御殿場の『とらや工房』と鮨屋時代の氷
Vol.4128
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。

「親方、今日は真由美さんと
出掛けたの?

これだね」
「そうだよ。」
「どうだった?」
「どうって程でもないけど
じゃあ、今日は休みだし
ゆるめの話にするから
お出掛けの様子を話すよ。」
「はぁ~い♬」
ということで
今日(8月28日)は

静岡県御殿場市にある
『とらや工房』へ出掛けた様子
についてお話しします。
御殿場市は『佳肴 季凛』のある富士市から
高速で40分程の距離です。
駐車場に車を停めると
こちらの看板が

『東山旧岸邸』とあるように
総理大臣を務めた岸信介の自邸です。
その後、御殿場市に寄贈され
羊羹(ようかん)で有名な『とらや』が
管理運営を行っているとのこと。
分かりやすくするため
『とらや工房』の
ホームページにある地図を拝借します

5分程度歩くと

山門をくぐり

程なくすると

工房へ。

山育ちなので
竹林や雑木林が
原風景の自分にとっては
珍しいものではないものの
都会からの来場者の方にとっては
一興の空間とも言えます。
折角なので

ティータイム。
大福(写真 手前)と葛まんじゅう(同 奥)と
温かいお茶を注文し
お替りの冷茶を頼み
中に入っていた氷に
ちょっとした気遣いが・・・。
その気遣いとは

大きい氷だけは
氷屋の氷を砕(くだ)いたものを
使っていたことでした。
氷屋の氷とは

こちら(ネットより拝借)
製氷機の氷とは違って
溶けにくいのが一番の特徴です。
こういう氷を見て
思いだすのが
料理の世界の振り出しだった
東京・新宿の鮨屋です。
その鮨屋は
ねたケースだけでなく、冷蔵庫も
氷だけのものでした。
毎朝、氷屋が来て
ねたケース用に氷を切ります。

こんな感じ。(こちらもネットより拝借)
冷蔵庫には
大きいままの氷を入れます。
冷蔵庫はこんな感じ

(これまたネットより拝借)
その鮨屋のねたケースと冷蔵庫は
特注品でした。
特注とは言っても
ねたケースと冷蔵庫の金額は
それほどではないものの
一日あたりの氷代が
3000円くらいだったはずです。
さらに、夏場は4~5割増しくらい
だったような・・・。
定休日は氷を買わないので
一か月25日で計算すると
一か月の氷代が
75000円。
夏場の3か月が
10000円越え!
ですので
一年の氷代だけで
75000×9=675000円
+(プラス)
100000×3=300000円
ということは
一年間で約1000000円!
100万円なので

立ちます!
これだけあれば
ねたケースも冷蔵庫も
買うことが可能です。
氷で保存する状態は
凍らない0度なので
食品中のすみずみまでに
水分が行き渡り
みずみずしい状態が保たれます。
また、氷温状態の食材は
「凍るまい」という根性で
細胞内のでんぷん、たんぱく質を分解し
不凍物質を作り出すのです。
この不凍物質は
遊離アミノ酸類、糖類などのうまみ成分で
これらが増すことで
味が良くなります。
さらに、氷温では
有害微生物が増えにくいため
衛生的に安全な状態で
保存が可能です。
結果として
通常の冷蔵状態よりも
3~5倍、鮮度が長持ちします。
ここまでお話しして
思い出したのが
氷当番のことです。
氷当番とは
ゴールデンウィークと
お盆休み中に
氷屋に来てもらって
氷を冷蔵庫に入れてもらうことです。
ただ、休業日なので
ねたケース分はありません。
連休のど真ん中に
当番にあたることもあったものの
従業員3、4人で話し合いの上なので
特に問題はありませんでした。
また、正月休みは
気温が低いので
氷当番は無し。
「そんな思い出があったんだぁ~。」

「そうだよ。
冷茶の氷から
こんなにまで脱線するとは
思わなかったよ。」
「僕達も夫婦デートの話で
お腹一杯になっちゃうかと
思っていたけど・・・。(笑)」
「なんじゃ、それ。(笑)

この後

岸邸を外から眺めて、撤収。」
「氷の話も出て来たから
思ったよりも
ゆるい話じゃなかったじゃん。」
「そうだね。
まぁ、休みだから
この辺でお仕舞にするかな。」
「それにしても
親方と真由美さんは

こんな感じかな・・・。」
「大人をからかわないの!(笑)」
「はぁ~い♬」
ゆるい話のつもりが
氷の話に飛び火しちゃいました。
休みということで
この辺で・・・。
「明日は、月1のふぐの日だね。

そんじゃ、また」 by ミニふぐちゃん
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