初めて仕入れた青鰘(アオムロ)こと、臭屋鰘(クサヤモロ)
5月20日
Vol.4394
漁港が併設されている
沼津魚市場には
色んな魚が
水揚げされます
メジャーな魚もいたり
マイナーな魚もいたり
そういう意味では
図鑑に近いかもしれません
いらっしゃいませ
マクロビオティック
(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい
美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ
西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼
熱血料理人の
志村弘信が
今日も認(したた)めます
「おはよう、親方
休みなのに
市場へ行って来たの?」
と、ミニふぐちゃんが
訊いてきました
「おはよう
そうだよ
今年から
火曜日の休市日が
増えたから
休みの日でも
行くのが増えたんだよ」
と、自分
「休みなのに
休めないじゃん!」
「そんなの今日に
始まったこと
じゃないから
今更って感じだね
休む時は休むから
ぜ~んぜん
関係ないね」
「そう言うとは
思ったけど・・・」
「変な話
火曜日に行かない方が
休み明けのバタバタ感が
無いから
それもありって感じだよ」
「そうなんだぁ~
大きい魚は
カンパチって
わかるんだけど
7本いる
アジみたい魚は?」
「青鰘(あおむろ)!」
「ムロってことは
ムロアジだから
アジの仲間なんだね」
「そうだよ」
「もしかして
初めて仕入れてたの?」
「初めてだよ
似たような
尾赤鯵(おあかあじ)は
何度もあるけどね」
「確かに似ているね
親方のことだから
市場にいた時の
様子の写真も
撮ってあるんでしょ?」
「もちろんだよ
初めての魚だしね」
「じゃあ
いつもみたいに
時計の針を
戻すんでしょ?」
「そうそう」
沼津や伊豆周辺では
青鰘(アオムロ)という
ローカルネームで
呼ばれています
標準和名(正式名)は
臭屋鰘(くさやもろ)で
その名の通り
くさやの原料です
ということで
時計の針を
戻します
今朝の沼津魚市場です
あいにくの雨でしたが
潮の流れも
良かったようで
沼津近隣だけでなく
西伊豆方面
東伊豆方面と
各地の水揚げ
入荷がありました
そんな中
地元の
浜平丸(はまへいまる)の
魚の仕分けをしていました
コンテナの中に
入っていたのは
胡麻鯖(ごまさば)や
鯵(あじ)などでした
この中から
選(よ)った青鰘が
この7本でした
また、先程お話ししていた
尾赤鯵(おあかあじ)も
水揚げされていました
見にくいかもしれませんが
尾だけでなく
ひれが赤いのが
特徴で
尾赤鰘(あおかむろ)
というのが
標準和名(正式名)です
その後、秤にかけると
2,9キロでした
アオムロと共に仕入れた
勘八(カンパチ)は
活かしのものです
勘八は間八とも
表記されるように
頭に八の字のような
模様があるのが
特徴です
その場で
活〆にして
持ち帰って来ました
「こういう流れ
だったんだぁ」
勘八も
青鰘も
水洗いした状態で
冷蔵庫へ
初めて仕入れたので
青鰘のクオリティチェックは
欠かせません
旋網(まきあみ)漁で
水揚げされたので
身割れしていましたが
夏に美味しくなる魚ですので
うっすらと脂が
乗っていました
身割れしていたので
刺身にはせず
叩きにしてみました
姿形が似ていることもあり
尾赤鯵の味と
殆ど変わりません
青鰘のような
マイナーな魚を
仕入れることが出来るのは
漁港が併設されている
沼津魚市場だからこそです
さらに
こういう魚の美味しさを
伝えることも
料理人の役目で
ましてや、自分のように
魚菜食文化である
日本料理を生業とする以上
ただ単に
魚の美味しさを
伝えるだけでは
意味がありません
というのも
料理人は
魚=漁師
野菜=農家
という一次産業の
代弁者でなくては
ならないからです
その使命を
忘れることなく
日々の仕事に
臨み続けます
コエタス
当店のお取り寄せや
通販の商品などを
召し上がった方々が
投稿して下さっています
ご興味、ご関心のある方は
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