沼津魚市場第二市場こと、外港
生涯、一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3705回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日は、

サーモンの【西京漬】を仕込み、

昨日から仕込んでいた【鰯の丸煮】が仕上りました。
サーモンは、今朝、

沼津魚市場で仕入れたノルウェー産で、真鰯(まいわし)は、

昨日から仕込んでいたとあるように、昨日、

同じく沼津魚市場で仕入れた鳥取県境港産です。
サーモンの【西京漬】と【鰯の丸煮】を眺めていた29匹ふぐネット達に、

「今日は、普段とは違う魚市場の様子をお話ししてあげようか?」と、声を掛けると、
「親方、違うって、何?」
「何はともあれ、ご覧(ろう)じろ。」
「はぁ~い。」
沼津魚市場は、

このような位置関係にあり、サーモンを仕入れた売場が、上の写真のオレンジ色の第一市場(だいいちしじょう)で、真鰯を仕入れたのが、濃い緑色のINO(イーノ)という売場です。
「ふ~ん。さっき、オレンジ色って言っていたけど、第二市場って・・・?」
「いいところに気付いたね。そこが、普段とは違うところで、だいにしじょうって、言うんだよ。」
「そうなんだ。」
第二市場は、外港(がいこう)と呼ばれ、

“びゅうお”と呼ばれる大型水門から、

灯台までが、その範囲で、大小様々な漁船が水揚げをしており、今日は、

地元の小型船が、

旋網(まきあみ)で獲った真鰯を水揚げしており、

ケース単位、場合によっては、尾数、個数単位でしか、魚を買っていない自分にとっては、これだけあると、天文学的数字レベルとしか言い様がありません。
ダンベと呼ばれる容器単位でセリにかけられた後、仲買人がさらに選別し、箱詰してから、全国各地に送られ、全てとは限らないので、沼津に留まり、明くる日の売場に並ぶこともあります。
今日の真鰯は、

かなり小さく、このような鮮魚の状態で流通することは少なく、専門の業者のところに行き着き、丸干しなどに加工されるのです。
その他には、水族館で飼育されている生き物の餌として、利用されていることもあり、水揚げされる魚は、色んな用途があり、こういうことも、メディアは報道すべきだと、強く思っています。
真鰯以外には、

魳(かます)、

太刀魚(たちうお)なども水揚げされており、仕分けられた魚は、

フォークリフトで運ばれて行き、

7時半過ぎからのセリを待つことになりました。
「親方、沼津の市場に、こんな場所があったんだね。」
「そうだよ。また、知る人ぞ知る的な話をしてあげるよ。」
「うん。ところで、明日、【西京漬】に仕込む銀鱈は、どこで仕入れるの?」と、訊かれたので、

「塩干(えんかん)売場で、あずき色の所だよ。」 と教えてあげると、「へぇ~。」の一言。
魚市場というと、ただ魚の売り買いをする場所と思われがちですが、沼津の場合、漁港も併設していることもあり、食の原点というか、現場の姿を見ることが出来ます。
食の安全、安心ということが言われて、久しく経つのですが、食に関して目にすることは、あまりにも理想論的なことだけでなく、まがい物としか思えないことも多く、嫌気が差すばかりでなりません。
いわゆる“先生”達、その候補者、及び予備軍は、 現実を直視し、国民の多くに、それを伝え、食料政策が国家根幹の政策であることを認識して欲しいものです。
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