〆鯵(しめあじ)の作り方
今日のお昼御飯は、
葉血引(はちびき)、
〆鯵(しめあじ)、
小肌、
白魚で仕立てた丼で、4種類の魚を使っているので、
言うなれば、クワトロ丼です。
ところで、〆鯵は、鮨屋本来の仕事ということもあり、酢飯との相性が良く、
今日同様、賄い用の〆鯵丼に仕立てたことがあり、その都度、〆鯵の作り方をお話ししようと思っていたのですが、ついつい後回しになっており、今日お話しすることにしました。
〆鯵にする鯵は、
週に2、3度通う沼津魚市場で仕入れたもので、時季によって、産地は様々で、
この時は島根県で、
比較的仕入れることが多い産地で、仕入れる時は、1ケース(3キロ入)で、1ケースに30本前後入っているものです。
基本的に、鯵は揚物用に仕入れており、揚物にするからと言って、鮮度の劣化は気にしなくてもよいように思われますが、加熱する場合でも、鮮度は肝心なのは言うまでもありません。
むしろ、生食出来るようなものを仕入れ、〆鯵にするには、それ用の鯵から間引きし、振り分け方は、その時の状況次第です。
仕入れた鯵は、
鱗を取り、
ぜいごと呼ばれる尾の付根にある硬い部分を取り除いたら、
頭を落とし、
腹の切り、腹わたを抜きます。
この後、水洗いをするのですが、
水洗いの役目は、
いつものように、女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。
水洗いを終えた鯵は、
三枚に卸し、
盆ざるに、
塩を振り、
鯵の卸し身を乗せたら、
身にも塩を振り、
塩の加減はこのようなもので、この状態で置くこと15分程度。
程度なのは、気温、身の状態などの状況によって、塩の溶け具合が変わるからで、塩が溶けたら、水洗いするのですが、塩をあてることで、身の水分を取り除き、そこに酢が入るというのが、酢締めの理屈なのです。
塩が溶けたら、
氷を入れた水で、
手早く洗うこと、2、3回。
盆ざるに上げたら、
二番酢と呼ばれ、一度酢締めに使った酢にくぐらせ、
再び、ざるに上げます。
今度は、
昆布を入れたバットに酢を注ぎ、
その酢をボウルに移し、そこへ鯵を入れるのですが、酢の温度が上がらぬように、
ボウルを氷水をあてておき、このようにするのは、温度が高いと、皮を引いた時に、銀皮の色が失われてしまうからです。
身が薄らと白くなりかけたら、
酢から上げ、
余分な酢が切れたら、
余分な酢や水分を取るため、キッチンペーパーで挟んでおきます。
このまま30分程度おいたら、
血合いの間にある小骨を抜き、
バットに鯵を並べ、
先程の昆布を乗せ、
昆布の上に、
残りの鯵を乗せ、このようにするのは、昆布の旨味を鯵に加えるだけでなく、余分な水分を昆布に吸ってもらうためです。
朝仕込めば、夕方には使えるのですが、ひと晩おくことで、塩と酢が馴染み、生の鯵つまり素材の鯵が、仕事を施した料理に変わります。
お出しする時は、
皮を引くのですが、銀皮が残るように、包丁の背をまな板にあて、
身と皮を分け、その時の用途に包丁します。
〆鯵に限らず、先程お話ししたように、酢締めというのは、鮨屋の仕事で、自分の料理の道の始まりが鮨屋だったので、それなりの想いがあり、この道に転がり30年近くなりますが、まだなのか、もうなのか、何とも言えませんが、日々精進を胸に、厨房に立ち続けます。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
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