今日の鰆(さわら)も、刺身&西京焼用の二刀流
Vol.4005
いらっしゃいませ
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
今日(4月27日)は
先週同様、刺身と西京焼用に
仕入れた鰆(さわら)について
お話しします。
それじゃ、始めるよ~
4月も終わりになると
5時前の沼津魚市場は
日の出直前です。
そんな今朝の入荷状況は
よろしくなかったものの
別棟の売場に行くと
鰆(さわら)の山が2つ。
ひとつが
今日着で
もうひとつが
昨日着。
昨日着のものも確認したところ
悪くはなかったものの
パスし
今日着のものから
5,2キロのものを
仕入れることにしました。
昨日着も今日着も
三重県熊野灘産です。
『佳肴 季凛』に戻ると
「おはよう、親方」
と、ふぐとらちゃん。
「おはよう」と返すと
「今日のサワラは
西京焼用、刺身用?」と
訊いてきました。
こういう質問をされたのは
鰆は、サイズによって
西京焼にしたり
刺身にしているからです。
「どっちだと思う?」
と、訊き返すと
「この大きさだと
西京焼かな?」
「はい
不正解!」
「このサイズで
刺身ONLYってことはないだろうから
両方?」
「そうだよ。
大谷翔平と同じで
二刀流!」
「流行りじゃん!」
「そうだね。
二刀流だったよ。」
「そうだったねぇ。」
水洗いをし
片身を卸すと
身割れさせずに、ひと安心。
というのも
鰆は身割れしやすい魚の
代表格だからです。
残りの半身を卸そうとすると
ふうとらちゃんが
「どうして、布巾を置いてあるの?」
「骨を上にしたまま
包丁を入れるから
うっかりして
手を切っちゃうこともあるからだよ。」
「ヤバいじゃん。」
「だから、こうしているんだよ。」
「へぇ~。」
背の部分に包丁を入れたら
身割れさせないように
まな板ごと、反転。
残りの半身も
身割れさせずに
卸すことが出来
ふぐとらちゃんから
腹骨を欠き
身を返したら
切身にしていくと
「親方、何やっているの?」
と、ふぐとらちゃん。
「ここまで切身にしたら
残りは刺身用に残しておくのを
忘れないようにするためだよ。」
「どうして
尾に近い方なの?」
「尾の方が
刺身にしやすい形だからだよ。」
「そうなんだぁ。」
残りの半身を
先程の尾の部分を置き
そこで
そこから
切身にしました。
コース料理の西京焼なので
一枚の目方は
80グラムを目安にしています。
刺身用の身の皮に
包丁目を入れたら
氷の上に乗せ
バーナーでFIRE
すぐに返し
粗熱が取れたら
水分をふき取り
キッチンペーパーに挟み
冷蔵庫へ。
また、焼いてから出汁を取る中骨に
血を抜くため
金串を刺すと
大サービスとまではいかなくても
出血サービス。
「どうして
こんなことをするの、親方?」
「こうすると
焼いた時に
雑味が残らないからだよ。」
「わぁ~
そこまでの下処理をするなんて・・・。」
「魚だけじゃなく
どんな食材も余すことなく
使い切ってこそのプロだから
手抜きは出来ないよ。」
「恐れ入ったよ。
肝心の切身は
きれいな乳白色をしているねぇ。」
「この色が
脂が乗っている証拠だよ。」
「いいじゃん、いいじゃん♬」
「でも、5月が近いから
そろそろ脂も抜け始めちゃうよ。」
「そうなんだぁ
サワラ好きの親方にしては
残念だね。」
「そうだよ~。」
切身を
有機JAS認証済の
西京味噌と共に
袋に入れたら
//
お片付け~ お片付け~
さぁさ 二人でお片付け♬
\\
そして、ランチの営業時間の合間を見ながら
真空パックしたり
あらも焼いておきました。
また、今日の鰆には
真子(まこ)と呼ばれる卵も
入っていたので
含め煮に。
「ここまで
1本の鰆を使い切れば
サワラも鰆冥利になるんじゃね。」
と、ふぐとらちゃん。
先程お話ししたように
鰆の時季もお仕舞が近づきつつあり
鰆と同じく
春という季節も去りつつあります。
「それじゃ
また明日」 by 熱血君
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