ふぐ皮の仕込み(その3) 湯引き編
2回続けてお話ししてきた“ふぐ皮の仕込み”の第三弾にして、最終回です。
きれいに掃除し終えたそれぞれのふぐ皮は、背の黒い真皮の部分、
お腹の白い部分、
背のとおとうみ、
お腹のとおとうみ、
身皮と、
全部で、5つの部分になりました。食べられるようにするには、先ず湯引きをしなくてはなりません。
黒いとおとうみは、塩が入った沸騰したお湯に入れると、
10秒足らずで、火が入り、このようになりますが、白いとおとうみは、どんなに長い時間茹でてても、平気です。また、身皮は、表面が白く変わったくらいを目安に、お湯から引き上げます 。
残った黒い真皮は、
沸騰したお湯に入れます。この時、鍋には、既に白いとおとうみが入っています。火が入ってくると、
棘があった白い部分が、透明になったら、氷の入った冷水に取ります。これ以上、茹でると、ゼラチン質が溶け、デロデロになってしまうからです。
白い真皮も、全く同じようになります。これで、全て湯引きし終わり、冷水から上げると、
このようになります。このままでは、ガムそのもので、食べられこそすれ、お客様にはお出し出来ませんので、
細かく包丁しなくてはなりません。包丁し終えたら、
水の入ったボウルに入れ、よくかき混ぜてから、
ザルに上げ、ようやくふぐ皮の仕込みが終わりました。ふぐ皮は、
ふぐ刺の真ん中に盛り付けられるだけでなく、ゼラチン質の富んだ独特の歯触りを好む方も多いので、
単品ものとしても、【佳肴 季凛】では、お召し上がり頂けます。自分も、ふぐ皮が好きですので、これぐらいでは、物足りません。
ふぐは、この時季にしか味わえない食材であるだけでなく、何よりもその気取りない味わいが、他の魚にはなく、その特異性に魅せられる人も多いはずですし、食せば食すほど、その味わいの深さを、いつも自分は感じます。
また、その卸し方や、ここ最近お話しした皮の仕込みなども、味わい同様、他の魚にはなく、卸したり、仕込む度に、料理人としての技術の向上の必要性を、強く感じざるをえません。
食しても、卸しても、魅せられるのが、ふぐです。そんなふぐに魅せられた一人が、自称“富士市で一番ふぐが好きな料理人”の自分です。
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