鱧と松茸の土瓶蒸し
今朝は、沼津の魚市場に行き、
活かしの鱧(2本)と、
落ち鱧(1本)を、
仕入れてきました。落ち鱧とは、死んでしまった鱧のことです。ご覧のように、和歌山産のもので、活かしの2本も、
同じく和歌山産でした。
夏場の鱧は、皮も身も柔らかいのが特徴ですので、
鱧料理の代名詞でもある“落とし”にして、味わうのです。ですので、活かしの鱧が入荷しても、“落とし”に仕立てることは、殆どありませんし、お客様からのご注文やお問い合せがあっても、お勧めすることは出来ません。
ですが、これからの時季の鱧は、産卵を終えたこともあり、身に厚みが増し、脂も乗っているので、夏場の鱧にはない味わいがあり、そんな鱧を味わう料理の一つが、鱧と松茸の土瓶蒸しです。
鱧と松茸は、出会いものと称され、絶妙の相性を見せるので、晩秋の頃まで、味わうことが出来ますが、鱧の旨味と松茸の香りを存分に味わうには、土瓶蒸しが一番です。
鱧の下拵えですが、今日の場合、
袋から、
取り出し、
〆ました。その後、卸してから、骨切りをして、
適当な大きさに包丁したら、もう一つの主役である松茸を、
用意しました。国産のものが望ましいのですが、この松茸は、中国産のものです。国産に比べ、香りが乏しいので、量を多くすることで、そこを補うようにします。
器に包丁した松茸を入れたら、
鱧を入れ、その上に、
再び、松茸を入れます。そこに、
鱧のあらで取った出汁を注ぎます。出汁は、塩、薄口醤油、味醂、日本酒で、味を調えたものです。出汁をはったら、蓋をして、
蒸気の上がった蒸器で、10’程度蒸します。仕上げに、
三つ葉をちらし、
再び包丁し、弦(つる)を付け、
包丁したすだちを添え、熱々を、供します。
蓋を開けたと同時に広がる風味は、秋が巡って来た幸福感そのものです。時折、日中暑い日もありますが、朝晩は、涼しさというよりも、寒さを感じる時もあります。
そんな季節の移ろいを感じながら、旬を味わうのは、日本料理の大きな魅力の一つです。また、初夏から晩秋までの長い間に、味わいが変化する鱧のような食材は、意外と少なく、料理人にとっては、別の魅力があると言えるかもしれません。
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2015.9.24|鱧(はも) 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
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