さばふぐの唐揚げ
昨日、“佳肴 季凛”はお休みだったのですが、沼津の魚市場が、今日休みなので、市場に行ってきました。
休みの日に市場に行くと、つい悪いクセが出てしまい、安くて良い魚があると、つい沢山仕入れてしまいます。ただ、自分の気持ちとしては、そういう魚がなければ、休めるという考えもあるので、ある意味複雑な心境です。
そんなことを思いながら、市場の中を歩いていると、そんな魚がありました。
“さばふぐ”(和歌山県産)です。“さばふぐ”は、秋から冬にかけて入荷するのですが、ここ最近、入荷があります。先週も、仕入れました。
時季外れでは、ありますが、味が落ちることはありません。かえって値段も安いので、こちらとしては好都合でもあります。
昨日の入荷は、8ケースありました。ちなみに、大きさはまちまちでしたが、1ケースに4キロ入っていました。ただ、そのうちの一つは、2,7キロでした。
全部まとめてしまえば、安くセリ落すことが出来ます。そのことを伝えると、自分の仲買人が、案の定、安くセリ落としてくれました。合計で8ケース、30,7キロです。
ただ、いざ買って、こんなに沢山卸すことを考えると、何となく憂鬱な気持ちがないわけでありません。が、買ってしまった以上、もう後には戻れません。
しかも、今日は助っ人である真由美さんは、家のことをやるので、頼めません。前もって言っておけば、手伝ってくれるのですが・・・。
そんなことを思っていても、仕事は終わらないので、店に戻るとすぐに卸し始めました。
まず、背びれと尻びれを落とします。
その後に、頭の付け根に包丁をいれ、切れ込みを入れます。この作業をやってから、頭と皮を取ります。
頭ごと皮を引っ張ります。
そうすると、こんな簡単に、皮を剥ぎ取ることが出来ます。このように、ふぐの頭と皮をつけたまま卸すことを、“ぐるむき”と言います。
写真では素手ですが、これほどまで沢山あるとすべってしまうので、あとは手袋をしてやりました。剥きおえたら、今度は水洗いです。
これだけでも、1時間半かかってしまいました。
さらに、これをきれいに布巾でふきます。
ふき終えたものがこちらです。全部で94本ありました。
この“さばふぐ”は唐揚げに使います。単品としてもお出ししますし、会席コースの揚物としてもお出しします。
唐揚げにする時は、骨ごとぶつ切りにしてから、薄口醤油と日本酒の中に、10分程つけておきます。
その後、片栗粉をつけて、揚げます。
こちらが、会席料理の揚物の“さばふぐの唐揚げ”です。ちなみに、単品ものですと、一人前5個になります。
94本の“さばふぐ”から、294個の身が取れました。これほど沢山のものが、いくら“さばふぐ”だからといって、すぐに“さば”けるわけがありません。
使う分だけは、別にしておいて、残りは真空しておきます。
さらに、真空し終えたものは、冷凍しておきます。
予約が入ったら、その都度、解凍して、味をつけて、揚げます。真空してあるので、味は全く変わりません。
“さばふぐの唐揚げ”のようなものですと、変化があり、なかなか食べる機会も少ないようなので、お客様も喜んでくれます。また、そんな反応を見ると、作る側の自分としても嬉しい限りです。
こんなこともなせるのも、休みの日に市場に行くからこそのこと。だからと言って、行き過ぎると、多く仕入れてしまい、休みがなくなってしまいます。でも、これが好きだから、仕方がありません。
志村
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