったことではなく、以前お話ししたことがあるように、紀州は、日本の漁業のメッカとも言うべきところです。
様々な魚が水揚げされ、その取り扱い方が上手であるだけでなく、そこに住んでいる人達の食生活も魚食文化が根付いていることの証で、それについては、その時のお話しの後半部に、書いてあります。
卸し始めると、
真由美さんは、
鯵を水洗いしてくれていました。
その間に、ふぐを卸していたのですが、
メスでしたので、猛毒ゆえ食べることが出来ない卵巣(真子)が出て来ました。
普段なら、真由美さんが、ふぐの水洗いをしてくれるのですが、
今日は、鯵の水洗いをしていたこともあり、
自分が水洗いをし、
拭き上げ、ふぐの仕込みが終わり、
鯵の頭と中骨も、焼き終えることが出来ました。
市場に行ったこともあり、週末に備えて、
今日のお昼は、ミックスフライ(海老、鯵、牡蠣)で、パワー注入。
マクロビオティックを基本にした食生活ですので、雑穀御飯と一緒で、ちなみに、肉類を食べることの少ない自分のようなタイプは、ペスコベジタリアン(魚菜食主義者)と呼ばれています。
そして、今夜は、“お疲れちゃん♪”の合言葉と共に、
♫お酒は、熱めの燗がいい~ 肴は 炙った黒はんぺん♫と、鼻歌まじりで・・・。
また、ここ最近、牡蠣フライに限らす、
牡蠣にはまっており、
鍋に仕立てて、“お疲れちゃん♪”など、名残の牡蠣を堪能するため、
魚市場の売場で、
牡蠣を、仕入れることもしばしばです。
今更ですが、自分にとって、魚市場は、ちょっとしたアミューメントパークで、まだまだ寒さが続いているこの時季は、早起きが億劫なこともあるのですが、自らの“早起き手当”のために、そんなことも忘れることもしばしばです。
これも、魚市場へ行くことの楽しみの一つと言えば、一つかもしれません。(笑)
コメントを残す