しょうさいふぐのむき身
ブログはさぼっても、Twitterをさぼることはありません。宜しかったら、お読み下さい。
今朝、沼津の魚市場の構内を歩いていると、こんな箱が目に入りました。
“ムキ身正才”と書かれています。“むきみしょうさい”と読みます。“ムキ身”とは、文字通り、皮を剥かれた状態のもので、“しょうさい”とは“しょうさいふぐ”のことです。“しょうさいふぐ”については、先日お話ししたので、こちらをお読み下さい。
箱の中を開けると、
このように、真空パックされたものが入っていました。銚子産と書かれています。
さらに、その隣にはこんなシールもありました。
“しょうさいふぐ”に限らず、下処理をされたふぐは、このようにその産地と加工地を記すだけでなく、加工者の氏名、住所、原料のふぐの名称、処理年月日も表示することが義務付けられています。
そんな“しょうさいふぐ”を見てると、市場の売り子(職員)が、自分に声を掛けてきました。
「親方、一つどうですか?どうせなら、全部どうですか?」
「いくら?」と尋ねると。
「キロ、○○円、全部なら△△円ですけど、どうですか?」
「悪いけど、勘弁してよ。自分で仕込めば、××円だぜ。それに、他人が触った魚なんて、使う気しないよ~。」
「そうでしたよね、失礼しました。今度は気に入ってもらえるようなものを、いれておきますから、お願いしますよ。」
といったやり取りをして、その場を後にしました。
先程、値段のことをお話ししましたが、具体的な値段をここで書くのは、憚られるので、あえてしましせんが、その差は約3倍です。
その差が手間賃であるのは、言うまでもありませんが、手間を惜しまない以上に、手間を掛けるのが料理人の料理人たる所以です。
それに、自分が納得した食材を仕入れ、丹精込めて仕込んだものを、お客様に召し上がってもらうのが、料理人の自分にとっての全てですから、どう転んでも出来ないのです。
実を言えば、昨日の『佳肴 季凛』の女将兼愛妻(!?)の真由美さんのブログにもあるように、今日は定休日でしたが、仲睦まじく(!?)仕込みをしていました。
立ったまま食べたお昼御飯の10分を除き、朝9時から夜の7時までです。(真由美さん、今日はどうも有難うございました。)
傍から見ればたいへんでも、やっている当の本人にとっては、時間に限りがあることだけが厄介なだけで、時間が無尽蔵にあって、休息なしで仕事が出来る不死身の身体があれば、ある種の“涅槃”の境地にいることが出来、そここそが自分にとっての極楽浄土なのです。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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店主 志村
相変わらず、頑張り屋の夫婦ですね~。
金太郎様
恐れいります。ただ、真由美さんに感謝あるのみです。