西京焼用&ホワイトデー用の鰤(ぶり)は、三重県産
Vol.3955
いらっしゃいませ
マクロビオティック(玄米菜食)を
基本に据えた
“身体に優しい美味しい日本料理”
を信条とし
天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を
こよなく愛す
【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の
志村弘信です。
3月8日の今日も
お付き合い下さいませ。
今日のお話しは
鰤(ぶり)についてです。
今朝、沼津魚市場に行くと
全国各地から
鰤が
入荷していました。
産地は
静岡県焼津
和歌山県
三重県
千葉県
鹿児島県
韓国でした。
千葉県産は、5~6キロなので
鰤というより
その手前の“わらさ”というのが
正確なところです。
また、韓国とありますが
水揚げ地が韓国なだけで
獲れた海域は
玄界灘周辺なので
≒福岡または長崎になります。
鮮度を重視し、選んだのが
三重県産の
10,2キロのものでした。
ちなみに
こんな姿をしています。
顔というか
えらぶたの部分に
包丁の痕があるのは
活〆にされたものだからです。
【佳肴 季凛】に戻ると
ふぐとらちゃんがやって来て
「おはよう、親方」
「おはよう」
「10,2キロもあるんだぁ。
デッカイね。」
「鰤のサイズの目安が
8キロアップだから
軽くクリアしているね。」
「ブリって
出世魚なんだよね。」
「そうだよ。
ただ、大きくなるにつれて
名前が変わるのが
出世魚じゃないんだよ。」
「どういうことなの?」
「鰤みたいに
名前が4回変わらないと
出世魚じゃないんだよ。」
「ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリ
って変わるんだよね。」
「よく知っているじゃん。」
「やったー!」
「この呼び方は関東方面で
関西や北陸だと違うけど
鰤はブリのままだよ。」
「でもさぁ
どうして、4回なの?」
「歴史上の人物で
名前が4回変わって
出世した人がいるんだけど
知っている?」
「え~っと、あの~
う~んと・・・。」
「はい
そこまで!」
「ありゃりゃ・・・。」
「正解は
豊臣秀吉。」
「どうしてなの?
今、NHKの大河ドラマでやっている
徳川家康も名前が
変わっているけど・・・。」
「豊臣秀吉って
元々、武士の出じゃないけど
最後には、天下統一をして
武士のトップに立ったでしょ?」
「そっかぁ、だから
出世魚なんだぁ。」
「そういうこと。」
そんなやり取りを終え
鰤の下処理を始めることに。
鱗(うろこ)が細かいので
包丁を使う“すき引き”という方法で
鱗を取り除きます。
言うまでもなく
包丁が身に入らないように
注意しなくてはなりません。
鱗を取り終え
頭を落とし
はらわたを抜いたら
水洗いをし
三枚に卸しました。
身が白っぽいのは
脂が乗っている証拠です。
腹骨を欠いたら
鮪(まぐろ)で言うところの
大トロの部分を
切り離します。
身を返したら
切身にすると
こんな感じに。
切身にしたのは
コース料理の西京焼にするためです。
鰤のついでに
鯖(さば)を
【西京漬】に仕込むことにし
とりあえず、どちらも冷蔵庫へ。
魚を卸すと、出るのが
あらの部分です。
かまや切り落としの部分は
切身同様、西京味噌に漬け込み
賄い行きです。
実はこれが、楽しみ。
また、中骨などの部分は
出汁を取るため
焼いておきました。
ランチの営業が終わったら
クオリティチェックを兼ねて、昼ごはん。
見ての通りの鰤丼です。
これも、楽しみ。
これを見たふぐとらちゃんが
「丼になっているのが
親方ので
この別盛になっているのは
真由美さんの?」
「そうだよ。」
真由美さんとは
女将兼愛妻(!?)のことです。
「どうして別盛なの?」
「食べ過ぎちゃうから
あえて別盛にしてあるんだよ。」
「そりゃそうだよ。
見ているだけで・・・」
脂が乗っているとは言え
天然の鰤ですので
後味スッキリ。
満足、満腹状態で昼寝をしたら
この器に
鰤(ぶり)の刺身を
盛付け、鮪も少し
盛付けてあります。
色が変わっているのは
朝のうちに
皮を引いたからで
鰤はサイズ=呼び名に関わらず
色変わりが早いことです。
そのため、かつては養殖の魚の
トップランナーの地位を
譲ってしまいました。
これを見たふぐとらちゃんが
「これは、なぁに?」
「これは、ホワイトデー用のだよ。」
「ってことは
バレンタインのお返し?」
「そうだよ。近所の常連さんに
器を持ってきてもらったんだよ。」
「いいじゃん、いいじゃん!
季凛ごっこが出来るね。」
「こういうお返しとか
誕プレって
いいと思わない?」
「絶対いいよ。
こういうお店だからこそ
出来ることだよね。」
「西京焼用の仕入れがメインだけど
切身に向かない部分とかで
仕立ててあるんだよ。」
「だから、尾に近い部分を
別にしておいたんだぁ。」
その後、夜の営業の合間を見ながら
鰤だけでなく鯖も
有機JAS認証済の西京味噌を
ベースにしたお手製の西京味噌と共に
真空パックしておきました。
「アイスんまそぉ。
そんじゃ、また明日」 by 熱血君
コメントを残す