“福とら”こと、福島産の天然とらふぐ&地物の薄葉剥(うすばはぎ)
Vol.4166
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(10月5日)は

シーズン開幕の天然とらふぐと
地物の薄葉剥(うすばはぎ)について
お話しします。
仕入れる魚があってもなくても
沼津魚市場で必ず寄るのが
活魚売場です。

また、殆どの場合
一番最初で
今日もそうでした。
生簀には

自分の買い番の【47-9】の札が

2枚。

中には

福島産のとらふぐ(天然)が

5本ずつ。
となれば
今シーズン初の天然とらふぐに
萌え燃え・・・
その頃、別の生簀では

地元の定置網で水揚げされた
薄葉剥(うすばはぎ)の計量をしており

1枚GETし

とらふぐの生簀へ。
沼津では
薄葉剥のことを

ウチワと呼んでおり
地方によっては
ラケットとか
ハゴイタ(羽子板)とも呼ばれています。
この姿ゆえの呼び名は
推して知るべし。
生簀の魚は

活かしたまま

持ち帰るため

そのまま

スチロールへ。
【佳肴 季凛】に戻ると

ふぐとらちゃんが

やって来ました。
「おはよう、親方
萌え燃え・・・ じゃん!

今シーズン初のとらふぐじゃね? 」
「そうだよ。
しかも、開幕戦は
ふぐRUSH!」
ふぐRUSHとは
一度にとらふぐ(天然)を
10本以上仕入れることで
“ふぐに魅せられし料理人”の自分が
付けた呼び方です
「今日のとらふぐは
どこ産なの?」
「福島だよ。」
「福島のとらふぐって
“福とら”って言うんでしょ?」
「初耳学!」

「ほらっ
僕達ふぐとらと
ひと文字違いだし
゛があるかないかだから
親しみが湧くんだよねぇ。」
「ふぅ~ん。」
「随分、つれないねぇ~。」
「そう!?
それよりも仕事をしないとね。」
「はぁ~い。」
スチロールから

とらふぐと

薄葉剥を取り出し
締めたら

血抜きのため、海水へ。
そして、本日のメインイベンター
とらふぐを締め

同じく

海水へ。
その後、薄葉剥の神経を抜き

神経を抜くのは
死後硬直を遅らせるためです。

「ねぇ、親方
ウスバハギとトラフグを
同じ海水の中に入れていたけど
大丈夫なの?」
「大丈夫って?」
「ふぐの血って
毒なんじゃないの?」
「は~い

はずれ!」
「えっ、そうなの?」
「フグ類の血は無毒だよ。
毒だと思っている人って
多いんだけどね。」
「そうなんだぁ~。」
「もし有毒だったら
どこまで洗い流したらいいのか
基準が無いじゃん!」
「確かに、そうだよね~。」
「そんな話になったから言うけど
前に市場で
とらふぐを締めていたら
年配の魚屋さんに
『何やっているんだよ!
こんなとこで
フグを締めるなんて
良い訳ないだろっ!』
って言われたから
『はぁ~っ
おっさん、免許持ってのかよ。』
って言い返そうかと思ったけど
そこは大人の対応をして
『いやぁ、すいません。』って
言ったことがあるんだよ。」
「へぇ~
親方にしては
おとなしい態度じゃん!」
「そっちかい。」
「あはは・・・♬」
薄葉剥は

身だけでなく
肝も美味しいので
傷つけないように

取り出しました。

「新鮮できれいな肝だね。」
「そうだよ、
活きているのだからね。」
「どうやって使うの?」
「蒸してから
裏漉して
ぽん酢に溶いて
ふぐ刺のつけ醤油にするんだよ。」
「う~んまっそう!」
薄葉剥は

表の硬い皮を剥いてから

水洗いします。
今更ですが
見た目、名前の通り
皮剥(かわはぎ)の仲間です。

三枚に卸したら

腹骨を欠き、冷蔵庫へ。
そして
本日のメインイベントのゴング!

最初にくちばしを落とすと

「こうなると

何とまぁ
情けないというか
腑抜けのような・・・。」
卸し始めると

お腹から肝。

「んまそう!
だけど、食べられないんだよね。」
「そうだよ。
食べると痺れて
![天冠とは?幽霊の頭についている三角の白い布の意味・役割って? [葬儀・葬式] All About](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/1200/900/aa/gm/article/6/7/4/5/0/1561337271/topimg_original.jpeg)
あちらの世界へ・・・ 」
「ヤバッ!」
「少しだけのつもりで食べて
痺れたり
命を落とした人がいるのは
この見た目じゃ
当然のような気がするよね。」
「やっぱ、そうなんだぁ~。」

卸し終えた後の水洗いをしてくれるのは

いつものように
女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。

「おはよう、真由美さん♬
水洗いって
たいへんじゃね?」
「ふぐとらちゃん達、おはよう♬
そうでもないよ。
こういう単純な仕事って
意外と好きなんだよねぇ。」
「そうなんだぁ~。
沢山あるから
頑張って~!」
「はいよ~。」
とらふぐを卸し終えた自分が
手直しをし

洗い上げ

とりあえず
とらふぐの仕込みをここまでにし

掃除を始めると
//
お片付け~

お片付け

さぁさ

二人でお片付け ♬
\\
ランチの営業が終わったら

身も

拭き上げ
とらふぐの仕込みが終わりました。
卸したとらふぐを見ると
「トラフグと

ウスバハギって

何となく似てんじゃね?」
と、ふぐとらちゃんが訊いてきました。
「似ているも何も

とらふぐは
フグ目フグ亜目フグ科トラフグ属

薄葉剥は
フグ目カワハギ科ウスバハギ属
だから、遠い親戚のようなもんなんだよ。」
「そうなんだぁ。
“福とら”と“ふぐとら”
みたいなもんじゃね!?」
「・・・・・。」
そんなこんなで
今季のふぐシーズンも始まったのでした。
「もしかして、明日も!?

そんじゃ、また」 by ミニふぐちゃん
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