休市日の鱧(はも)は、山口県産
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3741回目の今日も認(したた)めます。
基本的に、土曜日が休市日の沼津魚市場ですが、今朝は、活かしの鱧を仕入れに行って来ました。
休市日ですので、構内は、

薄暗く、ガラ~ン。
活魚売場に向かうと、

自分の買い番(47ー9)が書かれた生簀に、

鱧が入っており、鱧以外の仕入れは無いので、着いたのは、

普段よりも1時間も遅い6時過ぎでした。
鱧を、

ブクブクをセットした発泡スチロールに入れ、

車に積み、帰ることにしました。
構内同様、

魚市場周辺は、

ガラ~ン。
【佳肴 季凛】に戻ったら、

鱧を、

水槽に入れておき、ざるに入れてあるのは、夕方卸す時、捕まえやすいからです。
仕込みを始めようとすると、 熱血君がやって来て、

「親方、おはようございます。休みの日でも、魚市場はやっているの?」
「やっているというか、今朝の鱧のような活魚は、昨日の時点で、伝票に計上されていて、それを受け取るだけだから、やっているうちにはならないよ。」
「ふ~ん。」
「でもね、休日当番の職員が、

出勤していたり、豊洲とかの中央市場が開いているから、

荷物の仕分けをしている問屋もあったり、魚市場って、完全オフじゃないんだ。」
「へぇ~。今朝の親方じゃないけど、食べるものを扱う仕事は、カレンダー通りに休めないんだね。」
「そうだね。昨日の時点で鱧を仕入れて、うちの水槽に入れておくことも出来るけど、市場の生簀の方が安心だし、水が変わると、身にも傷つく場合もあるしね。」
「活きている魚って、デリケートなんだね。」
「そうだよ。良い食材を使いたいから、手抜きは出来ないよ。」
「ほぉ~。」
「たいへんだけど、納得した食材で、料理を作りたいし、お金をもらう以上、出来る限りのことはするよ。」
「なるほど~。」
夕方になったら、

水槽の鱧を取り出し、

締めたら、

神経を抜き、

水洗いしたのち、

卸したら、

骨切りをし、鱧料理のマストアイテムとも言うべき落とし用に包丁しておき、冷蔵庫へ。
お客様が見えたら、

落としに仕立て、

目鉢鮪(めばちまぐろ)、〆鰯(しめいわし)、湯葉と共にお出ししました。
直前に落としに仕立てるのは、湯引きした際に、花が咲いたようにならないだけけでなく、身がしっとりとした感じになるからです。
また、落としにした状態で、冷やすと、皮のゼラチン質が固まって、食感が損なわれてしまうので、活きたもので仕立てないわけにはいきません。
自分が納得した食材で、料理を仕立てるこそが料理人の醍醐味である以上、このスタイルを貫くため、妥協という言葉は、自分には存在しないのです。
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