GW明けの沼津魚市場
Vol.4017
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(5月9日)は
入荷が少なかった
魚市場の様子について
お話しします。
それじゃ、始めるよ~
今朝、沼津魚市場から
帰って来ると
「おはよう、親方
ブリと岩がきを
仕入れて来たんだね。」
と、ふぐとらちゃん。
「おはよう
他にもあるけど
この二つがメインみたいなものかな。
たださぁ、今朝の市場は
ガラガラだったんだよ。」
「♬ガラガラヘビが
やって来る~
お腹をすかせて
やって来る~♬」
「・・・・・。」
「昭和生まれの親方は
知っているでしょ?」
「知っているけど
そのガラガラじゃないの!」
「昭和歌謡が流行っているでしょ?」
「まぁ~ね。」
「そんなわけで
最近カラオケで覚えたから
歌ってみたんだよ。」
「はいはい。」
「で、市場の様子は?」
「展開が早いなぁ~。
今話すから、慌てなさんな。」
「はぁ~い♬」
先ずは
伊豆半島周辺の魚を扱う売場。
ガラ~ンとしていましたが
ブルーシートが敷かれていたのは
後で、熱海・網代(あじろ)産の
魚が入荷することになっていたからです。
次に地物メインの売場です。
普段の3分の1ぐらいの
入荷状況でした。
と思いきや
西浦の定置網漁の魚を
水揚げしている最中でした。
定置網漁ですので
魚種は様々で
活魚も少々。
最終的には
2列並びました。
隣のトロール漁の売場も
休漁のため、皆無。
送りと呼ばれ、
全国から送られてくる陸送便の売場も
約半分。
それでも
静岡県焼津産の鰤(ぶり)は
そこそこ入荷があったので
この中から
7,5キロのものを仕入れ
いつものように
西京焼用に仕込みました。
ただ、近いうち
【西京漬】のラインナップに加わるので
それ用にも仕込みました。
ところで、【西京漬】の定番のサーモンも
この売場に並んでいたのですが
な、なんと愛媛産!?
間違いを指摘すると
担当者が
札をカナダ産に
差し替えていました。
新卒と思しき若者ゆえ
サーモンが入っている
スチロールから判断したとのこと。
ちなみに、サーモンは
20キロの箱に
5本程度入っているものを
小分けして販売されています。
活魚売場も
先程の活魚が
少しばかり。
岩牡蠣を仕入れた貝類の売場も
少なめでした。
50入
30入
15入と
3種類のサイズがあり
15入の中から
良さげな6個を選りました。
今日のような入荷状況になった
一番の理由は天気です。
陸(おか)で生活していると
晴と雨を気にすることが
殆どですが
海の場合、風次第で
強い弱いにはじまり
向きによっても
大きな違いが生じます。
また、一昨日から昨日までのように
雨が多いと
河川から水が流れ込み
これを水潮と呼んでいます。
水潮によって
塩分濃度が下がるだけでなく
濁りが入ると
魚の動きが鈍くなったり
深く潜ったりして
水揚げが減ってしまいます。
ただ、台風が来ると
海水をかき混ぜるので
魚が移動したりして
後々、水揚げが増えることもあります。
なので、厄介者の悪天候も
必要悪であるのも
事実なのです。
そういう自然を相手にしている
漁師の方達には
頭が下がります。
ただ、残念なことに
国の政策は
一次産業を蔑(ないがし)ろに
し過ぎです。
食料自給率が下がっても
他人事のような姿勢。
人間がやるわけですから
神様のように八方良しことは
無理です。
ですが、いい加減
食の在り方を問うてみましょう。
農水省、行き当たりばったりの
無為無策やめません?
食の問題は
日本の行く末を決めるものです。
お腹が満たされなければ
心も満たされません。
一介の料理人である自分が出来ることには
限度があります。
ですが、ですが
マクロビオティック(玄米菜食)を
ベースにした“身体に優しい美味しい日本料理”を
作ることによって
料理そのものの魅力
食の大切さを知ってもらうため
その労を惜しむわけにはいきません。
仕入れも大事なことですが
それ以上に、現場の様子を見るために
魚市場に通うのです。
「親方、熱血料理人の本領を発揮だね
それじゃ、また明日」 by ミニふぐ
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