カウンターでの【特別会席】は、刺身と天ぷらメイン
Vol.4329
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です

今日(3月16日)は
天ぷらと刺身メインの
コース料理についてお話しします

「親方、これって
もしかして
今日のお昼とか・・・?」
と、熱血君

「そうだよ
今夜のカウンターの天ぷらの
クオリティチェックだけど
どうして?」
と言うと
「どうもこうも
ズルくね?」
と、予想通りのリアクション
「自分はいいんだけど
真由美さんも味見しないと
お客さんとの会話が
スムーズにいかないじゃん」
真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです
「確かに
そうだけど
やっぱ、んまそ~」
クオリティチェックが済んだら
というより
堪能したら

御席の準備をし
休憩を取ることにしました

「ひとまず
お疲れ様~♬」
休憩後
「これが
今夜の天ぷらになるんだ~」
と、熱血君がやって来ました

「そうだよ
全部で9種類」

「多くね?」
「多いような気がするだろけど
お客さんのペースを見ながら
揚げていくから
意外と食べれちゃうんだよ」
「そういうもんなんだ~」
「これだけじゃないし
刺身をつまみながら
食べてもらうからね」
「昨日、そう言ってたもんね」
昨日とありますが


その後、刺身が出来たら
お客様のご来店を
待つばかりとなりました

「こういう時って
ふぐ刺もあるけど
今夜はないよね?」
「うちの看板だから
用意するんだけど
『今夜はパス』 by 常連さん
にしたんだよ」
「へぇ~」
「さらにさらに
『普段、あんまり出さないような
魚があると嬉しい』
のリクエスト付き」
「そうなんだぁ~
常連さんが来る前に
説明してよ」
「かしこまりました!」
①眼仁奈(めじな 静岡県沼津産)

沼津では
クシロと呼ばれています

②酢蛸(すだこ)

普段とは趣を変えるため
お出ししました
③鰖(たかべ 沼津産)


脂が乗っているだけでなく
皮も硬めなので
炙ることで
鰖の美味しさが増します
④湯葉

箸休め的に・・・
⑤ひがんふぐ(南伊豆産)


1本が300グラム程度の
小さなふぐですので
身皮(みかわ)を炙り
やや厚めに引き
所謂(いわゆる)ふぐ刺には無い
味わいを楽しむことが出来ます
⑥黒鯛(くろだい 沼津産)


⑦蛸(たこ 愛知産)

⑧真鰯(まいわし 鳥取県産)


酢で締めてあります

準備が整い
お客さんが見えたら
コースの始まり始まり~
◆先付(さきづけ)
芹(せり)のお浸し

◆蒸し物
蟹真丈(かにしんじょう)錦糸蒸し

生クリームが入っているので
ふんわりとした食感です
◆刺身の八種盛

◆天ぷら
器に天紙を敷き

大根おろしを添えたら

粗塩(あらじお)

天つゆをお出ししたら

天ぷらのスタートです
実は
天つゆをお出しする前に
熱血君が
こんなことを訊いてきました

「ちょっと待って~
塩と天つゆって
どっちがオススメなの?」
「そりゃ、好みだけど
自分は天つゆ一択」
「どうしてなの?」
「先ず、出汁と調味料を合わせることで
天つゆ自体が
料理になるからだよ
出汁っていう素材を
料理に変えるのが
調味料だから
天つゆ一択」
「ほぉ~」
「出汁は、その店ごとに
違いがあるからね

「このブログにも
書いてある通りだね」
「そうだよ
あと、天つゆにくぐらせると
油が落ちるから
食べやすいしね
そのものを味わうのなら
何もつけないで
そのままが一番だよ」
「そっかぁ
そういう食べ方が
いいんだね」
「少なくとも
自分はそうやって
食べるね」
「なるほど~」
「じゃあ、揚げ始めるよ」
「ほぉ~い♬」
①牡蛎


牡蛎の揚物と言えば
牡蛎フライですが
天ぷらの方が
牡蛎特有の香りと旨味を味わます
もっと言うと
牡蛎フライ好きの方に召し上がって頂き
牡蛎の揚物=天ぷら
に鞍替えして欲しい
限りでなりません
②マッシュルーム


露地ものの
原木椎茸(げんぼくしいたけ)が
収穫出来ない
この時季でも
時季の椎茸と
遜色ありません
ちなみに
原木の椎茸の時季は
3月半ば~5月
10月下旬~11月
の年2回です
③蓮根


個人的に
野菜類の中で
一番好きな天種(てんたね)です
④鮑(あわび)


鮑の天ぷらは
塩でも天つゆでもなく
肝醤油一択

肝を蒸してから
裏漉し
醤油などで
味を調えてあります
King of 鮑料理と
自分は呼んでおり
今回は韓国産の養殖でしたが
国産の天然の大きいものは
悶絶級の美味しさです
⑤新玉ねぎ


ジューシーな美味しさが
たまりません
⑥稚鮎(ちあゆ)


春の天種の代表格で
ほろ苦さが
一興です
⑦空豆(そらまめ)

さやから外したら
薄皮も取り除いています

空豆に限らず
豆類には
天ぷらにして美味しいものが多く
露地ものの
スナップえんどうの美味しさは
何とも言えません
家庭菜園でも
作られている方も多く
もうじきすると
収穫出来るので
是非やって欲しい食べ方です
⑧鰖(たかべ)


70グラム程度ですが
骨が硬いので
血合い骨を抜いてあります
刺身の時にもお話ししたように
脂があるので
揚げることで
フワフワ感が増します
⑨アスパラガス


かなり太目の佐賀県産ですが

4月の終わりから
5月の半ばくらいまでの間に出回る

途中
⑤新玉ねぎと
⑥稚鮎の間にお出ししたのが

鰤(ぶり)の西京焼でした
看板の西京焼ですが
今日の献立では
脇役に甘んじた次第です
普段のコースなら
食事(ごはんもの)で締めるのですが
当初からのご要望で
ありません
ただ、〆として
浅蜊(あさり)の味噌汁をお出ししました


そして、最後が
シャンマスカットのアイスです

ご予約を頂いた時
この時季なので
山菜類を考えたのですが
あいにく、露地物が無かったので
使いませんでした
栽培ものは
1月ぐらいでも
入荷していますが
天然ものの風味
食感を考えると
パスせざるを得ません
季節を味わうこそが
日本料理の醍醐味ですので
そのためには
妥協は不要です
今日のように
天ぷらのコースは
カウンターのみでのご用意となっております
また、献立も
【特別会席】同様
お客様のご予算
ご要望次第です
天ぷらは
特別な仕込みは少ないものの
その代わりに
仕入れに注力しなくてはなりません
また、カウンターでの
マンツーマンでの
お仕度になります
そのため
お早目のご予約を
お願いしております
詳細については
お気軽にお問い合わせ下さい

「今日仕込んだ【西京漬】の銀鱈には
ちょっと焦ったよ
そんじゃ、また明日」
by ふぐとらちゃん
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