役目を終えた包丁は、刃物回収箱へ
2024年6月28日
Vol.4433
どんな物でも
最後があるものです
料理人にとっての
相方でもある包丁の
最後というか
最期とは・・・

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「親方、これって
包丁だよね・・・!?」
と、ふぐとらちゃん

「そうだよ
柄が折れちゃったのも
2本あるけどね」
と、答えました
「柄を付け替えて
使うことは
出来ないの?」
「無理だよ
和包丁と違って
洋包丁は
作り方が違うからね」
「そうなんだぁ~」

柄が折れた包丁の
一つが
サーモンスライサーで
スモークサーモンを
包丁するためのものです
もう1本が
真ん中の牛刀です

御覧のように
3本の牛刀がありますが
刃が無くなっているので
切ることが
出来ません
前後に押したり引いて
切るというよりも
割ると言った感じです
また、同じ様に
刃が無いのが
ペティナイフで

包丁と言うよりも
突き刺したりして
使うような
道具のようにも
見えます
「切れないってことは
どうしちゃうの?」
「処分するんだよ」
「まさか
燃えないゴミで
出しちゃうとか?」
「何かあると
困るから
そういうわけには
いかないよ」
「じゃ、どうするの?」
「包丁屋に
持って行けば
処分してくれるからね」
「そうすれば
心配ないもんね」
処分した包丁は
以下の通りです
①ふぐ引

②牛刀3本

③ぺティナイフ(2本)と
サーモンスライサー

包んだら
長年の仕事ぶりを
労(ねぎら)って

ご供養の塩を
まきました
//
長い間
お疲れ様~
\\
包丁を持ち込んだのは
沼津市にある
【正秀刃物店】という
包丁屋です

こちらで
包丁を買うようになったのは
5、6年前くらいからです

出した包丁を
確認すると

ご主人曰く
「うちのも
2本あるね
どれもこれも
ご苦労さん」
そんなことを
言うと
6本の包丁は
こちらの箱の中へ

箱には
【刃物供養祭 刃物回収箱】
と、書かれています
ちなみに

役目を終えた包丁は
悪く言えば
鉄くずです
が、しかし
料理人の自分にとっては
片腕として
多くの方々に
美味しさを提供してくれた
かけがいの無い
存在です
それが
何らかの形で
生まれかわり
どこかで
誰かの役に立ち
それどころか
もしも
自分の下へ
戻って来てくれたら
何と嬉しいことでしょう!
古くから
日本人は
物には
霊が宿る
と、信じています
なので
使わなくなったとしても
捨てることなく
傍に置いたままでした
この箱に
納められたことで
包丁との関係を
断つことが出来
気分もスッキリ
最後の最後まで
包丁としての役目は
断つことでした
最後とは
表しましたが
分身である以上
最期の方が
正しいかもしれません
包丁に限らず
道具類は
料理人にとっては
自分の分身である
料理を作ってくれる
等しく分身です
刃物回収箱の存在を
知ったことで
新たな知識を
得ることが出来ました
そして
新たな気持ちで
日々の仕事に
臨み続けます

「今日は
ハガツオを
仕入れたんだね
そんじゃ、また明日」
by ミニふぐちゃん
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
コメントを残す