11本の鱧(はも)のあら
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3734回目の今日も認(したた)めます。
昨日の仕入れた7本の鱧(はも)は、

活かしが2本、活〆が5本で、全て山口産です。
鱧に限らず、魚を卸すと、頭や骨などのあらが出て、

これらは、焼いてから、出汁を取ります。
また、一昨日仕入れた鱧は、

大分県産の4本で、

然(しか)りです。
そして、今日、

11本全て焼き、

一番出汁を取った後の鰹節、宗田節、干し椎茸の足、昆布、野菜の皮など共に、沸き立たせることなく、長時間煮出して、

濾すと、

このような出汁が取れました。
ところで、全て焼き上がった時、熱血君がやって来て、

「親方、出汁を取る時には、どれくらい使うの?」
「適当。」
「え゛っ!?」
「この出汁を一番使うのが、小鍋の出汁で、いつも朝一番で仕込むんだけど、その時に使わなかった分に継ぎ足すから、分量もまちまちなんだよ。だから、適当。」
「そういうことね。」
「今日の場合、3、4本分のあらを使った感じかな。」
「適当ってことじゃね?」
「そうなるかな。いい加減が、良い加減ってことだよ。(笑)」
「納得!」
あらを焼いて、出汁を取る魚は、全て天然もので、それぞれに特有の味わいがあり、結果的に継ぎ足しているので、完全に鱧の出汁とは言えません。
しかしながら、鱧の量が増えれれば、鱧特有の味わいが加わり、鱧だけでは出せない味となるので、さらに深い味となり、そういう意味では、この出汁は、当店独自の味なのです。
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