活締め、神経&血抜きの平鱸(ひらすずき)のその後
Vol.4182
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月21日)は
先日の平鱸(ひらすずき)の
その後についてお話しします。
「親方、これって
この間のヒラスズキ?」
と、ふぐとらちゃん。
「そうだよ。」
この間のヒラスズキ(平鱸)とは
仕入れたのが
水曜日なので
締めてから3日経ったことになります。
袋から出し
卸すと
締めた時の血の痕以外は
しっかりした状態です。
「活〆にして
血と神経を抜くだけで
こんなに違うものなの?」
「だけっていうか
これが全てだよ。」
「なるほど~♬」
柵取りをして
皮を引くと
うっすらと脂が・・・。
しかるべき下処理をしてあるので
生臭みは
一切ありません。
「下処理が大事なのか
分かるような気がするね。」
「そうだよ。」
「卸した身を氷詰めにしておいても
こんな感じなの?」
「それはないね。
卸すと
表面積が大きくなるから
どうしても鮮度は落ちるよ。」
「そうなんだぁ。
じゃあ、骨付の場合だと
どれくらい持つものなの?」
「一週間くらいは持つと思うけど
美味しい状態なのは
明日か明後日くらいまでじゃないのかな。」
「ふぅ~ん。」
「目方が2,5キロだから
そうなっちゃうんだよ。」
「へぇ~。
ってことは
大きい方が持ちがいいの?」
「そうだよ。
要は、大人と子供じゃ
体力に違いがあるでしょ?」
「そう言われると
よく分かるよ。」
「だから、それなりに大きな魚体じゃないと
美味しくないのと
全く同じことだよ。」
「へぇ~。」
「こういうのを熟成って言うようだけど
少し前に話したように
熟成っていうのが
あんまり好きじゃないんだよ。」
そのことについては
「そうだよね。
訊いたら、そう言ってたよね。」
平鱸は
今日のお昼の会席料理の刺身で
〆鯵、湯葉と共に
お出ししました。
「んまそう♬
マグロみたいな赤いものは
入っていないけど
こういう方のが
魚好きな人には
喜ばれるんじゃね?」
「そうだね。
刺身=鮪っていうのが
普通だけど
その時によって
沼津の市場で仕入れた魚を
使い分ける方が
色んなタイプの魚を出せるから
面白味はあるよね。」
「毎回同じとは
限らないんだしね。」
「その方が
仕入れに行く楽しみが増えるしね。
ただ、行った時の出たとこ勝負だから
行くまではドキドキだよ。」
「なるほどね。」
「前から言っているけど
掘り出しもの的な魚もいて
その美味しさを伝えるのも
料理人の仕事っていうか
使命だと思っているから
プレッシャーみたいなものはあるよ。」
「でも、そういうのが
親方は好きなんでしょ?」
「分かってんじゃん。」
「やっぱりね~」
卸した時の中骨などは
出汁を取るため
焼いておきました。
「今日まで焼かなかったのは
旨味UPのためなの?」
「そうだよ。
よく分かったじゃん!」
「こんだけ
親方のブログを
今回の平鱸は
思いの外
良い状態でお出しすることが出来ました。
タイミング良く入荷があったのが
一番の理由ですが
自然相手であるだけでなく
時には、競りという
人為的なハードルもあります。
一筋縄ではいきませんが
それなりのスタンダードを保つためには
足繁く魚市場に通うしかありません。
そここそが
自分の立ち位置なのです。
「明日のバスのお客さんのデザートは
シャインマスカットのアイスなんだぁ
そんじゃ、また」 by ミニふぐちゃん
★☆★ 【コエタス】 ★☆★
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