土鍋で炊いた桜海老と新生姜の炊込御飯
5月26日
Vol.4400
昨日の【特別会席】の
食事は
桜海老と新生姜の
炊込御飯でした
どちらも
旬の素材で
その美味しさは
ご馳走感を
さらに増してくれるものです
いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
「おはよう、親方
昨日の
桜海老と新生姜の
炊き込み御飯が
んまそうだったね~
しかも
土鍋で炊きなんて
さらに、んまそう~
今日は
その作り方を
話してくれるんでしょ?」
と、ミニふぐちゃん
「おはよう
そうだよ」
と、答えました
昨日の
桜海老と新生姜の
炊込御飯は
【特別会席】で
お出ししたのですが
その他の料理に
ついてはこちらを
「そう言えば
生の桜海老って
殆ど使っているのを
見たことないけど・・・」
「そうだよ
分からない振りくらいに
仕入れたからねwww
乾燥の桜海老は
【胡麻だれ】を仕込むのに
使うけど
それこそ何グラムだから
使っているうちには
入らないよ」
「生ってことは
市場で仕入れたんでしょ?」
「もちろん!
仕入れたのは
一昨日だから
いつもみたいに
時計の針を戻すよ」
「はぁ~い♬」
ということで
一昨日の沼津魚市場です
桜海老を仕入れたのは
しらす、ちりめん干し等が
専門の問屋でした
桜海老は
国内では
静岡県の駿河湾でしか
水揚げされませんが
台湾でも
水揚げがあり
1988年の日本海洋学会の
発表により
駿河湾産も台湾産も
同種であることが
明らかになっています
桜海老漁は
深夜に行われ
早朝5時半すぎに
競りにかけられ
6時半過ぎに
届きました
桜海老漁は
春(3月末~6月中旬)
秋(10月末~12月末)
の年2回しか
行われていません
先程の問屋の店先では
注文ごとに
並べられていきました
自分が仕入れたのは
こちらです
朝獲れですので
頭の部分も
変色していません
ボウルに
氷を入れ
海水程度の濃さの
塩水を作ったら
桜海老を入れ
菜箸でかき混ぜると
ひげが取れ
2、3回繰り返したのち
ざるに上げておきました
「このままでも
食べられるんでしょ?」
「もちろんだよ
でも、甲殻類は
加熱した方が
甘味が出るからね」
そこが
素材を料理に
変える第一歩じゃん」
「そうなんだぁ~」
桜海老の後は
新生姜の仕込みです
きれいに洗い
桂剥きにしたら
千切りにし
水に晒しておいたのち
ざるに上げれば
下拵えの完了です
鍋に出汁を入れ
日本酒、塩
うす口醤油、みりんで
味を調えます
この時の出汁は
いわゆる一番出汁
だけではなく
普段使っている
天然の魚の出汁を
焼いてから
長時間煮出した出汁の
両方です
米と出汁は
同量なので
出汁の味こそが
炊込御飯の味を決めるので
ぞんざいには
出来ません
沸いてきたら
桜海老と
新生姜を入れ
弱火でアクを
すくいます
火が通ったら
火を止め
御飯の素が
出来上がりです
味を含めるため
明くる日まで
冷蔵庫へ
炊く時は
出汁と具を分け
その出汁で炊きます
御飯は
白米、もち米、押麦が
入っており
合計4合のうち
2,5合が白米
0,5合がもち米
1合が押麦です
出汁と米を土鍋に入れたら
火に掛けます
この時の火加減は
強火です
蓋をする必要は
ありません
理由は
中が見えないからです
電気釜は
蓋をしなければ
ONにならないかも
しれませんが
鍋で炊く分には
全く問題ありません
沸騰し
御飯が姿を現したら
具を入れ
蓋をすること5分
5分経ったら
火を止め
蒸らすこと5分
炊き上がりました
お席で蓋を取り
炊き上がりを
確認して頂いたら
再び厨房へ
そして仕上げです
仕上げに
ねぎ油を入れ
混ぜ合わせたら
桜海老と
新生姜の土鍋御飯が
出来上がりました
ねぎ油を加えることで
桜海老と新生姜の風味が
いっそう引き立ちます
お客様のリクエストを
伺った上で
献立を決めさせて頂く
【特別会席】は
自分にとっては
頼まれ事ゆえの
試され事でもあります
なので
この何年も
使うことがなかった
桜海老を使う引き出しを
開ける機会を
下さったのは
非常に有難いことです
ただ厨房で
料理を作っているだけでは
その引き出しの
中身を見つけることは
出来ません
そのためには
自ら魚市場に
出向いて
食材の状況を
見極めるのが
唯一の方法です
『佳肴 季凛』の
佳肴は
ご馳走を意味します
ご馳走は
自らの足で
素材を求めることです
そして
その素材は
時季ものが望ましく
それを手にしたら
凛とした姿勢で
向き合わなくては
なりません
言うは易く
行うは難し
精進の余地
大いにありです
「今日の更新で
4400なんて
ヤバいじゃん!
そんじゃ、また」
by 熱血君
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が
投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
御覧ください
2024.5.26|魚 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
コメントを残す