肩星鰯(かたぼしいわし)と丸鯵(まるあじ)のようなマイナー魚の魅力を伝える使命
2024年6月27日
Vol.4432
漁港が併設されている
沼津魚市場には
マイナー魚も
多く水揚げされたり
入荷しています
そんな今日仕入れたのが
2種類のマイナー魚でした

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の
店主兼熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます

「おはよう、親方
ハモは分かるけど
この2つの魚って
前にも見たことあるような
ないような・・・?」
と、ふぐとらちゃん
「おはよう
良い感じのこと
言うじゃん!

こっちが
肩星鰯
(かたぼしいわし)で

こっちは
丸鯵(まるあじ)
丸鯵は
青鯵(あおあじ)
とも言うよ」
「へぇ~
親方って
トラフグとかハモみたいな
和食の王道みたいな魚を
使う割には
こういうマイナー魚を
使うのも
好きだよね」
「そうだね
とらふぐとか鱧って
豪華、贅沢で
他の食材には無い
美味しさが
魅力なんだけど
こういうマイナー魚の
知る人ぞ知る
みたいな美味しさも
また魅力的で
結局は
魚の美味しさを
伝えたいんだよね
特に、沼津の魚市場は
漁港も一緒だし
地元だけじゃなく
伊豆方面の漁師も
持って来るから
マイナー魚も
多いんだよ」
「へぇ~」
「それに
三宅島とか伊豆七島で
操業している漁師には
宮崎とか和歌山の
漁師もいるんだよ」
「時々
そんなことも
話しているよね
で、この
カタボシイワシと
マルアジは
どこのなの?」
「由比だよ」
「由比じゃ
地元じゃないじゃん」
由比(ゆい)とは
静岡市にある漁港で
桜海老の産地で
知られており
沼津魚市場からは
30キロくらい
離れています
ただ、由比からは
ほぼ毎日
魚を持って来る
問屋がいるので
地元と言っても
いいかもしれません
そんな今朝
魚市場に行くと
由比の魚屋のご主人が
声を掛けくれました

青いTシャツ姿で
赤い長靴を
履いています
自分よりも
少し年上なので
友達感覚です
「カタボシイワシと
アオアジがあるけど
どう?」

どちらも
量が少ないので
合わせ技で
2,5キロでした
こういう不揃いの時は
かなりの
お値打ちですので
即決しかありません
丸鯵

肩星鰯


丸鯵も

肩星鰯も
下処理の仕方は
全く同じで
鱗(うろこ)を取ったら
頭を落とします
その後
水洗いをしてくれるのは
女将兼愛妻(!?)の
真由美さんです

丸鯵も

肩星鰯も

水洗いを終えたら
三枚に卸し

肩星鰯は酢締めにし
冷蔵庫へ

また

どちらの頭も

中骨などの
あらの部分は
焼いてから
出汁を取るため
水洗いをしておきました
丸鯵の方は
揚物に使うだけでなく
未体験の魚なので
クオリティチェックを
しないわけには
いきません

ということで
たたきにして
オン・ザ酢飯!
丸鯵のたたき丼です

「あいも変わらず
メガ盛りだね」
「だって
この時間
(2時過ぎ)まで
何も食べていないからね」
「しっかし
んまそう~

真由美さんは
食べ過ぎちゃうから

別盛なんだよね」
「そうそう」
肝心の味ですが
いわゆる鯵(あじ)よりは
落ちますが
似たようなアジの
眼鯵(めあじ)よりは
脂が乗っていました

マイナー魚が
マイナーなのは
量が獲れないのが
一番の理由で
必ずしも
味が落ちるとは
限りません
殆どの魚は
食べることが出来ますが
美味しくない魚を
見つけることは
至難の業です
知らない魚
=(イコール)
美味しくない魚
と思っている人も多く
それでは
魚市場に通っている意味が
ありません
料理人たるもの
漁師をはじめとする
一次産業の
代弁者であるべきだと
主張する自分としては
魚の美味しさ
ひいては
魚菜食文化の
日本料理の魅力を
伝える使命があるのです
ましてや
漁港でしか
見ることの出来ない魚の
美味しさを知ることが
出来るのは
地方在住の恩恵以外の
何物でもありません
そのためにも
自ら魚市場に通い続け
魚菜食文化の魅力を
伝え続けます

「この包丁って
どうなっちゃうんだろう?
そんじゃ、また明日」
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が

投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧下さい
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