半身だけ卸した鱸(すずき)は、静岡県由比産
Vol.4120
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(8月20日)は

半身だけ卸した
鱸(すずき)について
お話しします。
今朝の沼津魚市場です

久々に

地物の金目鯛が入荷しており

売場には

次々と並べられていき

サイズによっては、6段重ね。
どれくらいあるか
分からないでしょうから

ドローンで

撮影!?
・・・・・・。
そんなことはなく
構内には
一般の方が
売場の様子を見ることが出来るように
通路が設けられています。
また、台風の影響もなくなり

魚も増え始め

やっと市場らしい雰囲気に。
そんな今朝仕入れたのは
金目鯛ではなく

鱸(すずき)でした。

鱸の産地は

静岡県由比で
桜海老(さくらえび)の産地として
有名です。
【佳肴 季凛】に戻ると
ふぐとらちゃんがやって来ました。

「おはよう、親方
おっ、すずきさんじゃん。」
「そのすずきじゃないよ。」
「分かってるよ。
こういう事を言えば
少しくらい涼しくなるかと思って・・・。」
「はいはい。」
「しずまえってあるけど
どういうこと?」
「 静岡市の海沿いの地域で
水揚げされる魚のことで

由比(ゆい)、清水、用宗(もちむね)の
3つの漁港で水揚げされているんだよ。」
「へぇ~。」
「自分が一番多く仕入れるのが

由比のさばふぐだよ。」
「お弁当の揚物に使うって
よく書いてあるよね。」
「そうそう。
よく見ているじゃん。」
「まぁね。」
水洗いを終えた鱸は

片身だけ卸したら

骨付の身の方は
ここで、ひと仕事をします。

中骨の金串を刺すと

「親方、何をするの?」
「まぁ、御覧(ごろう)じろ。

いくよ~。

ほら。」
「血が出て来た。
どうして、こんなことするの?」
「魚って
血を含めた内臓が
生臭い原因だから
それを取り除けば
持ちも良くなるからだよ。」
「へぇ~。」
「全部卸せば
そんなこと関係ないけど
今日みたいに半身を残す時は
この手間が欠かせないんだよ。」
「神経締めとかって言うけど
どっちがいいの?」
「両方出来れば
いいんだけど
どっちかって言えば
血抜きの方だね。」
「そうなんだぁ。
最近じゃ、釣り好きの人も
こういうことをするみたいじゃん。」
「そうだよ。
釣り道具屋に行くと
それ用の道具が売っているもん。」
「凄いね。」
「最初見た時、ビックリしたもん。
今も言ったけど
血抜きをするために
頭の付根か
えらに包丁を入れるのが一番だね。」
「そうなんだぁ。」
水気をふき取ったら

キッチンペーパーでくるむと

「このまま、氷詰めにして

お寝んねだね」
卸し身の方は

皮に包丁目を入れたら
バーナーでFIRE
皮目を冷やしたら
水気をふき取り、冷蔵庫へ。
そして、今夜の会席料理の刺身に

鯵(あじ)、湯葉と共にお出しし
鯵も鱸と同じ由比産です。
7月の終わりから
お盆明けまでの約半月の間
魚はかなり少なく
ようやく増えてきました。
と、簡単に終わらせるのは
マスコミ報道と
変わりありません。
この間、漁師達は
かなりつらい思いをしたはずです。
マスコミは
「今年は、○○が不漁です。」
「今シーズンも○○漁が
解禁になりました。」などの
事実だけを使えるのみ。
時間に制約があるだけでなく
ニュースを作るのが仕事とは言っても
もう少し、食の根本について
言って欲しい限りでなりません。
漁師をはじめとする
一次産業の代弁者であるべきなのが
料理人ですので
言い続けます。
「明日は休みだね。

そんじゃ、また」 by 熱血君
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