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せんにんふぐ

今朝、沼津の魚市場へ行くと、職員の人が、いつものように水揚げされたばかりの魚の目方を量っていました。
s-画像 730.jpg
普段は素通りするのですが、見慣れない魚なので、見ていると、
「季凛さん、この魚が分かるかい?」
「もちろん。“せんにんふぐ”でしょ。」
「さすがだねぇ~。やっぱ“富士市で一番ふぐが好きな料理人”だけあるね。ていうか、静岡県かもね。」
そんなやりとりを終えると、
s-画像 731.jpg
セリにかけられるように、並べられていました。
s-画像 732.jpg
横から見ると、こんな姿をしています。
こうやってセリ場に並べられた“せんにんふぐ”ですが、実を言うと、この“せんにんふぐ”は食べられないふぐなのです。つまり、毒があるのです。だから、一度は並べられたのですが、しばらくして戻ると、並べられていませんでした。
でも、何故“せんにんふぐ”のような食べられないふぐが並べられたのでしょうか?先日お話しした“もようふぐ”や“ほしふぐ”のように、活きていれば、水槽に入れて、観賞魚に出来ます。
ただ、この“せんにんふぐ”のように、死んでいるのですから、一体何のために、売買されるのでしょうか?
そんな疑問を、先ほどの市場の職員に聞いてみると、
「こういうふぐは、研究用や、ふぐ免許の試験の時に使ったりするから、取引されるんだよ。」
「なるほどね。」と、納得しました。
実際、ふぐ免許の試験の際には、“ふぐの識別”という科目があります。いろんなふぐを見て、ふぐの名称を答えるものです。
実技や筆記に限らず、ふぐ免許を取るためには、必要な科目です。試験の時は、覚えていても、“せんにんふぐ”のようなふぐを見ると、なかなか思い出せないものです。
ただ、今日の“せんにんふぐ”のようなふぐが見られるのも、市場に行っているからこそで、これも市場へ行く楽しみの一つでもあります。
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