酒粕と味噌入りの和風ビーフシチューとカレーの合いがけ
以前、『日本料理店らしい賄いのビーフシチューの作り方』ついて、
お話ししたことがありますが、今回のお話しは、そのアレンジ版です。
ビーフシチューのメイン食材である牛肉は、先程のブログにもあるように、
すじ肉が安くなっている時に買い、冷凍しておいたものです。
煮込むと崩れたり、小さくなってしまうので、
大きいぐらいに包丁しておきますし、とろけるくらいまで煮込むので、大きくても何ら問題ありません。
鍋に牛肉を入れたら、
カットトマトと、
日本酒、
鰹節、宗田(そうだ)節、昆布、干し椎茸の足で取った一番出汁を入れ、火にかけ、火加減は強火です。
しばらくすると、
あくが浮いてくるので、丁寧に取り除き、強火のままで、このまま煮込んでいきます。
あくが出なくなり、程なくすると、
脂身が溶けだしてきたら、火を止め、
粗熱が取れたら、鍋を洗うため、移し替え、洗った鍋に戻したら、冷蔵庫へ。
そして、明くる日、冷蔵庫か出すと、
プルンプルンの煮凝(にこご)りとなっており、
火にかけ、水を加え、前日同様、強火で加熱します。
沸いてくるまでの間に、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、人参と蓮根の皮を剥いてもらったら、
包丁し、煮詰まってきたら、
鍋に入れ、煮込みます。
「ビーフシチューに蓮根!?」と思われるかもしれませんが、蓮根に限らず、根菜は煮崩れることがないので、煮込み料理には最適で、もう少ししたら出回る筍も、その一つです。
人参と蓮根柔らかくなり、あくも殆ど出なくなったら、
ボウルに酒粕、赤出汁味噌、2種類の田舎味噌、ソース、濃口醤油を用意したら、
ビーフシチューとは言え、和食ということで、出汁を入れ、溶かしたら、鍋に入れ、今度は、
2種類の市販のルーを出汁で、
溶かし、鍋に入れます。
この時点で、火加減は弱火で、
大きめに包丁した玉葱と、
しめじを入れ、火が通ったら、
出来上がりです。
ビーフシチューと言えば、
パンと共に食べるのも定番の一つですが、今日は、
ビーフシチューだけでなく、
知る人ぞ知るにして、一度に50人前とも100人前とも仕込むカレーと共に、
お昼に、
食べました。
酢飯の上に魚を盛り付けた丼ものは平気なのですが、カレーに限らず、御飯の上に乗せたものが、イマイチゆえ、別盛りにしています。
また、カレーとビーフシチューのように2種類のルーを盛り付けることを、“合いがけ”とか“両がけ”と呼ばれたりもしており、この呼び方を覚えたのは、東京の鮨屋時代、築地に通っていた頃、朝食を食べに立ち寄っていた洋食屋でした。
料理人や魚屋などの食の専門家が立ち寄り、その洋食屋に限らず、どこの店にも、カスタマイズ化されたメニューがあり、符牒や暗号そのもので、そのメニューを耳にすると、そのメニューを頼んだお客さんの方向を見て、楽しんだもので、その数は、枚挙にいとまがありません。
さらに、そのカスタマイズ化されたメニューを頼んでみて、常連ぶり、そこのご主人や奥さんはもとより、常連さんと親しくなり、色んな情報交換をしたり、知り合った常連さんのお店で食事したことも、何度もあります。
さらに、そこで色んな仕事や商売人としてのあるべきことを教えてもらったのは、何よりの財産で、その習性がDNAとなり、今のホームグランドである沼津魚市場でも、興味を覚える方がいると、声を掛けずにはいられません。
ただ、好き嫌いが激しい性分ゆえ、合いそうもない人だと思うと、即座に“大嫌い光線”を出すこともありますが、一度でも馬が合う人と知り合いになると、虚心坦懐の本性を暴露するので、どこかでお会いしたら、くれぐれも宜しくお願いします。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
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