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器を代えたふぐ刺

Vol.3902

“身体に優しい、美味しい日本料理”を

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

「親方

今日は“昼ふぐ”があったんだね?」

※昼ふぐ

昼間のふぐ料理


「そうだよ。刺身

唐揚

こんな感じで

〆の雑炊。」

「そう言えば

夕べのふぐ料理のお客さんに

こんなふぐ刺も出したよね?」

「追加で、出したよ。」

「おかわりってこと?」

「追加とおかわりは

違うんだよ。」

「え゛っ!?」

「おかわりっていうのは

同じ器で同じ料理を

食べることだよ。」

「そうなんだぁ~。

でも同じ意味で使っているよね。」

「そうだよね。

ただ、日本料理では

同じ器を使わないっていう

決まりがあるから

昨日みたいに

器を替えるんだよ。」

「代える、替える、変える

似ていても、違うんでしょ。」

「そうだけど、昨日の場合

代える、替える、変える

のどれでも、いいような感じだね。」

「う~ん・・・。」

「国語の先生にでも

訊いた方がいいんじゃね?」

「買えるもあるし

帰る、返る、換える

還る、孵る・・・。

あっ蛙も!

かえるだらけじゃん。」

「そろそろ話題を

変えるよ。」

「それは、変えるで

合っている?」

「知らんけど・・・。(笑)」

ちなみに、昨日も今日も

ふぐは静岡県舞阪・遠州灘産の

とらふぐ(天然)です。

先ほどお話ししたように

日本料理では同じ御席で

同じ器を使わないという

不文律があります。

なので、コース料理では

品数と同じ数の器が出て来るので

それだけでも

味とは違った楽しみがあるのです。

稀代の美食家・北王子魯山人曰く

「器は料理の着物」

さらに曰く

「 河豚の旨さというものは

実に断然たるものだ

と私は言い切る。

これを他に比せんとしても

これにまさる何物をも

発見し得ないからだ。」

するとミニふぐ達が

「親方も

同じこと

言っているじゃん!」

「そうだよ。その中でも

ふぐちりが一番だね。

好きな食べ物の御三家だよ。」

「他の2つは?」

「鰹と海老フライ!」

「海老フライ!?」

「そうだよね。悪い?」

「悪かぁないけど

海老フライ?」

「好きなものは、好きなの!」

「西京焼が入るかと思ったよ。」

「『四天王は?』って

訊かれれば、入るよ。」

「こうやってみると

どれもこれも、魚だね。」

「そうだよ。

魚は種類が沢山あるのが

一番の魅力だね。」

「肉は3種類だもんね。」

「肉には肉の美味しさがあるけど

やっぱり魚だよ。さ🐟か🐟な」

「御意!」

魚菜食文化の日本料理を

生業とした以上

その美味しさを伝える使命が

自分にはあります。

さらにすべきは

日本料理文化の魅力を

後世に伝えることなのです。

「今日の親方、熱かったね~。

ってことで、また明日🐡」 by ふぐネット

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