魚市場用のステンレス製の出刃包丁
2024年7月18日
Vol.4451
大なり小なり
魚の仕込みが
中心の日本料理では
出刃包丁をよく使います
使い勝手も様々なので
使う包丁も
5種類です

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「真ん中の
出刃包丁って
あんまり見たことが
ないけど・・・」
と、ミニふぐちゃんが
訊いてきました

「この出刃包丁は
市場用だよ」
と、言うと
「市場で
どういう使い方をするの?」
と、ミニふぐちゃん
市場とは
ホームグランドの
沼津魚市場のことです
「活かしの魚を
締めたりする時だよ


今日だと
落ち鱧(おちはも)の
はらわたを抜く時に
使うよ」
「どうして
はらわたを抜くの?」
「鱧って
悪食だから
お腹の中に
餌が残ったまま
死んじゃうと
臭いが周って
使い物にならないことが
あるからだよ」
「ってことは
活きたハモを
締めた時でも
そうした方が
いいってこと?」
「そうだよ」
「この出刃包丁って
ステンレスだけど
普段使っている包丁と
違うような
感じもするけど・・・」
「かなり前に
包丁屋で
買ったものなんだけど
家庭用なんだよ」
「かなり前って
どれくらい?」
「20年以上に
なるかなぁ~」
「何で
そんなのを
買ったの?」
「魚の頭を卸したり
硬い骨を
叩いたりするのに
使うから
買ったんだよ
鋼(はがね)のものだと
刃こぼれすると
厄介だけど
この出刃なら
荒っぽい使い方をしても
構わないしね」
「ってことは
切れ味も
イマイチとか・・・?」
「そうだね
それ重視じゃないからね
あと、ステンレスだと
錆(さ)びる心配も
いらないからね」
「でも、ちゃんと
手入れはするんだね」
「そりゃ、そうだよ
包丁は
料理人の魂みたいな
ものだからね」
「そこが
プロなんだよね」
汚れを落とし
軽く砥ぎ
乾いた布巾で拭いたら

新聞で作った
鞘(さや)に
しまいました

ちなみに
これ以外にも
4本の出刃包丁が
あります

柄の部分は
こんな感じです

①小出刃

鯵(あじ)などの
小魚用です
②ステンレスの
出刃包丁(その2)

市場用と同じく
骨を叩いたりするのに
使います
③本出刃(ほんでば)

中型から大型まで
殆どの魚を卸すために
使います
④合出刃(あいでば)

とらふぐの皮の棘を
取り除くために
使います
料理人になって
30年以上経ちますが
出刃包丁が
一番使う頻度が高く
自分の場合
魚の仕込みが
メインだからです
そんなこともあり
これまでに
卒業生として
送り出した出刃包丁は
3、4本あるような
気がします
また、自分の場合
料理の道の始まりが
鮨屋だったので
出刃包丁には
縁が深いのは
確かです
というのも
鮨屋は
魚の仕込みが
メインゆえ
出刃包丁が無いと
仕事にならないからです
そんなこともあり
今でも
小魚の仕込みが
好きなのは
間違いありません
三つ子の魂百まで
雀百まで踊り忘れず
とは
よく言ったものです

「明日は
どの出刃包丁の
出番なのかなぁ
そんじゃ、また」
by 熱血君
コエタス
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