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鰆(さわら)が【西京漬】のラインナップに入らない理由

Vol.3800

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

昨日のお話しの中で

触れた鰆(さわら)について、

お話しさせて頂きます。

活魚売場を離れ、

構内を歩いていると、

山口県萩(はぎ)産の鰆(さわら)が、

目に留まりました。

並んでいた鰆は、

自分好みのサイズの鰆で、

それぞれの目方は、

3,7キロ、4,4キロ、

5,3キロ、

4,2キロ、4,1キロ、

4,1キロと、合計6本。

このうち、4,2キロのものを

仕入れることにしました。

鰆の下処理を

始めようとすると、

ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんが

やって来て、

「4,2キロってことは、

僕たちの体重の4129グラムと、

ほぼ同じだよね。」

「そうだよ。

良いふぐ(4129)だからね。」

「鰆は、どんな料理になるの?」

「コース料理の西京焼だよ。」

「ふぅ~ん。でも、どうして、

佳肴 季凛 謹製 西京漬け

【西京漬】の中には、無いの?」

「それが、今日のお話しだよ。」

「だから、昨日話さなかったんだぁ。」

「そういうこと。

まぁ、聞いて下され。」

「はぁ~い。」

鰆が【西京漬】の

ラインナップに無い一番の理由は、

鰆の美味しい時季が限られているからです。

一番美味しい時季は、

寒鰆(かんざわら)という

言葉があるように、真冬です。

ただ、一月を初春とも言うので、

この言い方は、

不思議ではありません。

自分が使う鰆のサイズは、

4キロ以上のもので、

このサイズのものは、

晩春から初秋にかけて、

見る機会が少なく、

あっても、かなりスリムな鰆です。

また、4キロを境に、

脂の乗りは、

全くの別ものになります。

いわゆる、とろのような脂ではなく、

魚本来の味わいの脂ですので、

しつこさは全くありません。

そこが、鰆の美味しさの魅力で、

自分もその虜になり、

西京焼の中で、

もっとも好きな魚で、

文句なしの金メダル。

さらに言うと、

『嗚呼、鰆(サワラ)』というお話し等、

s-画像 1056.jpg

鰆については、

これまでに、

何度もお話ししたことがあり、

それらを探していると、

夜が明けてしまうので、

これ以上は、あしからず。

そこまで好きな鰆ですので、

売場に並んでいる時は、

必ず足を止めてしまいます。

包丁で軽く鱗を取り、

頭を落とすと、

乳白色の身をしていました。

乳白色=脂にして、

ニンマリ。

水洗いし、

三枚に卸すと、

身割れなし。

鰆は、魚の中でも、

もっとも身割れしやすい魚なので、

卸す時には、

細心の注意を払うのですが、

水揚げや箱詰の際の扱いが、

悪ければ、身割れすることもあり、

そういう鰆にあたった時は、

泣くしかありません。

ですので、鰆が身割れしないためには、

二つの条件が

重ならなくてはならないのです。

切身にしたら、 普段同様、

有機JAS認証済の

西京味噌をベースにした

お手製の西京味噌と共に、

真空パックし、冷蔵庫へ。

すると、2匹がやって来て、

「親方、お疲れ様♬

鰆愛、凄いじゃん!」

「それだから、

仕入れ、仕込みに始まって、

焼き上げるまでを、

見届けたいから、

リストに入れないんだよ。」

「マジ!?」

「冗談10%、本気90%!」

「ここまでになると、

ふぐ愛といい勝負じゃね?」

「全くの別ものだから、

単純には比べられないけど、

天然のとらふぐは、

チャンピオンだね。」

「やったぁ~!」

鰆であれ、

天然のとらふぐであれ、

納得がいく素材で、

納得がいく料理を仕立て、

お客様が喜んで下さるのが、

自分の道です。

そのためには、

妥協は出来ません。

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