日本料理の盛付けの基本は、築山(つきやま)
Vol.4286
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です
今日(2月2日)は
基本的な日本料理の盛付け
についてお話しします
「親方、この天ぷらって・・・?」
と、ミニふぐちゃんが
訊いてきました
「この天ぷらは
〇★¥と◆$◎(注)の夕飯用だよ」
「んまそぉ
いいなぁ~。」
(注)〇★¥と◆$◎ は
二人の娘達のことです
「お手伝いしてくれれば
いくらでも
作ってあげるけど・・・」
「ありゃりゃ・・・
天ぷらって言えば
2、3日前に
テイクアウトの天ぷら盛り合わせを
作っていたよね?」
「そうだよ
これね」
基本的に
お持ち帰り料理は
前もっての御注文となっているのですが
この日は
時間に余裕もあったので
急な御注文でしたが
ご用意することが
出来ました
急いで買い出しに走り
天種の準備完了
ということで
ビフォアアフターの
アフター=天ぷらです
「こうやって並ぶと
もぉ~んまそう」
持ち帰りの容器は
特大(3人前)2つと
小(一人前)が1つです
それぞれに
天紙を敷いたら
盛付けていきます
①玉ねぎ
②南瓜(かぼちゃ)
③榎(えのき)
④鯵(あじ)
⑤茄子(なす)
⑥海老(えび)
⑦大葉
⑧パプリカ
⑨獅子唐(ししとう)
⑦以降、小は⑨まで
一度に盛付けました
最後に
富士卸しを盛付け
出来上がりです
富士卸しとは
大根おろしに
おろし生姜を合わせ
富士山に見立てたものです
「こういう盛付けって
決まりとかフォーマット
みたいなものって、あるの?」
「和食の盛付け方の基本は
山があって
川が流れて
野原が広がる
っていう風になるんだよ」
「あ~っ、そんな感じじゃん」
「だから、奥の方が高くなるから
向こう山
なんて言い方もするんだよ」
「へぇ~」
「それを頭に入れながら
盛付けると
あんな風になるんだよ」
「だから立体的に
見えるんだね」
「もっと言うと
落ち着いた感じがしない?」
「そうだね
何となく
しっくりくるね」
「そうそう
日本庭園のスタイルで
築山って
聞いたことある?」
「初耳学!
なんて読むの?」
「つきやまって読むんだけど
さっき言った要領のことだよ
築山で思い出したけど
日本庭園で
もう一つ代表的な形式が
あるんだけど・・・」
「分かるわけないじゃん
もうぉ~っ!」
「枯山水って聞いたことある?」
「あるある
意味は知らんけど・・・」
「かれさんすいって読むんだけど
水が無い所で
山と水の風景を表現したものだよ」
「へぇ~」
「その代表なのが
京都の龍安寺(りょうあんじ)の
石庭(せきてい)だよ」
「あっ、それなら
見たことあるよ
これでしょ?」
「そうだよ」
「これはこれで
和風だけど
料理の盛付けには
不向きなような
感じがしないでもないね」
「和食って
色んなところで
日本の文化と繋がっているんだよ」
「へぇ~」
ペットボトル入りの
天つゆも用意し
天ぷらを袋に入れ
お渡ししました
ミニふぐちゃんに説明したものの
和食の道に転がって
3分の1世紀とは言え
まだまだ知らないことも
多いのが確かです
初心を忘れることなく
日々の仕事に臨み続けていきます
「おっ、新しい長靴だね
そんじゃ、また明日」
by ふぐとらちゃん
2024.2.2|賄(まかな)い お持ち帰り(テイクアウト) |permalink|コメントはまだありません
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