味噌を入れ忘れた『胡麻だれ』
Vol.3831
“身体に優しい、美味しい日本料理”を、
信条とする『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信です。
ランチの営業が終わったら
今日は
『胡麻だれ』の仕込みをし
仕上がると
ふぐネット達がやって来ました。
「親方、胡麻の香りがいいね♬」
「『胡麻だれ』には
これだけの調味料が
入っているんだよ。」
「わぁ、こんなに沢山。
しかも、無添加じゃん!」
「サラダ素麺に使っているのは
知っているよね?」
「うん♬買ったお客さん達は
どう使うのかなぁ?」
「色んなアレンジ料理をしているよ。
驚いたのが
フランスパンにつけたりもしていたよ。」
「へぇ~、そんなのも!?」
「芝麻醤(チーマージャン)が
入っているから
ピーナツバターもどきって
感じになるような・・・。」
「親方は、未体験?」
「そうだよ。今度やってみるよ。」
「やったら、食レポしてね。」
「はいよ。今から詰めるから
下がっていてね。」
「はぁ~い。」
ボトル詰めしようと
最終確認をしたら
いつもの味と違うような気がしたので
仕込みの順序を遡ると
味噌が入っていないことに
気付きました。
仕込みに使った当たり鉢は
片付けてしまったので
別の当たり鉢に味噌を入れ
混ぜ合わせたら
そこに
『胡麻だれ』を少しずつ加え
伸ばしたら
寸胴(すんどう)に戻し
ようやく完成。
一般的には
当たり鉢ではなく
すり鉢と呼ばれています。
“する”という言葉は
お金を盗む“ 掏(す)る”や
お金を無くす“摩(す)る”に繋がり
宜しくないので、和食界では
当たり鉢と呼んでいます。
ボトルに
詰めたら
シールを貼ると
再び、ふぐネットがやって来て
「一度の仕込みで
どれくらい出来るの?」
「13本くらいかな。だから、
近いうち仕込まなくちゃならないよ。」
「そうなんだぁ~。
手作りだと、たいへんだよね。」
「まぁね。無添加だからこそ
多く作れないし
作り過ぎないのも
美味しさだと思うよ。」
「ふぅ~ん。」
「開栓しなくても
常温保存しておくと
胡麻が酸化して
苦味が出ちゃうんだよ。」
「えっ~、そうなの。」
「酸化は焦げることだからね。」
「どんなものでも
鮮度って、大事なんだね。」
「そうだよ。」
その後、袋に詰め
お客様にお渡しするばかりとなりました。
鮮度を落とさないため
冷蔵保存しており
御注文を受けてから
ボトル詰めしています。
そのため、急な御注文には
対応出来ない場合もございますので
前もっての御注文をお願い致します。
美味しさのためには
手抜きと妥協はご法度です。
くれぐれも宜しくお願いします。
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