賄いの鱧(はも)の天ぷら
Vol.3765
“身体に優しい、美味しい日本料理”を、
信条とする『佳肴 季凛』店主兼
熱血料理人の志村弘信です。
夏場は、昼ごはんに
麺類を食べることが、
多くなるのですが、
麺類だけでは、もの足りないので、
天ぷらを付けています。
というか、
付けちゃっています。
天種は、その時によって様々で、
一番多いのが、

野菜のかき揚げです。
ただ、この時季は、

鱧を仕入れるので、
切り落としを、天ぷらにして、

天ざるにしています。
これを見た熱血君は、

「この時季は、やっぱり鱧?」
「イエ~ス!」
「美味しいのは、よく分かるんだけど、
他にも、鱧の魅力ってあるの?」
「あるよ。鱧は、天然の魚だから、
何よりも安全、安心。
同じ長い魚の鰻(うなぎ)は、
ほぼほぼ養殖。
養殖がだめじゃないけど、
天然の魚の美味しさは、レベチ!」
「レベチなんて言葉、
よく知っているじゃん。
昭和世代なのに。(笑)」
「昭和で、悪ぅ、ござんしたね。
そんなこと言うと、あげないよ。」
「あぁ、ごめんごめん。」
「天ぷらにすると、
あのフワフワ感がいいんだよ。
軽い感じだから、
いくらでもいけちゃうよ。」
「へぇ~、美味そぉじゃん。」
「一個、どう?ほら。」
一口頬張った熱血君は、
「あちあち、ふわふわで、美味しいよ。
でも・・・。」
「でもって?」
「少し骨が口に、
当たるんだけど、骨切を失敗したの?」
「いやいや、尻尾の方だから、
どうしても、当たっちゃうんだよ。
お客さんには出せないけど、
おかずなら、いいでしょ。」
「賄いだしね。また、食べさせてね。」
「はいよ~。」
先程お話ししたように、
天ざるにするのが、
殆どですが、
時には、

趣を変えるため、

器は勿論のこと、

天種だけでなく、

めかぶをあしらったりと、
味わい、見た目でも楽しみ、
とりわけ、自己満足(これが一番大事)の
世界にうっとり、どっぷり。
うっとり、どっぷりだったのは、
麺類に限ったことでなく、
かき揚げにして、

ごはんのお供だったり、

鱧天カレーなる変わり種も。
まだまだ、鱧を仕入れるので、
同じく、まだまだ鱧の味を堪能し、
更に、まだまだ、うっとり、どっぷりと、
させてもらいます。
鱧の天ぷら付き賄い飯。贅沢ですね。
先日の鱧料理の中で、お天ぷらが一番好きでした。
先日は、どうも有難うございました♬
この時季だけの賄いです。