鰯日和(いわしびより)
生涯一料理人を貫くためが想いを、『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の志村弘信が、3542回目の今日も認めますので、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
今日仕上った『鰯の丸煮』は、

千葉県銚子産の真鰯で仕込み、

詳しいことについては、

昨日のお話しをお読み下さい。
仕上った『鰯の丸煮』の隣にあるのは、

鰯つみれ錦糸蒸しの素である、しんじょ地です。
しんじょ地はしんじょう地とも呼ばれ、しんじょうとは、魚のすり身に調味料を加えて、伸ばしたもので、分りやすく言うと、かまぼこなどの練物の素、つまり、加熱する前の状態で、しんじょうには、 糝薯、真蒸、真丈 などの字があてられています。
しんじょ地があるのは、

鰯つみれ錦糸蒸しを仕込んだ時の余りですが、余りの方が多いので、余りのついでに、鰯つみれ錦糸蒸しを仕込んだと言う方が、正しいかもしれません。
鰯つみれは、

沼津魚市場にある練物屋で調達したもので、

これに、既製品のすり身をはじめ、生クリーム、卵、調味料を加えて、伸ばしたものです。
生クリームを入れることによって、洋食で使うテリーヌのように、ふんわりとした食感となります。
鰯つみれ錦糸蒸しをお出しする時は、

器に入れ、あんを張り、熱々の状態にし、天に三つ葉、紅葉卸しをあしらっています。
しんじょを地を鰯つみれ錦糸蒸しにするのは、

殆どの場合、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんで、和食では、この丸める作業のことを、丸(がん)に取ると呼んでいます。
その後、

既製品の錦糸玉子をつけたら、

蒸気の上がった蒸し器で、

12分ほど蒸すと、先程の写真のようになります。
多めに仕込み、使わない分はサランラップに包み、冷凍しておき、この流れが鰯つみれ錦糸蒸しの仕込みの流れです。
鰯つみれ錦糸蒸しを最初から仕込む時で、『鰯の丸煮』を仕上げることは、レアケースで、言うなれば、鰯日和ということになります。
ただ、真鰯の下処理をする時に、一から鰯つみれ錦糸蒸しを仕込むことはしません。
真由美さんと2個1で仕事をしているので、効率良く、仕込みをするように心掛けていますが、そうでない時もあり、思い通りにいかないのが、仕事です。
出来る限り、自らのペースで仕事をするのが、真の職人仕事で、その域に達するまでは、まだまだ修練が必要で、職人仕事には終わりがありません。
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