両手にジャンボちゃんこと、超特大の天然とらふぐは、三重県熊野灘産
料理が好きで、料理人になって、3分の1世紀にして、誰が名付けたのか、熱血料理人。
そんな料理への想いや日々の様子を、 熱血料理人の店主・志村弘信が3639回目の今日も認(したた)めます。
今朝、沼津魚市場に着き、一番最初に行ったのが、

こちらの売場でした。
普段から、この売場では、鰆(さわら)、葉血引(はちびき)などを仕入れていますが、今朝の魚は、

三重県熊野から、

自分宛に届くことになっていた天然のとらふぐで、

延着することなく、届いていたので、ひと安心すると共に、萌え燃え・・・
氷詰めになっていますが、

昨日、活締めにされてから、送られて来たものです。
仕入れを終え、【佳肴 季凛】に戻ったら、


「5,2キロと、

5,6キロだよ。」
「僕たちの4129(良いふぐ)グラムよりも重いじゃん。この間みたいに、白子が入っているといいね。あと、Wジャンボちゃんだから、抱っこするでしょ?」
「そうだね。じゃあ、卸し始めるから、あとでね。」
「バイバ~イ♬」
これまでにも、お話ししているように、ジャンボちゃんというのは、“ふぐに魅せられし料理人”の自分が、天然のとらふぐへの想いを込めた呼び方で、4,0キロ以上のとらふぐのことです。
ということで、

抱っこして、両手に花ならぬ、ジャンボちゃん
萌えモードから、

燃えモードにシフトし、卸すことにしたのですが、まな板が汚れているのは、

とらふぐ同様、

魚市場で仕入れた鹿児島産の鯵(あじ)の下拵えをしたからで、

こうするのは、まな板を洗う手間が省けるからです。
最初の1本は、

残念ながらメスで、

2本目もメスでしたが、そもそも天然のとらふぐは、オスとメスで成長のスピードが違うので、大きいものほど、オスの数が少なくなるのです。
オスの生殖腺の白子は可食部位にして、美食中の美食であるのに対し、メスのそれの真子は、不可食部位ゆえ、食べると痺れてしまいます。
卸し終えたら、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが水洗いしてくれ、

とらふぐの前には、先程の鯵の水洗いもしてくれたのは、言わずもがなです。
ジャンボちゃんを卸し終えた自分が、

手直しをし、

拭き上げると、

「今日は残念賞だね、親方。」と、ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんが声を掛けてきました。
「そうだね。」
「白子と言えば、面白い話があるんだけど・・・。」
「なに、何、ナニ?」
「この時季のとらふぐは、産卵が近くなるから、白子も真子も大きくなるのは、分かるよね?」
「うんうん。」
「4月は家庭訪問があるんだけど、家庭訪問の日と、とらふぐを卸した日が同じで、大きい白子が入っていたんだよ。」
「家庭訪問と白子が、繋がらないんだけど・・・」
「まぁまぁ。」
「ほぉほぉ。」
「店をやっているから、家庭訪問も、カウンターで仕事をしながら、3人で話をするようになるんだよ。」
「お店、あるあるね!」
「担任の先生が理科専門で、話が脱線して、魚とかの生き物の話になって、白子の話にたどり着いたんだよ。」
「それで?」
「たまたま、リアルジャンボちゃんを卸した日と家庭訪問の日が重なり、元々の目方と白子の目方を伝え、白子を見せてあげたら、写真を撮ったんだよ。」
「え゛っ~。そんなのあり!?」
「まぁ、断る理由もないけど、1本の目方に対しての白子の目方に、先生も驚いていたよ。」
「だよねぇ~。」
そんなやり取りをしていると、

真由美さんが掃除を始めたので、

井戸端会議を終え、

ランチの営業に備えたのでした。
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