鱧(はも)の骨切り
今回のお話しも、鱧(はも)です。第七弾です。
ご存知の方も、いらっしゃるかと思いますが、鱧は普通の魚と違って、沢山の小骨があるので、そのまま食べることは出来ません。ですから、小骨を切る“骨切り”という下ごしらえが、必要です。
鱧料理をする際(焼くにせよ、揚げるにせよ)は、“骨切り”をしなくてはなりません。
頭の方から、押し切るようにして、包丁を入れていきます。
真ん中ぐらいまで、きました。当然のことですが、等間隔で包丁を入れていかなければなりませんし、この間隔が広ければ、骨が残り、食感を大きく損ねてしまいます。
この間隔は、「1寸で30回」と言われています。1ミリに一回というこです。
“骨切り”をする時、注意しなければならないのが、皮を切らないことです。このように、皮一枚で残さなければ、骨が残ってしまいます。
上が“骨切り”し終えたものです。
皮一枚を残して、”骨切り”したものです。今回は失敗せずに、出来たのですが、勿論、失敗して皮を切ってしまうこともあります。
修業時代、鱧を卸すことはあっても、“骨切り”は殆どやらせてもらえませんでした。理由は簡単です。骨が残るのと、皮を切ってしまうからです。
あまり上手でない自分が言うのもなんですが、数をこなしていれば、上手にはなります。特に、包丁を使う仕事は、百回よりは千回、千回よりは一万回するだけです。
やった分だけ上達するのです。ですから、今でも包丁だけは、沢山使うように、心掛けています。包丁を使うスピードを見れば、大体その料理人のレベルは分かるものですし、きれいに、早く出来てこそ、プロのプロたる所以です。
でも、いつになったら、そこまで辿り着けるのかと思いながら、日々包丁を握っているのですが、まだまだです。
志村
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