揚げ台
揚物を沢山揚げる時は、“フライヤー”を使います。“揚げ台”と呼んだりもします。
ご覧のように油が入っていますが、大きさにもよりますが、“佳肴 季凛”の揚げ台には、約一斗(18リットル)入ります。
これだけ入るので、片付けとなると、結構な仕事です。火を止めて、熱いうちに、漉します。
それこそ熱いので、注意が必要です。温度は約160度です。こんなものがかかったら、一溜りもありません。
漉してから、洗います。
使う洗剤は、油落とし専用のものなので、ゴム手袋をした方がよいのですが、汚れの落ちが分かりにくいので、素手でやることにしています。
ただ、自分は面の皮と同じ位、手の皮も厚いので、そんなに手が荒れることもありません。一般の方は、マネしないで下さい。
汚れの程度にもよりますが、洗剤をつけて洗う作業を、2,3回繰り返します。今回はそれほどでもないので、すぐきれいになりました。
乾いたタオルで拭いたら、終了です。揚げ台そのものの掃除はこれだけですが、揚物をやると、当然その周りも汚れます。ですから、その周りの掃除もしなくてはなりません。
先日もお話ししたように、厨房の仕事は、片付けの方が多いくらいです。確かに、面倒なのですが、美味しい料理はきれいな厨房で作られる、というより、“でしか”作れません。
また、自分が思うことは、揚げ台に限らず、道具を作ることを仕事としている人がいます。その人が、作った道具を粗末にされたら、きっと悲しかったり、寂しい思いをするはずです。
自分も作った料理が残されたり、粗末にされると、身を切られるより辛いです。そんな人たちがいるからこそ、料理を作ることが出来るのです。
どんな凄腕の料理人でさえも、鍋がなければ、ゆで卵の一個すら作れません。ですから、高い安いにかかわらず、どんな道具でも粗末にしてはならないのです。
それが出来て、初めて職人なのです。料理を作る職人となった以上(自分では、まだまだだと思っていますが)、そういう気持ちだけは、忘れないでいたいものです。
志村
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