5色の箆矢柄(へらやがら)
Vol.4119
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(8月19日)は

箆矢柄(ヘラヤガラ)なる魚について
お話しします。

「ねぇねぇ、親方
この間のクマサカフグといい
このヘラヤガラもだけど
最近、珍しい魚ばかり
UPしているんじゃね?」
と、ミニふぐちゃん。
この間のクマサカフグについては

「っていうか
たまたまだよ。
ヘラヤガラなんて
レアな魚をよく知っているじゃん。」
と、返答しました。
「海にいた頃
見たことあるよ。
話したことはないけどね・・・。」
「へぇ~。
海の中は色々だねぇ。」
「まぁね。
台風が行った後だから
ヘラちゃんが獲れたの・・・。」
「ヘラちゃんって・・・。
そんなことないよ。
ただ、地物の魚の売場は
水揚げ直後に
並ぶことが多いから
レアな魚が
こうなるんだよね。」
「ふぅ~ん。
で、少しは魚が増えたの?」
「やっと波も落ち着いたみたいだし

ここに

さっきのヘラヤガラが

並んでいたんだよ。
「5本全部が
色違いなんだね。」
「オレンジ色

オレンジ色

黄色と黄土色

灰色と茶色の5色だね。 」
と言うと
「そもそも
親方は、見たことがあったの?」
と、ミニふぐちゃん。
「無いよ。
見た目、矢柄っていうのは
分かったけど
正しい名前を知らないから
訊いたんだよ。」
ちなみに、矢柄(ヤガラ)とは
こんな魚で
正式にはアカヤガラと呼ばれています。

※拝借画像
商品価値も高く
数こそは多くないものの
市場にもよく並んでいる魚です。
「この間言っていた
三重の魚屋さん。」
「そうだうよ。
あと、分かんない時は
どうすのるの?」
「この本を

見るんだよ。」
「【日本産魚類大図鑑】って
書いてあるけど

〈解説〉と

〈図版〉に分かれているんだね。」
「この本に載っていない魚は
新種って言われているんだよ。」
「へぇ~。」
「ただ、30年くらい前の本だから
今は増えているかもしれないけどね。」
「そもそも、何で
こんな本を持っているの?」
「もらったんだよ。
15年くらい前かな。」
「誰に?」
「同級生。
その彼は水産学部卒なんだけど
今は工務店の社長をやっていて
要らなくなったから
くれたんだよ。」
「へぇ~。
水産学部卒の工務店の社長って
親方と同じくらい変わってんじゃん。」
「そうかねぇ。」
「親方だって
政治経済学部卒だし・・・。」
「表向きはね。」
「ってことは
裏があるの?」
「あるよ。
明治大学家政学部日本料理学科ね。」
「あ゛ぁ~っ!?」
「冗談だよ。
そう言った方が
本当っぽくない?」
「確かにね・・・。」
「で、ヘラヤガラを調べてみたら

いたんだけど
2色しかいないんだよね。」
「もしかして、新種じゃね!?」
「それがさぁ

体色の変化が著しく云々(うんぬん)・・・。」
「ってことは
5本全部同じ種類ってことじゃん。」
「そうだよ。
海にいた頃は
どうだったの?」
「ぜ~んぜん、覚えていないよ
だって見たことがあるだけだし・・・。」
「そうなんだね。」
「そんなことより

僕達も、ここら辺に載れるかなぁ。」
「今度、訊いてみる?」
「わぁ~い♬」
〈解説〉にもあるように
体色の変化が様々とのこと
6色目、7色目を見つけるという目標が出来
魚市場に行く楽しみが増えました。
その時には
またお話ししますので
乞うご期待!
5色と言えば
昭和世代には

やっぱりゴレンジャーですね。
「明日は法事の予約があるんだね。

そんじゃ、また」 by ふぐとらちゃん
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