香川県産のすっぽん(天然)
今日は、
沼津魚市場で、
すっぽんを仕入れて来ました。
魚市場で仕入れてくるすっぽんの殆どは、佐賀産の養殖ですが、今日のは、
香川県産の天然でした。
2はい仕入れたのですが、それぞれの目方は、
1,7キロと、
1,8キロでした。
その後、ひととおりの仕入れを終え、『佳肴 季凛』に戻り、
網から出し、大きなバケツに入れておきました。
仕込みの目途がついたので、卸すことにしたのですが、
これまでにも経験したことがあるように、天然は、養殖に比べ、動きも速く、性格も獰猛であるだけでなく、
養殖に比べて、爪も鋭く、大きいので、いつも以上に、注意しながら、卸しました。
卸している様子は、あまりにもグロテスクですので、その写真はないですので、ご了承ください。
卸し終えたら、薄皮を取るため、熱めのお湯で、霜降りし、その後、
女将兼愛妻(!?)の真由美さん達に、薄皮を取り除いてもらったのですが、これまでにも経験しているので、2人とも、手慣れたものです。
また、今日の2はいは、
どちらもオスでしたので、精巣が出てきました。
すっぽん自体も、普段仕入れる養殖に比べ、倍近い大きさとはいえ、ここまで大きいものを見るのは、初めてで、興味本位に、包丁してみると、
このような断面をしていました。
下拵えを終えたすっぽんは、
鍋に入れ、
そこにたっぷりの日本酒を注ぎ、
水を足し、昆布を入れたら、
火に掛けました。この時の火加減は、強火です。
しばらくすると、
あくが浮いてくるので、
丁寧に取り除いていきます。
また、鍋肌も汚れてくるので、
キッチンペーパーで、拭いていきます。
完全に沸いたら、
昆布を取り出し、あくが出なくなるまで、先ほどの作業を、続けていきます。
あくが出なくなり、ある程度煮詰まったら、弱火し、
頃合いを見て、塩、薄口醤油、濃口醤油、味醂、赤酒で、味を調え、火加減を超弱火にし、
この状態まで、煮詰めていきます。
本当なら、ひと晩おいた方が、味が馴染むのですが、今日は、単品で、ご注文を頂いたので、
このような小鍋仕立てで、お出ししました。
天然は、養殖に比べ、くせも無く、かなり味も深く、今日も、それを再確認出来ました。すっぽんというと、きわもの、げてもののイメージを抱くこともいらっしゃいますが、他の食材にはない代え難い味わいがあり、日本料理の中でも、美食の一つでもあります。
ただ、最近では、その美味しさの知らない方が増えつつあるのが、実情で、残念でありません。ですので、その本物の美味しさが、後世に伝わるよう、日本料理の世界に身を置く以上、精進していく必要性を忘れずに、いたいものです。
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