生の真鰯(まいわし)を仕入れたのが、2か月振りの理由
Vol.4262(1月9日)

いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日は
2か月振りに仕入れた
生の真鰯(まいわし)
についてお話しします。
昨日の今日ですので
沼津魚市場の入荷状況を
気にしながら
魚市場に着くと

そこそこ入荷があり
ひと安心。
お話しを進める前に

構内を歩いていると

岩手県産の真鰯が

目に留まり

2ケース(4キロ×2)
仕入れることにしました。

真鰯は、いつものように
『鰯の丸煮』用です。

その後、活魚売場で
宮城県産のとらふぐ(天然)を
5本仕入れ

言わずもがなの
萌え燃え・・・
その場で

その場で

活〆にして

魚市場から撤収。
どちらも
下処理に手が掛かるので
長居は出来ません。
『佳肴 季凛』に戻ると

「おはよう、親方
昨日の今日だけど
欲しい魚があって
良かったじゃん!
しかも、萌え燃え・・・
しちゃっているしね。」
「おはよう
良かったよ。
真鰯の生は久々だし
2か月ぶりくらいかも・・・。」

「そんなに無かったんだぁ。」
「たまには
あったんだけど
好みのサイズじゃなかったから
冷凍を使っていたんだよ。
今日なんかも
千葉から三陸で
かなり水揚げがあるって
言ってたよ。」
「いいじゃん、いいじゃん!」
「あと、冷凍を使ったのは
漁獲枠の関係もあって
11月の半ばを過ぎると
真鰯の漁がなくなるからだよ。」
「何、それ~?」
「一年間で獲ってもいい量のことだよ。」
「そんなのあるんだ~。」
「全部の魚じゃないけどね。
枠が無い魚でも
小さいサイズは
獲れても放流なんてこともあるし
自主的に
漁に出なかったりもしているんだよ。」
「初耳学!」
「だから、良い真鰯を見たら
仕込むようにしているんだよ。
だから、さっき言ったけど
市場に行くと
浜(産地)の情報も仕入れることが
出来るんだよ。」」
「そうなんだぁ~。
それこそ、マイワシみたいに
生じゃん!」
「上手いこと言うね。」
「旨いマイワシで
上手いなんて
親方も冴えているじゃん!」
「あはは・・・。
そんなことより
今週はもう1回
仕入れるかもよ。」
「ふぅ~ん。」

鱗(うろこ)を取り

頭と尾びれを包丁し

はらわたを抜いたら


水洗いをしてくれるのは
女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。

身だけじゃなく
頭は焼いてから出汁を取るので

半分に包丁しておきました。

身も

頭も水洗いまでしたら
真鰯の下拵えの
第1ステージクリア。
その後、頭は
ランチの営業の合間を見ながら

焼いておきました。

「で、今日のマイワシって
どうなの?」

「皮(銀色)の隣の白いのが
脂なんだけど
身の半分くらいまで
脂があるんだよ。」
「ひゃ~っ
皮下脂肪の肥満児ちゃん!」
この後、とらふぐを卸したら
珍しいものを見たので
そのことは
明日お話しします。
水洗いを終えた真鰯は
最終チェックをしなくてはならず

腹に残っている
胆のうの痕を
包丁することです。
包丁し終えたら

再び、真由美さんが
水洗いをしてくれました。
水洗いしたら
クッキングシートを敷いた鍋に並べ

蓋と重しをし
水と酢を注ぎ

超々弱火で火に掛けました。
「や~っと下拵えが終わったね。

で、今日のお昼は?」

「真鰯の塩焼御膳だよ」
「やっぱり、そうか。」
「やっぱりなのは
どうして分かったの?」
「水洗いした時に
尾っぽがついていたのが
あったからだよ。」

「よく気付いたねぇ~。」
「まぁ~ね。

大根おろしの隣に
わさびがあるけど・・・。」
「真鰯とか
青魚の塩焼には
本山葵(ほんわさび)を
粗目に卸したのが
合うんだよ。」
「へぇ~。
ツ~ンとならないの?」
「脂が強いから
ぜん~ぜん効かないんだよ。
たっぷり乗せるのが
いいんだな、これが・・・♬」
「んまそう~」
満足のいく仕入れ
満足のいく昼ご飯の合わせ技で
今日の前半戦が終わったのでした。
「じゃあ、明日のブログは
親方命のとらふぐだね

そんじゃ、また」
コメントを残す