直しを終えた出刃包丁
Vol.4093
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(7月24日)は

直し終えた出刃包丁について
お話しします。
今朝、沼津魚市場から戻ると

「おはよう、親方
仕入れ&休日出勤、お疲れ様~。
これはクロダイ?」
と、ミニふぐちゃん。
「おはよう

そうそう。

地物だから

今朝、水揚げのだよ。」
と、返しました。
「これから、締めるんでしょ?」
「そうだよ。」

出刃包丁を用意すると

「普段使っている包丁と違うじゃん。」
と、言うので

「そうだよ。この間
胡椒鯛(こしょうだい)を卸した時に
出刃包丁を刃こぼれさせちゃったから
今度から
骨を叩くような時は
ステンレスのを使うことにしたんだよ。」
「そうだったねぇ。

かなり派手にやらかしたもんね。」
その時の様子が

頭と

尾びれの付根に

氷入りの海水に落としたまま

神経を抜きました。

氷入りの海水に浸けるのは
体温上昇による身焼けを
防ぐためです。
また、神経を抜くことで
死後硬直が遅れ
鮮度を保つことが出来ます。
黒鯛の下処理をする前に

たかべの仕込みをすることに。
たかべの鱗を取るため
使ったのが

小出刃(こでば)で
鱗を取ります。
たかべは
酢で締めてから

昆布に挟み、冷蔵庫へ。
たかべの後は
再び、黒鯛です。
鱗を取り
はらわたを抜いたら
頭を割るのですが

この時もステンレスの出刃を使いました。

水洗いを終え
卸すのに
出刃包丁を用意すると

「ここで、出番だね。」
「そうだよ。
刃こぼれは勘弁だからね~。」
「でも、どんな風に
直してもらったの?」
「こんな感じ。

刃こぼれした所なんて

3ミリも欠けちゃったし
包丁とは思えない姿で
悲しくなるよ。」
「確かに、そうだよね~。」

卸し身を見ると

「クロダイって
きれいな白身なんだねぇ。」
と、ミニふぐちゃん。
「皮を引くと
模様が赤いから
見栄えもするんだよ。

過去画像からだけど、どう?」
「こんなにはっきりした
赤なんだぁ。
いいじゃん、いいじゃん♬」
ところで、最初にお話ししたように
休日出勤をしたのは
明日のお弁当の仕込みもあっただけでなく
明日が休市日だったからです。
魚の仕込みが終わったら

煮物など
お弁当の仕込みをしました。
なので

女将兼愛妻(!?)の真由美さんの
手助けは欠かせませんでした。

その頃

包丁を砥いでいると

「魚の仕込みが多かったから
出刃包丁の揃い踏みだね。」
と、ミニふぐちゃん。
「そうだね。
出刃包丁も戻ってきたし
包丁屋さんにも
色々と教わったから偉くなったよ。」
「めでたし、めでたしじゃん!」
包丁を刃こぼれさせてしまったことで
新しいことを知ることも出来ました。
そう思うと
自らの勉強不足を知っただけでなく
アラフィフを超えとは言え
まだまだ精進の余地
大いにありです。
「明日はお弁当から
一日が始まるね。

そんじゃ、また」 by ふぐとらちゃん
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