北海道・羅臼(らうす)産の鰤(ぶり)
Vol.3810
生涯、一料理人を貫くためが想いを
『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の
志村弘信が認めます。
今朝
沼津魚市場に行くと
北海道・羅臼産の鰤(ぶり)が
入荷していました。
7キロ台
8キロ台
9キロ台と
目方ごとの山に
仕分けられていました。
もちろん、10キロ台の
ものもあるのですが
数も少ないだけでなく
単価も高いので
沼津に入荷して来ることは
あまりありません。
そんな中
コース料理の西京焼用に
7,9キロのものを
仕入れることにしました。
7キロ台のものにしたのは
使い勝手によるものです。
『佳肴 季凛』に戻り
鰤をまな板に乗せると
ミニふぐがやって来て
「おはようございます、親方♬」
「おはよう。」
「ぶりって、出世魚なんでしょ。」
「そうだよ。
よく知っているじゃん!」
「『頂きものの三重県安乗産の
鰤(ぶり)で仕込んだ西京漬』
っていうブログを、
4月頃に書いたでしょ。
そこで、色々覚えたもん。」
「おぉ、それは嬉しいねぇ。
鰤と言えば、長野県では
暮れから正月にかけて
鰤を食べる風習があるんだよ。」
「それは、初めて聞いたよ。」
「山間部の長野は
海産物を食べる機会が少なくて
正月くらい、海の魚を
食べたいと思って
日本海で獲れる鰤を
食べるようになったんだよ。」
「ふ~ん。」
「料理方法は、色々あるんだけど
保存も兼ねて、正月の間中
味噌漬にして、焼いて
食べるんだって。」
「それって、西京漬じゃん!」
「っていうか、信州長野は
味噌も特産品だから
信州漬になるね。」
「そりゃ、そうだ!」
「しかも、切身は
かなり分厚いらしいよ。」
「どれくらい?」
「あとで、自分が切身にするけど
その3倍とか4倍で
1切れが3~400グラムに
なるんじゃないかな。」
「って言われても
よく分からないから
切身になった時の様子を
見るようにするね。」
「はいよ~。」
鱗が細かい鰤は
包丁で鱗を取り除きます。
この方法は
すき引きと呼ばれ
身に包丁が入らないように
注意が必要です。
頭を落とし
水洗いをし
身を見ると
乳白色をしているだけでなく
皮下脂肪もバッチリ。
三枚に卸し
腹骨を欠き
腹の部分だけ
外したら
切り分けました。
切身にしていき、
秤にかけると
約90グラムでした。
先程、長野県のお話しをしましたが
この3~4倍が
長野県バージョンとなるので
かなり食べ応えがあるはずです。
このように
切身にしたら
当店の【西京漬】同様
有機JAS認証済の西京味噌を
ベースにした
お手製の西京味噌と共に
真空パックし、冷蔵庫へ。
形の良い部分を切身にし
尾に近い部分は
お弁当用の南蛮漬にするため
包丁したら
塩を振り
片栗粉をつけてから
揚げました。
このまま漬け込むと
油っぽいだけでなく
味の浸み込みも良くないので
熱湯を回しかけ
油抜きをしてから
しんなりさせた玉ねぎ、
鷹の爪を入れ
土佐酢を注いだら
落としラップをし、冷蔵庫へ。
コース料理の西京焼にする
魚は様々ですが
これからの時季は
鰤と鰆(さわら)の
合わせ技となりそうです。
ただ、先日『鰆(さわら)が【西京漬】の
お話ししたように
鰆が一押しになるのは
自覚しています。
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