妻いろいろ
日本料理の華と言えば、やはり”刺身”です。この写真は”佳肴 季凛”の会席コース”凛”の刺身です。
この日の刺身は、”本鮪(博多)”、”平目(由比)”、”蛸(愛知)”、”青柳(北海道)”の四種盛りです。ちなみに、”会席コースの”季”は、三種盛りです。
ところで、今日のお話しは、刺身に使われている魚のことではありません。
刺身についている、この花と紫色の葉っぱについてです。
先ずは、この花から。この花は、”花穂(はなほ)”と呼ばれています。正式には、”はなほじそ”と言います。
”しそ”とついているように、”しそ”の花のことです。当然食べられます。今風に言えば、”エディブルフラワー(食用花)”ってやつです。
しかも、こんな風に木の箱に入っています。ですから、安いものではありません。
食べると、”しそ”の香りがします。
今度は、”花穂”の隣の紫色の葉っぱです。
”紅蓼(べにたで)”と言います。”蓼”とありますが、ことわざの「蓼食う虫も好き好き」の”蓼”と同じものです。パック入りですから、”花穂”よりは、安いです。ちなみに、”鮎(あゆ)の塩焼き”に付いている蓼酢(たでず)も同じものです。
当然、”紅蓼”も食べられます。食べると、苦味と辛味がします。
”花穂”や”紅蓼”は、日本料理では”芽もの”とか、”あしらい”と呼ばれています。これら以外にも、”花丸胡瓜(はなまるきゅうり)”、”青芽(あおめ)”などがあります。
別の言い方では、これらを”妻もの”と呼んだりもします。”妻”というと、大根や人参などを細かく切ったものを、思い浮かべますが、刺身についている野菜類は、どれも”妻”なのです。当然、”山葵(わさび)”も”妻”なのです。
また、献立を書く時、これらを総称して、”妻一式”とか、”妻いろいろ”とも、書いたりします。
このように 、”佳肴 季凛”では、大根だけでなく、人参、胡瓜、アーリーレッド(赤玉ねぎ)、などを入れています。特に、今の時期”茗荷竹(みょうがたけ)”という茗荷の茎も入れています。
こうすることで、見た目にも鮮やかですし、サラダのように美味しく食べることが出来ます。
もちろん、HPのトップページのフラッシュ画像にあるように、全て自分が桂剥きしてから、包丁しています。
日本料理では、器に盛り付けられているものは、全て食べられます。先程お話ししたように、”花穂”、”紅蓼”然りです。
でも、お客様の中には、召し上がらない方も多いのが現実です。ですから、自分は、こんな風にして盛り付けています。
”花穂”はこんな風に。そして、”紅蓼”も同じ様に。
こうすると、お客様は食べられるものだと思ってくれるので、刺身と一緒に食べてくれます。
ただ、日本料理店の多くは、”佳肴 季凛”のような盛り付けはしません。
冒頭の写真のように、盛り付けるのが一般的です。そういう時は、こんな風にして下さい。
このようにして、取った花は醤油の小皿に落として、召し上がれば、より刺身を美味しく味わえることができます。
たかが”妻”です。されど”妻”です。脇役あってこその主役です。自分を含め、”妻”君をお持ちの殿方諸氏。”妻”が居なくなったら、困りません?
で、今回は終わりにしようと思いましたが、・・・。
昨日で、”もっと美味しいお話し”を、連続30日アップしました。
途中、”妻”である真由美さんの記事も2,3ありました。”妻”の協力あってこその、連続アップでした。
別段、連続アップをやろうと思っていたわけではありません。3月10日を過ぎた頃、連続していることに気づいたので、どうせならとの思いで、やったまでのことです。
”もっと美味しいお話し”にお付き合いしていただいているお客様で、この一ヶ月の間来店して頂いた方には、30日連続アップすることを、半ば公約していました。
何はともあれ、お陰様でなんとか、出来ました。ここまで来たら、とことん続けてみます。
ってことを言うと、続かなかったりして・・・。
志村
2009.3.30|野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
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